mixiユーザー(id:7170387)

2019年08月05日05:40

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イラク人質事件に思う

今の米国とイランの関係では考えられないでしょうが、米国がイラクに暫定政権を置いた時、イラクの暫定政権に対するイラク国民の抵抗が激しく、アメリカは「悪の枢軸国」と名指ししたイランに仲介を依頼しなければならない状態に追い込まれました。

このような状況の中で、米国に追随する日本は、石原莞爾平和思想で考えるならば、今何をすべきなのかを冷静に考え、イラクで人質になった5人の「自己責任」を論じるよりも速やかに自衛隊を撤退させる勇気が必要だと言う意見が多々出ていました。だが、この時、国民の大多数は、「テロに屈するな」と駐留継続を叫んでいたのです。

人間の心があるならば、私たちは世界の恒久平和のためには無辜の民が無事でいられることを希求しなければならないと考えさせられました。3人が拘束された当初、自作自演論が石原莞爾平和思想研究会の掲示板にも書き込みがあり怒りを超えて情けない思いでした。

不満はあるのだとは思いますが、よくもそんな見方ができるものだとあきれてしまいました。また国会議員の口からの日本国が出している警告を無視して勝手に渡航したのはお上に逆らった厄介事と言わんばかりの発言は、純粋な動機で行動した彼らの正義を踏みにじるものでした。

「危険なイラクに行くのは自己責任」との意見には、何となく突き放した非情さを感じますし、3人が悪いとの一面的な見方の非難は、自分の時間を犠牲にして平和活動に従事している人間に浴びせる正当性をもつのであろうか。

彼らが自分たちの目的のためにイラクへ向かった以上、仮に自分たちが人質になっても自衛隊が撤退しないことは充分知っていただろう、と思われます。「国際貢献」という名の下に、また米国に認めてもらう為だけに、イラク国民が嫌がる自衛隊を派遣したのは間違いだし、米国がイラクを攻撃した事は、いかなる理由があっても容認できません。

もちろん、私としても彼らに「自己責任」が全くないとは思っていませんが、イラクで人質となった彼らを犯罪者扱いする態度は石原莞爾将軍が生きておられたら、きっと悲しまれると思います。そもそも、彼らは自衛隊が派遣されなければ拘束されなかったわけで、彼らがどれだけの覚悟をもってイラク入りしたのであろうか。

自らの意思で行く彼らは、もしもの事があったとしても、自衛隊と違い何の補償もありません。米国のイラク攻撃を率先して支持した日本に住む国民の一人として、自分ができないイラク国民への手助けや、劣化ウラン弾の被害について訴えるため、好きな事も我慢して危険なイラクに向かった若い日本人がいたことに、私は心が締め付けられる思いです。

この本当の人道支援というべき活動があったからこそ、彼らは無事解放されたものだと思いますし、それを、なぜ、冷淡に扱う人がいたのであろうか。「救援費用は税金から支払われるのはおかしい」「全額自己負担にしろ」と与党の国会議員が発言していますが、政党助成金をもらい、議員年金もらっている人がそんなことを言えるのでしょうか。

自ら金も出さない、何も行動しないで、安全な日本でテレビの報道をただ見て批判ばかりしているだけの国民が、彼らに「自己責任」を問う資格があるのでしょうか。アメリカに盲目的に追従せず、イラク国民の立場に立って、平和と主権を取り戻すための外交努力をする事の方が大切だと思うのです。

アメリカのパウエル国務長官はこう語っています。「危険地帯に行くリスクを引き受けたのだから、拉致が彼らの責任とは言えない。よりよい目的のために危険を顧みない彼らを日本人は誇りに思うべきです」―――この言葉に胸を打たれたのは私だけだろうか。

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