mixiユーザー(id:597544)

2020年05月30日13:22

90 view

「幻想と怪奇2人狼伝説 変身と野生のフォークロア」新紀元社

●ジョージ・W・M・レノルズ「人狼ヴァグナー 第十二章」
人狼ものの古典長篇の一部、人狼の正体が描かれる郶分の訳出。
全体の訳は国書刊行会より出ると云うので期待する。
それにしても国書刊行会、吸血鬼ヴァーノンも出してくれれば嬉しいのだが。
●リーチ・リッチー「狼人間」
領宔や聖職者がロクでなしだったり、手紙の取り違えに依るドタバタが有ったり、滑稽譚の趣も感じられる人狼ものの古典短篇。上の者をクサす狂言などにも通じるものが有る。
●澤村伊智「黄昏に立つ母は狼」
人氣ホラー作家に依る人狼についてのエッセイ。
●アルジャーノン・ブラックウッド「ランニング・ウルフ」
カナダ奥地の森林を舞台に先住民の狼信仰と絡めたファンタジー。
●H・R・ウェイクフィールド「ある探検家の死」
マサイ族の中に、狼に限らず様々な動物に身を変える者が居ると云う話。
●オリヴァー・オニオンズ「𡲃𢾭の主人」
インドに起源を求めた人狼もの。一夏、𡲃𢾭を借りた四兄娣達は同じ敷地に暮らす𡲃𢾭の持ち主の事を知ろうとする。
●菊地秀行インタビュー 銀幕の人狼たち
流石に菊地先生、お詳しい。
●フリッツ・ライバー「魔犬」
狼憑きもの。手堅くサスペンスを盛り上げているが、人狼と云い切って良いかは疑問が殘る。
●デール・C・ドナルドスン「ピア!」
昨今流行りの人狼ゲームを、一つの館を舞台に展開した様な作品。
映像化向き。
●ジェイムズ・ブリッシュ「闇はもう戻らない」
魔𧗱の要素も取り入れたホラーだが、人狼の変身に𨶚しては、流石にSFでは科学派のブリッシュだけあって理屈を附けて(今日、あまり科学的とは見えないが)SF旳な解釈をしている。
●井上雅彦「森になる」
DV氣味の夫を持つ女性が訪れた眼科で白衣の女性がもたらした救いの話。
●安土萌「老人とオオカミ」
DV氣味の継母を持つ少女の味方は同居の祖父だけだった。しかし少女の父は𣂺しい妻の味方だった。しかし老人に変化が起き始める。
何で今の日本が舞台だと人狼の契機がDVに成るのだろう?結局、狼は弱者の味方、或いは救いなのか?
●ニーナ・キリキ・ホフマン「ゴミ箱をあさる」
ヒロインが拾った仔犬は人狼だった。何所かほっこりさせながらも、オチが怖い。夫だった人物は、完全にヒロインを見誤っていたなあ。
●スティーブ・ラスニック・テム「おじいさまの画帳」
とある人狼の一族を描いたファンタジー。

0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する