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2019年07月01日08:45

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ゾイドワイルド

「本能解放! ワイルドブラスト!!」

一年間に渡り放送したアニメ全50話を見終わったレビューと感想を、主役のアラシとワイルドライガーを描きつつまとめる。


■「レビュー」■

■評価:ランク【A】
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動物のような様々な姿の機械生命体「ゾイド」に人が乗って戦うバトルロボットアニメシリーズ。
シリーズ5作目にあたり、12年ぶりに復活した。
今作はキッズ向けをメインに、初代を見た20、30代をサブターゲットにしている。

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ゾイドに憧れる少年アラシが、世界を変える力を持つ『秘宝Z』を求めて冒険しながら仲間を集め、非道な帝国に対しレジスタンス側として立ち向かう内容。

内容は粗い部分も多少あるものの、メインキャラクター達をしっかり描写出来てるし成長型の王道少年漫画的な感じで楽しみやすい。
CGゾイドのバトルは回が進むほど見せ方が良くなっていくし良く動くのが見所。

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新要素の本能解放は、形態変化と派手な必殺技演出でバトルを盛り上げるだけじゃなく、内容にも通じてて非常に秀逸。
また、そのとき流れる挿入歌「WILD BLUE」も疾走感があり作品に合っててとても良く、前奏のギター音と共に流れるフレーズ「come on!come on!come on!come on!」のテンションの上げ方、必殺技を決めながら流れる「ワイルドに行こう〜ぜ〜〜♪行こう〜ぜ〜〜♪」は耳に残るし爽快感が有り非常にキャッチーで秀逸な演出。

OPは作品に合ってて全体的に良かった。

ギャグ回なども入れつつ全体的には明るくバトルなノリだが、途中から予想外にハードな要素もあってこれがサブターゲット向け要素だろうと。

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ゾイドの機械生命体という設定を掘り下げ、兵器か生物か、扱う者によって解釈が違う所を見せ問題提起していた。

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伏線張り続けていくライバル枠の心情と動向を見ていくのも面白さあった。

同じく最初から引っ張り続ける伏線などしっかり最後に活かしてて良い。
引っ張り続けた『秘宝Z』の正体も面白く上手い。

キッズ向けだけど幅広い層狙える感じがした。


■「これまでのシリーズとの違い」
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・「これまでのミリタリーな魅力より、動物らしさと派手さに力を入れた感じ」
・「キッズ向けがメインで、キャラデも相応にシンプルに」

これが特に好み分かれやすい点だと思う。
キッズ向けと考えるとキャラデは妥当で標準の3くらいでいい気もする。

・「舞台が惑星Ziではなく地球」
・「ゾイドに乗り込むのでは無く上に乗るだけでパイロット丸出し」
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舞台を地球にしたのも含め、よりゾイドを身近に感じさせるための設定変更だろうと思う。

・「銃やミサイルなどの射撃武器の出番がかなり少ない」

丸出しの弊害では?




■【感想:ちょいネタバレ有り】■

シリーズ見てきたファンだが、これもなかなか楽しめた。
俺は以前までのシリーズのが好みではある。

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主人公アラシが脳筋過ぎて、もの凄い失敗やらかすんだけどしっかり反省して活かすのか心配になるレベルだったw
そこは大丈夫で安心したけども。

キッズ向けになったし、パイロット丸出しだけど射撃武器あんま使わんし直接狙う事がほぼ無いから乗ってる人間死なないのかなと思ったら、途中で急に殺されて驚いた。
以降もゾイドによって殺される描写がちょくちょくあったりで意外だった。
それでもバトル中に乗り手を直接殺す事はまず無いのはキッズ向け配慮なんだろうけども。

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先輩ポジであるファングタイガーの戦いぶりと活躍がかっこ良かった。

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途中参戦するハンターウルフが好みで良かった。
相棒仲間ポジはウルフ系から乗り換えるのがシリーズ定番なんだがこれは乗り換え無しで意外。
そういや今作は乗り換えが一切無いな。
進化や装備変更みたいなテコ入れも無かったし。
ブラストの必殺技がそれを担当する事で、キット発売枠を制限したんだろうか。

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デスレックスのデスブラストは、横にも口が開いて中からドリル回転させながら襲ってくるっていう見た目のインパクトが強烈で凶悪な敵なのが分かりやすく出てて良い。

ライバル枠ドレイクの伏線と展開ラスト付近まで引っ張るとは思わなかった。
過去回想見るとそれだけの納得出来る理由で流れの描写は丁重だった。
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トラウマのせいもあるが、嫌って文句言いながらも抜けられない様子はブラック企業の社畜みたいで現代風刺的な面も感じた。
帝国のモチーフはブラック企業なんでは。
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ペンネの方でも金のために自分の意志を殺して苦しむのを描いて解放する流れだったし、ブラック企業を否定し自分が本当に望む意志に従えっていう制作側のメッセージを感じた。


今作のテーマの一つは、仲間とゾイドの「絆」に感じた。
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ゾイドの扱いだが、メインの仲間内でも答えが別れてたのはキッズ向けらしくない良い所だと思った。
兵器としても一つの見方と肯定しつつも、描写で生物としての見方の方が良いと感じさせるのは良い。

心情的には、不当な扱いされても乗り手を助けようとするドレイクのギルラプターなどゾイドにも心があると感じさせる尊さが良かった。

設定的には、本能解放の差が分かりやすくキッズ向けの配慮としても良い答えに感じる。

『本能解放ワイルドブラスト』はゾイドと絆を結べた者が信頼の証としてゾイドキーをゾイドから受け取る事で使えるようになる強力な形態変化。

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だが帝国側は偽のキーと差込口を作り、誰でもすぐ必殺技を使えるようにする『強制解放デスブラスト』を使う。
合理性では強制解放の方が圧倒的だが、使用するゾイドに負担を強いて使い潰す。
兵器として考えてる帝国にとってはゾイドは使い捨ての道具。
乱獲し実験を繰り返してるのは、人間の過去の歴史を考えるとリアルで、普段人間が抑え込んでる残虐な性質と動物の実際の歴史をモチーフにしてるんでは?
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合理性、効率が良いから世界の覇者として君臨するのも必然。
これはリアル社会みたいなもんを感じる。

これに対し後から比べて分かるのは、デスブラストよりもワイルドブラストの方が強いという設定。
それ以外でも、ゾイド自身が乗り手を庇って助かったり、気合を見せて強制解放よりも良い結果を出す所はリアル。
強いゾイドほど本能解放で運用した方が良いって事が分かるし、勝敗を分けたのはここだったと感じる。


最後まで見てて思ったのは、どんな非道外道悪役でもやっぱ主役側は殺さない点。
そのせいでゾイドにいくら被害が出ようとも。
昔からの一般的に良いとされる考え方なせいだろうけど、人間目線だけの人間最優先のエゴを感じてモヤる。
ラスボスに「殺しなよ」、「何で助けるかなぁ〜」って言わせてたのは制作側の問題提起だろうか?
潔く悪役をやりきったラスボスは悪役としていいと思った。
散々悪行しときながら負けた途端被害者ヅラでいい人になりだす奴が最も卑劣で姑息な真の悪党でモヤるからなぁ。


秘宝Zの正体は意外で、この答えの時点で普通のキッズ向けとはちょい違うなと感じた。




■【考察】■

■「実際にキッズにウケたのか」

新規層開拓出来たと思われる。
以前までの方が良かったという大友の声も多い中、主人公機でもある「ワイルドライガー」を中心に、ネットショップ・店頭販売で売り切れが続出するほどの人気振りっていう玩具の商業的成功がその証拠に感じる。
リアルでも数日前プラモコーナーで、親子連れの子供が大声でゾイドワイルド!って言って見ていて、実際人気有りそうなのを実感した。

新要素のワイルドブラストはウケが良く、制作側も手応えを実感出来たようで、俺も良い要素だと思う。
玩具的にもギミックとして良かったし。


■「失敗部分考察」

玩具展開は成功したっぽいが、アニメに関してはウケがそこまで良くなかったようで。

序盤のキッズ向け感でこれまでのファンに拒絶反応が出たのが大きかったんではなかろうか。
見続けた奴ならそこまでキッズ向けじゃない内容でそこそこ楽しめたと思うし。
さらにそれを後押しする最大の理由は、キャラデじゃないかなと予想してる。
ネットでもキャラデが適当過ぎるって意見見たし。
いずれもキッズ層には関係無い点だが。

俺的にはキッズ向けとしては良いと思うけど、大雑把過ぎる感じはする。
重要強キャラ先輩ポジのモジャとキッズ層はスルーの女キャラだけはもっと大友受け狙った方が良かったと思う。
デザイン以外の描写自体はヨウカン以外は今のままで問題無く良かった。

過去作と比較してもキャラデがかなりシンプルで子供向けに感じる。
同じホビーアニメのビルドファイターズシリーズが大友にキャラウケてて、実際見比べると分かりやすい。
似た失敗例としてはガンダムAGE。
キャラデがかなり子供向けなのに内容はそうでもないっていう中途半端さは結構マイナスなんだと思うし、ここが最大の欠点かもしれない。


一年間だから思う事がたくさん有あるな。
なかなか楽しめたし製作者達GJ! お疲れ様でした。



■関連LINK:「2019年春アニメレビュー(4月〜)」
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1971028500&owner_id=5239087
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