草っつーのはなぜこう伸びるかねぇ、
この時期の草刈りはホントに大変そうだ。
芝は雨季に伸びるだっけ?
草にもそれぞれの好みがあるわけで…トウサン…
カヤがすげえ、
ツンツン伸びるんだよね。
葉が鋭利で外国のほうではカマキリ草っていわれているとかいわれていないとか。
とにかくカヤを掴む時は軍手必須!
というわけで一番目につくカヤから刈ってゆくことに。
軍手をはめてるとはいえど慎重に掴む、むんぎゅ、からの〜カマでザッ!、
ザッ!、ギリギリッ、
力任せに引いてもダメだな、
つんつんに研がれてるカマならしらず
あまり手入れしてないのは。
こういう時にイチロー選手の道具を大事にすれば上手くなるという言葉が胸に沁みる。
のはほんの一瞬で
ガムシャラにカマを振り下ろしたのであった。
でも使ってればだんだん要領がわかってくるもんで徐々に手際よくなってくる。
カヤを刈り終わる腰を落とし足元の草に手を伸ばす。
ぎゅっ、ザッ、ぎゅっ、ザッ、ぎゅっ、ザッ、
ぎゅっザッぎゅっザッぎゅっザッぎゅっザッ──────
刈ッ刈ッ刈ッ刈ッ、、、、、、、、
陣取りゲームのように平らにしてゆく
セッコラセッコラ広げてゆく
平らに広がった地を見て気持ちいい。
カマっつーのは横に薙ぐんじゃなくて縦に草を断ちつつ同時に土も耕すもんなんだね。
と勝手に解釈。
この時期の草はむさ苦しいものだ。
草に水分含まれてるだろうから蒸し暑さも増すのかねぇ。
草が伸びてると蚊がよりつきやすくなるそうで。
カッカッカッカッカッカッ、、、、、
カッカッカッカッカッカッ、、、、
刈った下から見える土。ダンゴムシ──
住人たちの目が覚める。
そんなことに意にかえしている余裕も持たずガッシガッシと勢いに任せて刈ってゆく。
葉の名前ってどれだけ知ってる?
タンポポ、ミスターポポ、雑草、ヨモギ、クローバー、あとはなにがしやらなにがしやら…
ざっと目についたのは6種類。
ヨモギを燃やすと蚊が寄ってこないらしい、
じゃあ蚊取り線香にはヨモギの成分が含まれているのだろうか?
無我で夢中に自分の領土を広げてゆく
腰?
そりゃあ痛ぇさ、
腰が苦しくなってきたら立って腰を伸ばして、それでも広がるのが気持ちいいから、ガシガシゴシガシ、、、、
顔は真っ赤。お猿のように。
ボタボタと汗が体の底から湧いて出る。老廃物を出すように出てくる。
きっとこういうのを美容効果というんじゃないだろうか。
デトックス効果。
お猿のジョージは仕込まれたがごとく一心不乱に草を刈る。
受け継がれた農耕民族の血が喜んでいる。前世に血が喜んでいる。
初心に帰ったように草を刈ってゆく。
ちなみにタンクトップだ短パンだサンダルだ構いはしない。
だってふいに草刈ろっ、って思いたったんだもの。気持ちが鮮やかなうちにやるべし。ベシベシ
!っ、
ふ〜っぃ、終わった〜、
眼下の刈りとった眺めに心地よい達成感が湧いてくる…
何かを達成する度にもしかしたらできないことなんてないんじゃないだろうかとこの時ばかりは思えてくる。
きっと地道の少しずつ刈り広げていき
きづけば何ヘクタールのものへと…
とこの時ばかりは思っていてもいいではないか。
熊の手ほうきでかき集め燃えるゴミ用の袋の中へ刈りとった草を詰めこむ。
もう少しやるか、
まだまだ伸びきった草地は広がっているのだ。
掴んで刈いて掴んで刈いて…
と続けていると降ってきた。
昼に一時的に強く降るだろうと思っていた。
スマホの1時間ごとの天気予報ではその時間帯だけ90%になっていたからだ。
まだ降り方は弱いけど切り上げよう、
きっとすぐに激しくなる、
ザーーーッ、
天気予報は正しかった。
ゴキュゴキュ水を飲んで水分を吸収した──
昼食は2種類のハムのカスクート。
口の中の水分持っていかれます。
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