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2020年04月13日23:04

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冬の怪奇シリーズ 怪談 雪男の叫び!

自粛中。仕事は行ってるが何せやることが少ないのでゲームと映画と漫画ばかり。

・ヘイトフル・エイト

タランティーノ監督8作目。吹雪に閉ざされた山荘でサミュエル・L・ジャクソンやカート・ラッセルら8人+αの重厚なサスペンス・ドラマと、タイトル通り憎しみに満ちた戦いが外連味たっぷりに描かれる。
タランティーノ映画の尺が長くなる原因としてキャラ同士の会話が非常に多い(しかも本筋と関係が無いダラダラとしたものの割合も高い)ことが挙げられる。この作品も例に漏れず、また作品によってテイストが異なるため合う合わないが激しく、合う場合は濃密で楽しい3時間弱、合わなければ退屈で早送りしたくなるものとなるが、今作は軽妙かつスリリングで「デス・プルーフ」等と違い実に濃い鑑賞時間を過ごせた。個人的傑作「ジャンゴ」と似た時代を舞台としており、「ジャンゴ」同様に黒人差別への皮肉に満ちていて無駄に感じない。
但し今回は更にもう一つカウンターパンチがあるのだが…
この会話劇の底に見える嘘、偏見、差別。法と正義のあり方。本当の正義を行おうとしていたのは誰だったのか?という思考を楽しむ映画でもあるので、単純な娯楽作品とは言い難く、人によっては「結局、どういう話だったの?」で終わってしまうかもしれない。差別に対抗する痛快娯楽作としては「ジャンゴ」の方が遥かに万人向けだろう。
緻密な脚本、伏線が散りばめられまくった細かい描写、引き込まれるカメラワークと美術に画作り(サミュエルの服装がロッジ内に映えるんだこれが)、女死刑囚をめぐるミステリー要素(但しインチキミステリーではあるので真面目に推理していると馬鹿を見る)、名優たちが見事に演じたクセの強すぎる(だからすぐに見分けがつくし憶えられるぞ!)8人によるヒリヒリした感じ。R18指定たらしめる、銃弾と鮮血に塗れた残酷表現も見ていて楽しいものになっている。タラちゃんは世界を作り出して没入させるのが本当に天才的だ。
「ワンハリ」でも示されていた、「物語の力」「フィクションの力」の象徴であるリンカーンの手紙で〆るラストは最高の映画体験だった。
あと今回チョイ役だがゾーイ・ベルがかわいい。嘘つきのクソ野郎ばかりの映画の中で、ミニーたちとともに一服の清涼剤になる。


・ファイティングダディ 怒りの除雪車
※トレーラー無し

「スノー・ロワイヤル」のリメイク元。「SR」がビックリするくらい忠実にリメイク元をなぞっているのがわかる。大きく違うのは舞台と演じたキャストくらい。
女性の扱いや、雪山ホテルでの一幕など、細かい違いはあるが、こちらの方が「静」で冷たく、張り詰めた空気があるのは舞台の違いか。
愉快なラストシーンまで同じなので、比較して楽しむつもりがないなら、どちらか観ればいいかな。

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