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2020年03月13日02:02

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【名唱を振り返る】映画『ジュディ 虹の彼方に』

 
ジュディの伝記映画が公開されると知った時から、劇場で観る!と決めていた。
私は予告編マニアだが、珍しく、事前情報を集めることはしなかった。

早々に劇場鑑賞したマイミクさんのレビューだけは拝見した。
1968年、ロンドンで公演していた最晩年の話だという。
私は銀幕のジュディしか知らなかったから、彼女のその後に興味が湧いた。

劇場で席を選ぶ際、半分以上が指定不可になっているのを見て、ビックリした。
なぜ田舎のイオンシネマで、こんなに大入りなの!?と。
入場して謎が解けた。席はガラガラ。コロナ対策で客同士を離す配慮だったのだ。



私は中学生の頃から古いミュージカル映画のファンだ。
話が合う同級生は1人もいなかった。当然だ。私の趣味は渋すぎた。

ミュージカル映画は、20世紀アメリカが世界に誇る文化の1つといえる。

1930年代からの黄金期、ミュージカル映画を作っていたスタジオは数々あれど、
製作本数、作品の豪華さ、一流スターの人数で、MGMは群を抜いていた。

だから、MGMは自社の名作からハイライトシーンを贅沢に選りすぐり、
歴史的に概観する『ザッツ・エンタテインメント』3部作を作れたのだ。

2004年、私はDVD『ザッツ・エンタテインメント』BOXセットを観た。
15年前の記憶だが、うち1本は『ジュディ・ガーランドに捧ぐ』だったはず。

ジュディ・ガーランドというミュージカル・スターは
ある年代以上のアメリカ人にとって、それほど偉大で特別な存在だった。




映画『JUDY』を観た後、wikiで調べたジュディの人生は悲惨だった。

  https://ja.wikipedia.org/w/index.php?&oldid=76518116

よく稼いでいたのに、葬式代すら事欠いたという。享年47。
演じたレネーも同い年だが、歳よりもかなり老けて見えた。(メイクのせい?)


少女時代に壊された心身(枕営業もさせられていたとか)の問題が尾を引き、
ジュディは波乱万丈というより、乱高下の果てに墜落するような人生を歩んだ。

毒母が望んだ地位や名声の代償は、あまりに大きすぎた。可哀想な娘。

過酷な撮影スケジュールをこなさせるため、少女ジュディが薬と酒漬けにされた話は
『ザッツ・エンタテインメント』でも披露されていた。
確か1〜2週間で1本撮りあげるとかいう超殺人進行だったと思う。

苦労のせいか、ジュディは歳の割に大人びた歌が得意だった。
常にどこかしら憂いを含んだ瞳は、深みをたたえた歌と共に印象的だった。
伸びのある柔らかい声、安定した歌唱力、彩り豊かで繊細な表現力は傑出していた。


 Somewhere Over The Rainbow (『オズの魔法使い』1939)


 The Trolley Song (『若草の頃』1944)


 Easter Parade (『イースター・パレード』1948)


 Get Happy(『サマー・ストック』1950)


私は昔から、ジュディは「いつも目が笑っていない」と感じていた。
食べることも眠ることも許されなかったのを知った時、やるせない思いで合点した。



さて、映画『JUDY』の話に戻ろう。

ロンドン公演初日、レネーが熱唱する「By Myself」の歌詞を字幕で読みながら、
(ああ、この曲はジュディの心情にピッタリだ…)と感じいった。

  歌詞 https://genius.com/Judy-garland-by-myself-lyrics

と同時に(あれ?この曲は、どこかで聞いた覚えが…)とも考えていた。
帰宅後に思い出した。

そうだ、アステアだ! 『バンド・ワゴン』(1953)の冒頭で歌っていた曲。
彼は落ち目のミュージカルスター、地方巡業を始める駅に降り立って歌い出した。

ロンドンに都落ち(?)したジュディと、シチュエーションが重なるではないか。



前半は不協和音を主体とした伴奏によって落ち目の俳優のやるせない気分を表現し、後半は一転して朗らかに「それでも自分は一人、自分の道を歩いてゆく」。後に『ザッツ・エンターテインメント』にアステアが出演した際には、「バイ・マイセルフ」を口ずさみながら野外セットの同じ場所を歩き、畏友ジーン・ケリーの仕事を紹介した。
(出典 wiki https://ja.wikipedia.org/w/index.php?&oldid=73766429 )



面白いことに、「本歌取り」はミュージカル映画でもしばしば行われている。
「本歌」を知っているとシーンの味わいが倍加して楽しめるものだ。


映画上の演出もさることながら、
「By Myself」は、実際にもジュディのお気に入り曲だったらしい。

1963年の映画『愛と歌の日々』以降、たくさんの歌唱が残っていた。

確か『ザッツ・エンタテインメント』にも収録された劇中歌。この時は太っている。
  https://youtu.be/mgd_YVctzC4

1963.12.20. のTVショーでは、全盛期並みに痩せ、歌に迫力が漲っている。
  


1964.3.6.収録時は少しふっくらした様子。声がかすれ気味、本調子ではない。
  https://youtu.be/cnZ0FSrMn54

1965.ライブは激太り! https://youtu.be/fdhenwyP3h4 激しい変動が怖い。

1966. のライブでは、ますます声枯れ。 https://youtu.be/0dBXZ59_7gU


レネーはよく健闘していたが、ラミ・マレックのように吹き替えた方が良かった。
  https://youtu.be/UrRaHxi1REg

彼女は本来、ファニー系の高い声だから。 https://youtu.be/x88EE29K0Co





『JUDY』のサントラはすべてスタジオ録音で、劇中歌とは違うバージョンだ。
  https://www.amazon.co.jp/dp/B083N3DP6T

いくつかYouTubeで聞いたが、劇中よりずっと綺麗に歌えている。
曲目を眺めて「あれ、The Man That Got Away も歌ってたっけ?」と思った。

ゴールデン・グローブは受賞するもアカデミー最優秀女優賞を逃して失意に沈んだ
ジュディの代表作『スタア誕生』(1954)劇中歌「The Man That Got Away」。



彼女はこの曲もよく歌っていた。中でも最高の出来は、1961年のライブ。
YouTubeの自動再生を聞き流していた時、この曲が始まったら耳が持って行かれた。
名唱の中の名唱と太鼓判を押す。これはぜひ聴いてみてほしい。


 https://youtu.be/B01SprdhOaw


1962年のTVショーも良かった。 https://youtu.be/T0xV1d1bi_Y

この歌い方を聞くと、ライザ・ミネリはジュディの子だなと実感する。そっくり!!

Liza Minnelli - Maybe This Time  https://youtu.be/yMpSQV1-bsA



調べたところ、この『Judy Garland / Live At Carnegie Hal』は
グラミーの最優秀アルバム賞と最優秀女性ボーカル賞を受賞していた。名盤。

同アルバム収録の「Over The Rainbow」は、出だしで声がヨレたものの、
情緒たっぷりに盛り上げていき、明日を祈るような力強いラストは実に感動的だ。

 https://youtu.be/lfq12giLJp4




映画『JUDY』スペシャルMVがあった。
「トロリー・ソング」「カム・レイン・オア・カム・シャイン」「虹の彼方に」の
3曲メドレー。 https://youtu.be/17KLliXkd4Q

劇中の「Come Rain Or Come Shine」は、このポリネシア風アレンジに似ていた。
https://youtu.be/2yXKEbPIKME

劇中の「Over The Rainbow」は良い出来だと思う。語りつき動画を紹介。



いや、それにしても、ジュディに助け舟を出したゲイカップルは上手いねー。笑


私が一番好きな劇中歌は、何と言ってもアコースティック版「Get Happy」だ。
このシーンは歌詞も相まって泣けた。 レネーの声とアレンジもよく合っている。


 https://youtu.be/V_soItj3D7g?t=90 (歌は1:30からスタート)



本家とレネー。
両方の歌を聞き比べながら、ジュディを深く知り、偲ぶことは楽しい。
  
すっかり忘れていたが、最後に予告編を貼っておこう。

公式 https://gaga.ne.jp/judy/



歌で人々に希望や幸せを与えてきたのに、自分は幸せになれなかったジュディ。

それでも「どんな時も希望は必要よ」と語り、歌うことだけは生涯やめなかった。

可哀想だったけど、才能と魅力を兼ね備えた、運命に負けぬ強い女性だった。

こうして聴き比べて、ジュディの偉大さを改めて感じる。 心から敬愛を捧ぐ。



http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=1833905&id=4923212
  (レビューでは映画の感想だけを述べています)



hayamiさんの日記 「ジュディ 虹の彼方に」〜エンド・オブ・ザ・レインボー
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1974891158&owner_id=2399973

suzansnailさんの日記 映画「ジュディ、虹の彼方に」
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1974911212&owner_id=8729247


 
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