ジュディ・ガーランドについてこの映画を見る前に知っていたこと。
映画「オズの魔法使い」の主役。
ライザ・ミネリの母。
…このくらい。
優れた歌手、エンターティナーで「ミスショウビジネス」とまで呼ばれていたと初めて知った。
そして、これは当時のハリウッド人気子役はみなそうだったけど、
厳しいスケジュール管理と明るく楽しい私生活を見せる演出のため、
実際の私生活は寝る時間も食べる時間もほとんどなく、
ドラッグやアルコールでストレス解消し、場合によってはプロデューサーたちの
セックス相手をして仕事をとっていた。
(映画では描かれていないけどジュディにもその噂はある。)
だから「オズ」のあとで俳優としてはつぶされてたまたま映画監督ヴィンセント・ミネリと結婚したんだろう、
たまたま娘が有名スターになったから名前が残ったんだろうと、思い込んでいた。
でも、ジュディの実力はオズのあとでも続いていたんだね。
子役時代のドラッグ、アルコールの悪癖から抜けられないで
仕事に遅刻したりサボったりトラブルメーカーで、
それでも次から次にステージをヒットさせる。
あのステージを見たい、という気持ちにさせるスターさんだったんだろう。
娘のライザもその遺伝子をもっていたということなんだろうね。
(ライザ・ミネリもトラブルメーカーだったはず。)
仕事をし、こどもを愛し、薬とオトコにおぼれては絶望する姿が
前に見た映画「ラヴィアンローズ」のエディット・ピアフと重なる。
あっちの映画ではマリオン・コティヤールがはげた頭を演じるために実際に髪を抜いたが、
この映画でも丸顔でえらが張っていたはずのレネー・ゼルヴィガーが
目じりにたくさん小じわを作り背中を曲げてジュディ・ガーランドを熱演している。
歌うシーンがたくさんあるが、吹き替えでなくレネーが歌ったと知って驚いた。
監督が「演技のできる歌手でなく歌える女優」とレネーのことを評価したのもわかる。
派手なショウビジネス大全盛の時代には陰も多い。
子役を太らせないため寝かせないために覚せい剤を飲ませる話が出てくる。
(パンフレットでは「ベンゼドリン」だが覚せい剤の販売名だ)
映画の時代はアルコール依存のためまっとうな食事をとらず、肝炎が進んでいる。
ジュディのファンでお金がなくてもチケットを買う二人組の男性は、
「同性愛」で刑務所に入ったことがある。
(イギリスは世界で最初に同性愛に理解を示した国かと思ったら違った!)
ジュディは自分自身がバイセクシャルだったという噂もあるくらい同性愛に理解があり、
同性愛を社会的に認めさせるための運動にも力を貸している。
同性愛団体が「虹」モチーフの旗やロゴマークを使うのは
ジュディの歌う「虹の彼方に」にちなんだものであったとは知らなかった。
レネー・ゼルヴィガーの演技力は今更言うまでもないが、脇役もいい。
ジュディが歌うイギリスのナイトクラブでジュディの世話をするロザリン役、
イギリスのテレビシリーズで有名な実力派で「ドクタードリトル」にも出ているそうだ。
(見に行く予定なので楽しみ!)
MGMトップ役リチャード・コーデリーのすごい二重顎は映画会社重役にはツキモノだし、
ナイトクラブ経営者は「ハリーポッター」の二代目校長先生だし。
大成功のロンドンでのショウをお決まりのトラブルでおろされたあと、
半年後にジュディは薬物過料摂取でロンドンのホテルで死去する。47歳。
常にずっと幸せだったわけではないかもしれないが、
がんばった女性ががんばって生きた話はわたくしを元気にしてくれる。
この映画を見たすべての女性、問題から逃げてばかりで自分は強くないと思っている人が
元気になれますように。
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