ヤン・ウェンリーは結言すれば「反独裁主義者」と言えるのではなかろうか。
平和を求める発言はしばしばあり、実際平和を求めているのは確かでもある。
しかし、クーデター鎮圧を契機に同盟の首班になる、とっとと帝国に降伏するなど、と言う手法での平和獲得には舵を切らなかったのも事実。
つまり、「平和が欲しいが独裁制は拒否する」さらには「独裁制を否定するためならば戦う」と言うスタンスであったと言えよう。
要するにヤンにとっての重要度は「独裁制の否定」>「平和」。
帝国の支配に対して最後まで戦ったヤン・ウェンリーは最も好戦的だったとも言えるのではなかろうか。
ちなみにいわゆるヤンファミリーはヤンの思想ではなく、人格、人柄に惹かれて集まった集団なので、後継者と黙されるユリアンですらヤンの遺志を継ぎこそすれその価値観までは引き継いでいないように見える。
ヤンのこの独裁制への反発はたぶん当人にも説明できない感覚、感情的なものだったんじゃないだろうか。
歴史の専門家として知識としては独裁とはなんぞやと言う点に対して充分な理解はしていたはずであろう。
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