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2020年06月25日15:52

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母との約束、250通の手紙(La promessa dell'alba)

 外交官や映画監督、そして「勝手にしやがれ」の女優ジーン・セバーグの夫としての顔も持ち、1980年に拳銃自殺で最期を遂げたフランスの伝説的文豪ロマン・ギャリーの自伝小説「夜明けの約束」を、シャルロット・ゲンズブールと「イヴ・サンローラン」のピエール・ニネの共演で映画化。シングルマザーとして息子ロマンを育てるユダヤ系ポーランド人移民のニーナ。息子が将来、軍人として活躍した後、作家として成功すると信じる彼女は、息子の才能を引き出すために躍起になる。ロマンは、そんな母からの過剰な愛と重圧にあえぎながらも、母の夢をかなえようと決意。成長したロマンは自由フランス軍に身を投じ、病で生死の境をさまよった時も、ニーナからの激励の手紙が届き続けた。やがてロマンはパイロットとして活躍し、執筆した小説が出版され作家デビューも果たすことになるが……。(映画.comより)









 すさまじい母の愛の物語。圧倒され過ぎて、映画が終わってからも「そういえば母との約束って、具体的に何だったけ?」とか「えっと、250通の手紙って・・・」とか、素朴な疑問が浮かぶまでだいぶ鎮静時間が必要でした。もはやそんなことがどうでもいいくらい、すさまじい愛情のお話。私は、自分にも高齢になってから授かった一人息子がいますし、少し発達障害を持っていることとも相まって、溺愛しているほうだと思っています。それでも、シャルロット演じるこの母親は怖かった。もちろん、傍から見ている他人の目線はまた違って「あんただって同等なくらいだよ」とあっさり言われるのかもしれません。でも個人的には、日本とフランスの価値観の違いもだいぶあるように思いました。

 主人公の少年は、母一人子一人の家庭で育ちました。息子の才能を信じる母は、とにかく息子の才能を花咲かせることに余念がなく、また女一人で生きてゆくにあたっては、多少フェアではない手段を使ってでも金銭を稼ぎ、またいろんな才覚もあったのでしょうね。時期によっては華やかな時もあったようです。それでも、息子への関わり方は尋常ではなく、愛情のなせる技だとわかっていても、重い。ただ、それを「母の愛」と許容するフランス文化があったからこそ成り立った関係ではないかと思いますね。子供に何かがあると、ふたこと目には「母親の責任だ」などと言う日本の文化背景では、双方が壊れておしまいだったかも。

 母の期待に背かず、すべてになってしまえる(軍人・外交官・作家など)息子も凄すぎますが、本国ではよほどの美談なのか、息子を演じる俳優さんが目を見張るばかりのイケメン。彼は「イヴサンローラン」でも主演を演じて美しかったですね。カッコいいですね〜、カッコいい母親の条件の一つは、イケメン息子を連れていることだとひそかに思っているのですが、ダメでしょうか(笑)。カトリーヌ・ドヌーヴの「しあわせの雨傘」を見た時も、お飾りの妻が自立してゆく話なんだけど、どんなときでも母を応援している息子がまたイケメン(もちろん友人も超イケメン)で、なんだか母親までサマになってるんですね。これはフランスならではかと思うのですが、その時に「母親って、イケメン息子を連れてないといけませんね」と思ったわけです。

 さて、話がかなりそれてしまいましたが、とにかく”母と息子”だけのお話なんです。他の人は出て来てもほとんど存在感がありません。かの「なまいきシャルロット」が母親かぁ、という感慨深さもあるのですが、シャルロット・ゲンズブールが「アンチクライスト」の後も、妙なイメージを抱かれることなくコンスタントに映画に出ていることをうれしく思います。



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