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2020年04月03日23:59

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確率と期待値

これから夏に向けて紫外線対策が話題になってきます。紫外線対策グッズも様々あり、日傘や衣類、日焼け止めなど、それぞれに「紫外線カット率〇%」とついていて、多くの人が60%や70%では「役に立たない」と言い、95%と99%で「こっちの方が性能がよい」と一喜一憂します。マーケティング的にはそれで数字を挙げるのが正解なのでしょうけれど、本来はどれだけの紫外線に何時間あたるのか、それでどれくらい皮膚に影響があるのか、を考えなくてはなりません。

炎天下に一日中出ていなければならないとき、確かに紫外線カット率99%でもそれなりの日焼けをするかもしれません。しかし、曇っていて紫外線が弱ければそこまでの性能は必要ないでしょうし、時間が短ければなおさらです。曇でも紫外線は降り注いでいる、といえ、油断して対策しないでいるとそれなりの日焼けをする、と言うことであって、炎天下と同程度の対策が必要なわけではありません。紫外線の量が1/3になれば、同じ対策で3倍の時間過ごせることになりますし、カット率99%を97%にしても大丈夫になります。

99%を97%では差を感じませんが、95%だったら85%まで落とせることになりますし、90%なら70%で大丈夫です。わかりにくいかもしれませんけれど、浴びる紫外線の量は透過率、つまりカット率の残分なので、1%から3%、5%から15%、10%から30%と言う計算です。また、例えば70%しかカットできない日焼け止めを使っても、70%カットの衣類を羽織れば0.3×0.3=0.09の透過率で、90%カット以上の対策ができていることになります。

この考え方は感染症予防でも大事で、「マスクの正しい使い方」などとずいぶん厳密な対策を要求する人が多いのですが、ウイルスがかなりの高密度で飛散していると思われる病室に入るときと、市中感染の防止では交換頻度や廃棄方法などおのずと要求される厳密さが違って当然です。例えば、病人の看護を無対策ですると5割の確率で感染するとして、感染者を千人に一人以下に抑えたいとき、感染確率を1/500にする必要があり、医療用マスクや防護服の着用が必要になってきます。しかし、市中感染では発症率が百人に一人でも十分大流行ですから、これを一万人に一人以下に抑えたい、と言う話であっても、1/100にすればよいわけです。まあ、一万人に一人でも人口一億であれば患者数は1万人で、かなりな社会問題であることに間違いはありません。

できる人はいくらでも対策すればよいでしょうけれど(他人に迷惑をかけるようなことはやめてほしいにしても)、完璧にしようとしすぎて大穴が開いた対策になってしまったり、諦めてしまうくらいなら、できる範囲のことを複数組み合わせてやってみるほうがよほど有効な対策になります。
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