空海の示唆した指と
その先を考察することで、
誰も知らない奥地への道が
開かれるように思います。
空海の記した
人間の１０の心の段階の成長。
秘密曼荼羅
十住心論。
（ひみつまんだら
じゅう じゅうしんろん）
って言いますが、
この中の、８番目が
主に論じられている
空の境地と言えると思います。
いちどうむいじゅうしん
一通無為住心
そして、それを深めたような
９番目
ごくむじしょうじゅうしん
極無自性住心。
があります。
（９番目までは、
言葉で伝えられる内容
顕教の最高の境地だと
空海はしています）
そして、その境地が
最高のものでないですよと
指をパチンとはじいて、
最後の１０番目
ひみつしょうごんしん
秘密荘厳住心
が現れる。
しかし、ここの部分は、
おそらく、旅の友としての
利他心（他の命を助けたい気持ち）
が必須であり
それが、育ってないうちは、
すべて、顕教（言葉で示せる教え）の
範囲の内でしか捉えられないでしょう
１０番目は、
そもそもの、
立脚が曼荼羅であり、
知性をもつ個（自己）
に無いように思えます。
曼荼羅を 象徴と捉えるのなら、
こうも言えるのかもしれません。
それは、あまねく生命への
想念的な空（くう）思想
ではなく、
実在的立脚
です
つまり、
実際に、
他の命と共に立脚している
鮮やかさ
神秘なる合一をもった者が
貫通により、
個々の生命たちとの繋がり、
実在としての立脚
を達成し
利他心を持つと同時に
個に留まる者。
あるいは、
神秘なる合一を目指す者が
他の命を助けたいという
真の利他心により、
個々の生命たちと共に
立脚することを目指し
個でありながらも、
そこに貢献したいという様。
少なくとも、
この２つのとき
という基盤が
おそらく必要に思います。
それは、フリでは近づけないし
真剣さがないと
近づけないとも思えます
空に関する多くは、
デモンストレーションのフリ
であり、
そこの蔵が開くことは
なかったんでしょう。
ところで、ここを話すと
あまりに専門的になりすぎるので
空海がしたこの探求を
空海が通った
秘儀参入的な道
という観点で見てみます
１０の境地を
段階を経て、
空海が通ってきたと考えて見ます
すると、
８，９の段階で、
空海は、
個と、世界に関する
認識のうちの最高の段階を
経ていながらも
さらに、歩を進めている
あるいは、先を教えられ
歩んだ
そして、歩むほどの
心の大儀を持っていたことに
なるかもしれません。
個の
永遠なる境地
絶対なる境地
その息はどこでしょうか？
そこを空海は極め、
さらに進んだとします
すると、
進む先はどこなのでしょう？
進化のない進化の先は？
空海は、そこではないと
歩をさらに進めた
あるいは、
何ができるか？
という利他心に立脚した心で
さらに立ち上がったかもしれません。
ここで、
シュタイナーのルカ福音講義より
抜粋します
「正すのではなく、
為されたよりも多くを為せ、
というのが
ルカ福音書の
注目すべき要求です」
シュタイナーは、
キリスト教の中に
ブッダと仏教の新しい別の側面が
流れているという観点から
洞察しています。
それは、共感いじょうの
何かに思えます
ここで取り上げたのは、
空海の示唆した
１０番目の心は、
これに通じるものがあると
思えるからです。
なぜ、
為される以上のものを
なにかのために
為すのでしょうか？
もう、行くべきところ
などないのに。
それは、利他心が知る
足を進ませる
"ある境地 " なのかもしれません
頭や、覚醒を目指す自己が
思いつく、あるいは納得する理解
ではなく
生命のために
流した涙が
自然と教えてくれるような
場所かもしれません
もはや、生命への合一が
深いときに、
慈悲は広がり
生命と共にあり
自己を指す表現が
あらゆる命という認識を
個別ながら
感じているのかもしれません。
ともかく、
この空海が歩んだ道は
なぜ、進んだのか？
どこへ、進みうるか？
の探求の幕開けに
なると思います
そこからの再探求は、
自己を自己に沈着させ
また、普通の人として
また、広大な探検の幕開けとして
秘儀参入者の歩を
進ませるかもしれません。
それは、
生命のケアに関する
多大で、多面的で、
終わりのない探求と
言えるのかも知れません
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〜ある旅の詩〜
眠れる自己のゴールが
永遠にあるのなら
自己は、永遠の中に至福を見るだろう
永遠の中に至福を見た菩薩は
ふと足をとめ、
長い道のりを
眼を細めて見る時がくるだろう
そして、やがて、旅たつだろう
その旅の終わりが
みずからの進化の内側にくるまで
それをもって、
利他心は世界に向けて開かれ
そのものの足を
叡智探求者としての
深い旅にいざなうだろう
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