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2020年06月29日23:36

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見えない生活

「誰もが存在を見落としてしまう」人物と言えば、ミステリやクライムノベルの定番で、スパイや探偵が靴磨きや給仕に変装して怪しい人物の周辺を探る、なんて話が、黄金期と呼ばれていた1950年代、60年代にはたくさんありました。最近読んだミステリでは「モップの精」こと、派遣清掃員のキリコさん(近藤史恵 著)という人物がいて、派遣先で起こる事件を解決するというのがあって、自分がいても多くの人は気にもとめない、と言うセリフがたびたび出てきます。

人気お笑い(グルメ)芸人の浮気報道に関連して、愛人に告発されやすいタイプの特徴として、「秘密の恋愛を楽しんでいる」時の相手しか目に入らず、自分とあっていない時間に別の生活があり、その中で思い悩んだり苦しんだりしているかもしれないとは考えない「想像力の欠如」を上げていました。その指摘がどこまで的確なものかはともかく、当人が思っているほどお前に人望はないよ、と思えるような人が、しばしば自分の前で相手がとる態度しか見ていないというのはしばしば経験するところです。と言うか、想像力のない人が想定外の事態に驚愕することになりやすい、と言うのは、「想像力がない」の定義からして当然の帰結なので、当然と言えば当然のことですね。

ここから突然感染症対策の話になって、最近のニュースで連日話題になっている「夜の街」での感染の広がりと感染経路不明の患者の拡大は結構一体の話ではないかという仮説が、これまでの話から成り立つと言いたかったわけで、もちろん、夜の街で働いて、昼間は寝ている人も多いでしょうけれど、彼らも独身単身世帯ばかりでなく、家族もいれば、仕事以外の生活もあり、それこそ、学生だっているわけですし、当然食事もします。「夜の街」に行かなければ、彼らと接触しないかと言うとそういうわけではなく、夜の街で働いている彼らと接触する機会がないだけで、どこかで接点がある可能性はあるのです。

感染者に占める割合が多いことで一段と差別が進みそうで、そうでなくても隠したかった夜の街での労働を、今後は一段とばれないようにしなくてはなりません。この辺の対応はお互いの言い分があって、明確にどちらが悪いとか、こうすれば円満解決とはいきませんけれど、いずれにしても、そういう生活をしている人がいるのが事実で、それを否定してもうまくいくわけがありません。まず、現状でできる努力と工夫で感染症も生活苦も改善していくことを考えることが大切になります。まあ、そう考えたところで、私に相談が来るわけもなく、結局は言いっぱなしで終わってしまうのでしょう。
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