無言歌は続く

　さて　聴いてきたブタペストも最後の一枚　20枚組20枚目　と云ふことで

　今宵の音楽は　CD 20
　　フランク
　ピアノ五重奏曲 ヘ短調, Op. 14
　Recording: Dec. 18, 1956

　クリフォード・カーゾン(ピアノ)　　フランクといえばヴァイオリン ソナタ 昨日Facebookにアップした本の中でも出てくる　ティボーとコツトーによるそれは悲しく切ない　そしてフランクと云ふ人も　悲しくて切ない　彼の生涯はいわれのない軽蔑と無視にさらされ続けた一生であり　漸くにしてその才能が世に認められた数週間後に不慮の交通事故で世を去ってしまう　と云ふものだ　歳をとると染みるね

　　フォーレ
　ピアノ四重奏曲第1番 ハ短調 Op. 15
　Recording: Oct. 31, 1957

　ヘスス・マリア・サンロマ(ピアノ)　　フォーレと言えば「レクイエム」　古き良きロマン主義者　彼がこの作品に取り組み始めたのはヴァイオリン・ソナタの第一番を完成させたすぐ後だったと言われている　ワーグナー の波が世を席巻している中　静かに　静かに　新しい境地を切り開こうとして取り組んだ　ちなみにフォーレの生まれたのは三日前の12日であった

　【演奏】
　ブダペスト弦楽四重奏団
　ヨーゼフ・ロイスマン(ヴァイオリン)
　アレクサンダー・シュナイダー(ヴァイオリン)
　ボリス・クロイト(ヴィオラ)
　ミッシャ・シュナイダー(チェロ)

　今宵二枚目の音楽は　ホセ・カレーラス
　 慕情　トゥナイト　カレーラスsingsラヴ・ソング

　　さて　さて　5.15事件記念日
　1932(昭和7)年　5.15事件が　海軍の青年将校・古賀清志中尉らと陸軍士官学校の生徒らが首相官邸等を襲撃　犬養毅首相を射殺　国家改造　軍部政権樹立のため　東京を混乱に陥れようとしての決起　翌日　内閣は総辞職　海軍大将斎藤実を首班とする挙国一致内閣が発足して　政党内閣制に終止符　前日に来日して犬養首相と面会する予定だったチャップリンも標的になっていたが　直前に急遽予定を延期して大相撲観戦に行った為に難を逃れた

　犬養毅について　彼の演説より拝借

　政党には　党勢拡張　政権獲得などと云ふ一種の病気がつきまとう　そのために　あるは種々の不正手段に出でたり　あるいは敵に向かって進む勇気を失ったりすることがある　これを監視し激励するのが言論に従事する人々の責任でなければならぬ　すなわち記者諸君は　公平なる地位にあって　各政党の正不正を裁く裁判官であると同時に　政党が正義に向かって進むことを躊躇する場合　これを鞭撻し激励するの役目にあるものである

　つらつらと慮るに　ブックカヴァーなんとか　わたしも出ているが　他に二つ知人が今週やっている　表紙だけの紹介もある　本は読んで意味がある　と思うのだが・・・

　No book is serviceable until it has been read , and re-read, and loved ・・・・
so that you can refer to the passage you want. John Ruskin

　本の紹介をするくらいなんだから　このくらいの文章は辞書なしで読めるだろう　あくまで私見である　

　世の人がコロナで我慢しているようだが　戦時に比べれば　夢のような時間ではなかろうか　戦時は恰別異常な時代だとの認識もあるが　戦時は　憲兵や警察が異常に力を持っていたので　家にいてと云ふような　上意下達　があって　ジョギングしたり散歩したりしていると　憲兵や警察が拘束をする　時には力で　有無を言わさず　それが国家権力の力だ　それに比べてどうだ　呑気なものではないか　立川談志なんぞが生きていたら　なんと云ふかね　経済が　生活に困るとか　あの戦争で東京は焼け野原になった　テレビや映画でも何度もその光景はみんな見てきている　何でも揃っている現代　何もなかった昭和20年の夏　食べるに困らず　買い物は自由で　なんでも安いし　こんなに恵まれている　感謝こそすれ　息抜きばかり　恵まれ過ぎて　鈍感になっているのだろう