百合ヶ丘/河南新報百合ヶ丘支部/アーカイブ/夕刻
?「ふぅん、相変わらず面倒ばかりみてぇだな?」
中「ええ。もう慣れてますよ増渕さん。」
増「で? そっちのスレてる美人は?」
中「友人です。正確に言うと友人の恋人です。」
増「……なんでそんな機嫌悪ぃんだよ。」
グ「なーんかずっとそんなでーす。」
増「……ああ、藤沢の末妹なぁ? 似てるよなぁ?」
中「あ?」
グ「…言わない方良いっスよ。超機嫌悪いので。」
中「……ふん。」
グ「つか、知ってんのね。」
増「ああ、親が仲良くてな。てーかぐらい仲良くなきゃこんなトコになんか入れねぇって。」
グ「確かに。お、これか。」
増「十年前だな。取材はしたんだがな。自殺って事になってる。」
グ「……させられた、って顔だな。神内。」
中「……で? 如何しろと?」
増「…ホント機嫌悪ぃな。」
グ「……もう少し漁るか。結局結果をどうするかだけだろ? お前は?」
中「……。……祓う。其の他の選択なんざ無い。」
グ「だろうな。なら、情報を正確にして、正しく行動する他ねぇ。」
増「……これは俺の独り言だがな。正しく処理する事だけが道じゃねぇぞ。」
中「…………だから悩んでんだよ、くそっ、」
グ「……はぁ、ほら、出て来てやれよ。」
望「……ヤ。」
グ「お前だけだろ? 何とかしてくれよ、仕事になりゃしねぇ。」
中「……。」
望「……ミーちゃんこうなったらテコでも動かないんだもん。無理無理ー。」
増「ん……向日坂、久しぶりだな。」
望「…んー、久しぶりーって、明るくはできないわよねぇ。」
増「これがこれじゃあなぁ?」
中「……ぁー! もぉ! わあったよ畜生め!」
望「……それは、分からなくて良いよ、ミーちゃん。半分私の所為だから、良いとは言わないよ。」
中「……其れが厭だからやるんだ、畜生。」
グ「苦労が多いねぇ?」
増「お。こっちの記事も使えるんじゃねぇか?」
グ「ん? ああ、ですね、サンキューです。」
中「……やっぱり追い返すべきだったか。」
望「……んー。」
中「……分かったつの、やりゃぁ良いんだろ。」
グ「……。」
増「なぁ、神内、降りても良いんじゃねぇか? 言い訳なんか幾らでも。」
中「……受けたからには降りない。」
増「はぁ……だとよ。嬢ちゃん達は如何すんだ?」
グ「アタシは神内次第だかんなぁ、やるならやるしやらんなら帰る。」
望「……ミーちゃん。」
中「……。」
望「悪い癖、全っ然直らないねぇ?」
中「…だから、」
望「んな事言ってんじゃねぇよこの野郎!」
グ「うぉ?」
望「言いたい事あんなら言いやがれ馬鹿かてめぇは!」
中「…………僕は、」
望「…………ミーちゃんは?」
中「……見たくない。望によく似た人も、よく似た幽霊も。」
望「……うん。でも、やるんだね?」
中「……受けた以上はこなす。それに、僕だけが苦しめば良いのなら、」
望「…………。ん、それは、ダメ、……ね?」
グ「おおぅ、情熱的だねぇ。」
増「……他所でやってくれねぇかなぁ。」
グ「ん。メール。幸輔か。準備できたってよ。情報も、十分だろう。行こうか。」
中「……むぅ。」
望「さぁ、ミーちゃん頑張っておいで。」
中「……へいへい。」
そんな。
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