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2020年01月13日03:58

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市川紀行10 姥山貝塚 / 唱行寺

 4日土曜日は美濃輪遺跡から東北へ向かい、姥山(ウバヤマ)貝塚〔史跡〕を訪れました。
 https://www.google.co.jp/maps/@35.7376797,139.9630491,17z
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 姥山貝塚は、一級河川大柏(オオカシワ)川左岸の標高約24mの台地上に広がった縄文時代中期から後期にかけての貝塚です。
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 東西130m・南北120mの南に開口した馬蹄形の貝塚で、古くから存在が知られ、古代に於いては巨人「でえだらぼう」の食卓跡と想像され、周辺台地に多くある湧水池は巨人の足跡だと思われていました。
 明治26(1893)年以後何度か調査が行われ、大正15(1926)年に東京人類遠足会及び東京帝國大学人類学教室による本格的な発掘調査が行われました。
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 その結果、縄文時代の竪穴式住居跡が20軒も確認され、縄文時代にも集落が存在した事を示す最初の遺跡の発見となりました。
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 更にうち一つからは成人男女各二名と子供一名の計五名の人骨が発掘され、当時の住居の居住人数を推測する手掛かりともなったのです。
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 因(チナ)みに、この住居跡からは河豚(フグ)の骨も発掘されており、ここの住人達は河豚を食べて中毒死したとする説もあります。
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 その後も周辺部の調査が進み、計39ヶ所の竪穴式住居跡と計143体の人骨が発掘されており、当時の集落の構成や埋葬に関する貴重な資料を提供しました。
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 現在は、姥山貝塚公園として整備されており、発掘品は東京大学・南山大学・明治大学等に保管されている外、市川考古博物館でも展示されています。
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 大正15(1926)年に東京帝國大学人類学教室による本格的な発掘調査が行われたA地点です。
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 やはり大正15(1926)年に東京帝國大学による発掘調査が行われたB地点です。
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 昭和15(1940)年にオランダ人ジェラード=グロート神父等が発掘調査を行ったC地点です。
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 昭和24(1949)年に東京大学人類学教室による発掘が行われたD地点です。
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 同じく昭和24(1949)年に東京大学人類学教室による発掘が行われたE地点です。
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 昭和5(1930)年に大山史前学研究所による発掘が行われたL地点です。
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 昭和37(1962)年に明治大学考古学研究室による発掘調査が行われたM地点です。
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 M地点の一角であるM1地点です。
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 M地点の一角であるM2地点です。
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 昭和3(1928)年から翌年にかけて杉原荘介による発掘調査が行われたS1地点です。
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 昭和13(1938)年に早稲田大学附属第一高等学院による発掘調査が行われたW地点です。
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 大正15(1926)年に東京帝國大学による発掘調査が行われた接続溝(セツゾクコウ)です。
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 現在、姥山貝塚は公園になっており、山茶花(サザンカ)が咲き乱れていました。
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 次に貝塚の東方にある日蓮宗今島山唱行(ショウギョウ)寺に向かいました。
 https://www.google.co.jp/maps/@35.7363038,139.9708597,17z
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 建長6(1254)年、清澄(セイチョウ)寺で法華経信仰を宣言した日蓮がこの地に立ち寄った際に、浄土宗僧侶だった鐘阿弥(ショウアミ)を篭絡、転向させて首題房の名を授けました。その後、文応年間(1260〜61)に松葉ヶ谷の法難を避けた日蓮が再びこの地に立ち寄った時、首題房に日唱の法号を授与し、要請に応えて開堂供養を行ったのが本寺の縁起です。そして、日唱が題目を唱える際に鉦鼓(ショウコ)を打つ許しを請うたのに対して、日蓮が太鼓を打つように薦めたため、「太鼓の霊場」と称される事となりました。
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 唱行寺本尊の木彫日蓮坐像〔市川市指定文化財〕は、袈裟(ケサ)を掛け、右手に笏(シャク)、左手に巻子(カンス)を持った総高38cm・肩幅24cm・裾張り45cmの寄木造です。玉眼(ギョクガン)で、頭部と本体は差し頸の形式で、両手と笏は昭和修理時に後補されています。
 製作年代は明らかではありませんが、像内に明応8(1499)年の墨書銘のある修理部材が納められている事からすると、室町期以前の作と推定され、作者も日蓮の弟子の日法(ニッポウ)と伝えられています。東京の池上本門寺にある正応元(1228)年在銘の日蓮聖人坐像は日法の作ですが、唱行寺の日蓮坐像も本門寺像の形式を受け継いでいます。
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《続く》
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