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2019年04月11日22:11

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ブラックホールの直接撮影に成功!

今回、日記では、4月10日(水)のニュースで大々的に取り上げられたブラックホールについて書きたいと思います。

 なお天体の細かい数値は間違っている可能性があるので、ご理解下さい。

 このたび日本の国立天文台やアメリカを含む国際研究チームが、真っ暗闇に包まれたブラックホールを、直接写真にとらえることができました。科学史に残る大きな成果です。

 とらえたブラックホールは、5500万光年離れたおとめ座銀河団の中心部にあるM87銀河です。中心部に太陽質量の65億倍のブラックホールがあります。

今晩4月11日(木)午後10時からBSプレミアムで放送されるコズミックフロントNEXTで詳しく放送されます。再放送は17日(水)同チャンネルで午後11時45分から行います。

 コズミックフロント https://www4.nhk.or.jp/cosmic/

 関連リンクをご覧になって下さい。

マイナビニュース ブラックホールの撮影 https://news.mynavi.jp/article/20190411-806609/

 見本となる画像です。

 写真左    今回のブラックホールの撮影に成功したM87銀河の中心から放たれるジェット

 写真真ん中 天の川銀河にあるブラックホールはくちょう座X−1

 写真右    はくちょう座X-1が、ペアとなる恒星からガスを吸い寄せる


 以前からM87銀河の中心に巨大なブラックホールがあることは確実視されていました。なおこの活動銀河核の一つM87の中心にあるブラックホールは、大量のガスを飲み込み、吐き出していたのです。

 吐き出したガス、いわばジェットは、地球から宇宙空間に打ち上げられた可視光ハッブル宇宙望遠鏡で撮影されていました。ジェットの長さは、7000光年から8000光年に達します。

ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた実際の写真です。M87銀河からジェットが放たれています。
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 ブラックホールといえば、街中の小学生でもその存在を耳にしたことがあるでしょう。私自身も小さい頃、両親から聞かされていました。大きな力を持ち、星を吸い込み、光も逃さない巨大な天体というイメージを持っていました。

 実際ブラックホールは、重力は強くても、必ず大きいとは限りません。半径10数キロ程度のブラックホールもあるのです。

 全てのものを極限まで縮め、超高密度化した物体こそ、ブラックホールなのです。

 我々が住む地球の場合、ゴルフボールサイズまで収縮させると、光さえ逃さないブラックホールになります。

 その超高密度となったブラックホールに落ち込むと、物体に当たって進路が曲る光さえ脱出できません。かの有名なアインシュタインの一般相対性理論によると、光は物体に当たると、経路を曲げられます。光の速度は、秒速29万9792.458km、地球を7週半をする速さになり、衛星月へ1秒で到達してしまいます。

 前述の通り、どんな物体にも必ず重さを持っています。我々人の重さを示すのは体重ですね。

 その我々人が、障害物を避けて歩いたり走ったりするように、光も物体を避ける性質があるのです。

 もしですよ、我々が道を歩いている際、体重が200kgに達し、腕力が優れたお相撲さんに鷲掴みされたら、到底逃れることはできません。

 光も同じように、地球のような惑星サイズの天体なら、ほとんど影響を受けません。我々人の大人が、2歳から3歳の子供に腕を掴まれても、簡単に振りほどけるのと一緒です。

 でもお相撲さんやレスラーならそうはいきませんね。

 光も、巨大な重力を持つブラックホールに落ち込むと、抜け出だすことができないのです。

 今回、ディスカバリーチャンネルで放送された宇宙の解明シリーズ1ブラックホールと、NHKハイビジョンで定期的に放送されているコズミックフロントの2011年11月15日(火)の初回放送分を参考に書かせていただきました。よろしくお願いします。

 まずは宇宙の解明シリーズ1ブラックホールの放送内容を見て行きましょう。番組では、探査機をブラックホールに送り込むと、どのような結果になるか、特別に映像を作成しています。

 ブラックホールの重力圏事象の地平線に入ると、物体が引き伸ばされます。番組解説によると、頭の部分ほど強く影響を受けることに関係するそうです。

 さて映像で見て行きましょう。

 探査機がブラックホールに近づきます
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 事象の地平線に入り、探査機の頭の部分が引っ張られ、収縮していきます。探査機の後部も次第に細長くなります。
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 散り散りになる探査機
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 全ての物体が麺のように細長くなることから「スパゲッティー化現象」といいます。

 事象の地平線へ入った物体は、ブラックホールの巨大な重力によって、高速回転をします。

 実際我々太陽系が属する天の川銀河もいて座方向に2万6000光年離れた中心部に、太陽質量の400万倍に達するブラックホールがあります。ブラックホールの中心近くを回るS星と呼ばれる恒星は、時速10万キロメートルで周回しているのです。

 実際外からブラックホールを見えなくても、重力圏に落ち込んだ物体を観測するとはできます。落ち込んだ物体自体が、高速回転していても、外からでは不思議と止まっているように見えるのです。

 ブラックホールの重力圏事象の地平線では、空間や時間の概念が通用しなくなるのです。実に不思議な現象ですね。

 
 続いてはコズミックフロント 2011年11月15日(火)初回放送分の「驚異!ブラックホール 頭脳が見つけた奇妙な天体」についてまとめました。

 まずは、人類が始めて発見したブラックホール、はくちょう座X−1についてです。

 1971年に、東京大学に所属する故小田稔博士が手動となり、X線観測機器にて、初めてブラックホールを検出したのです。

 詳しいことは以下のリンクで確認して下さい。
東京大学理学部 故小田稔博士の功績や観測結果を詳細に書かれています。
https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/story/rigakuru/nbp/research/15.html

発見したブラックホールは、天の川銀河内のはくちょう座の方角にありました。地球から距離にして約6000光年、質量は太陽の15倍になります。直径はおよそ30kmです。

 もちろん当時の観測技術では、直接とらえることができませんでした。実ははくちょう座の方角で見つかったブラックホールには、兄弟星が存在するのです。その兄弟星の動きから、見えない何かに引っ張られていることが分かりました。

 我々の住む地球を宿す太陽は、単独星です。他に仲間となる星は存在しません。宇宙全体に視野を広げると、およそ8割の天体が、兄弟星を持っているといわれます。

 2連星の場合、質量が大きい星を主星といい、もう一つの小さい星を伴星というのです。

 はくちょう座にあるブラックホール、通称はくちょう座X−1は、伴星を持っていました。

 伴星の質量は太陽の9倍になり、主星の周りを5日周期で回っています。

 主星となるはくちょう座X−1は、伴星からガスを吸い尽くし、降着円盤を形成しているのです。

 地球から打ち上げたX線天文衛星は、降着円盤から強力なX線をキャッチしました。

 
 
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 はくちょう座X−1は、我々の住む地球に最も近いブラックホールです。それでも距離にして6000光年です。宇宙は広大無辺、その言葉を実感します。


  番組の後半では、今回の直接観測の成功に導く取り組みを紹介しています。アメリカのボストン郊外にあるMITヘイスタック天文台のことです。マサチューセッツ工科大学に所属するシェパード・ドールマン博士が、日本の国立天文台と協力して、電波望遠鏡を使い、直接観測に取り組みました。計画の発案者は彼のようです。

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 宇宙のはるか遠くにある暗闇に隠れた天体を探し出すには、一台の望遠鏡では到底足りません。世界各地に電波望遠鏡を配置し、それぞれつなぎあわせました。地球サイズの巨大電波望遠鏡を作り出し、わずかな光をとらえます。

 観測に使われた望遠鏡の一つが、直径25mのパラボラアンテナが27基並ぶアメリカのニューメキシコ州にあるアメリカ国立電波天文台VLAです。
 
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 望遠鏡のアンテナ
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 ドールマンさんは、VLBI(超長基線電波干渉法)という技術を使い、見えない暗闇の世界からブラックホールの観測準備を進めました。VLBIとは、波長が細かいサブミリ波のことです。サブミリ波望遠鏡は、長野県野辺山にあります。国立天文台が所有し、年に1度無料公開を行っています。
 リンク https://www.nro.nao.ac.jp/gallery/

 番組が制作された2011年時点で、マサチューセッツ工科大学のドールマン博士は、世界全域に望遠鏡を配置するまで、5年かかると述べていました。当所の彼の計画では、チリのアタカマ砂漠やハワイのマウナケア山、カリフォルニア州の3箇所に設置し、それぞれの望遠鏡をリンクさせます。異なる3つの箇所をつなぎ合わせ、1台の望遠鏡に匹敵する解像度を持つようになるのです。

 彼の話の通りだと、2016年に完成したことになります。そして2019年4月11日(水)、ついに5500万光年離れたM87銀河の中心部にあるブラックホールを写真に撮影することが出来たのです。

 最新の新聞記事を読んだところ、望遠鏡は3箇所から6箇所8つの天文台まで増えたそうです。時差や天候が異なる世界8箇所で同時観測は、難しかったでしょう。一つの天文台の観測場所が天候不良であれば、機能しなくなるからです。

 記事によると、波長1.3mmのサブミリ波での観測の場合、視力300万の数値に達しました。例えるなら東京都庁の展望室から富士山の頂上に立つ登山客の筋肉一つ一つの動きをとらえる精度に匹敵します。全ての望遠台の観測条件が良好なとき、M87銀河の中心のブラックホールの撮影に成功したのです。

 ドールマン博士を含む、科学者の探究心が、実を結び、ついに撮影した写真を日本時間の4月11日(日)に一般公開しました。

 光さえ吸い込むブラックホール、入り口は見えても、出口は未だに分かりません。

 科学の力によって、宇宙の成り立ちや未来まで見えてきました。

 ブラックホールの謎に挑む研究は今後も続いていきます。




















ブラックホールの撮影に成功
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=5575996
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