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2019年12月02日00:32

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二月の記憶

平成三十一年二月二十三日
病にて出勤の叶わぬ年老いた部下に代わって務めを果たせば成らぬ用があって土曜日乍ら勤め先に向かう。陽光が照らす無風の昼下がりにも拘らず久しぶりに顔面が痛くなるような冷たい空気が心地好かった。この福岡の街と人柄にすっかり馴染めずしょ気ていた僕を更に無能と罵る部下たちと顔を合わさずに済むので土曜日の出勤は厭わない。寧ろ仕事が捗って良い。気心の知れた後輩たちが部下だった大阪での勤めが懐かしい。

同二月二十四日
うっかりと思い出せば、来年の昨日は新元号の初の天皇誕生日になるはずだった。春にならないと元号が発表されないと聞いたが、それが何某か訊く前から次の天皇は皇太子がなると相場が決まっていて、その皇太子の誕生日が二月の二十三日だというのだ。今上天皇の誕生日が十二月二十三日だったからその日がどうなるのかと識者に聞いても「分からぬ」の一点張りである。かつて「平成」の新元号をスクープした新聞社の記者が後生大事にそのことを自慢しているようだが、昨今の事情ではそんな事はどうでも良さそうだ。

同二月二十五日
憂鬱な月曜日が最近は忙しくて憂鬱を満喫もできない。三月に入ると本来の仕事に加えてその病に臥したる老いた部下の代わりの仕事が最盛期を迎えるのでオチオチ愚痴を述べる余裕もない。単身赴任の身ながら家内は一度も我が仮住まいに訪れようとせず、代わりに友人の女性や愛人や彼女たる女性がしばしば泊まりに来る。その度に家中にまき散らされていった長い髪の毛やら体毛やら縮れ毛やらを半日かけて掃除するのが苦しいことこの上ない。否、それに臨むこと自体は苦痛ではないのだ。酷使した腰回りの筋肉が悲鳴を上げるのが辛いのである。きっと若さがこの身に残っていたとしても同様の痛みが襲って来たに違いない。だが今年はそれどころではない。頸椎から来る痺れは、この日も強烈に我が身の限界点を知らせてくれる。右腕が言うことを利かないまま春を迎えるのであろうかと不安に感じる次第。
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