エイプリルフールの日に
新元号「令和」が公表された。
新天皇即位より1ヶ月先立ち、
しかも初めて国書から採るという
異例づくめの新元号発表である。
当初予想(危惧)されていたような、
「安倍晋三」の「安」やら「晋」やらが
入るという事態はひとまず回避されたが、
「令」の字がどうしても
「命令・指令・辞令・号令……」などのように
「指図」を連想させるのは否めない。
もちろん、そうではなく
「令名・令息・令嬢」のように
「よい・りっぱな」という意味もある、
そういう意味でとってつけたというのは分かるよ?
しかし、たとえば「襲」という字を見せられて
「襲名・世襲」の「襲」の意味が
すぐ思い浮かぶ人がどれだけいるか?
やっぱり第一に浮かぶ意味は
「おそう・おそいかかる」じゃないかねえ。
「令」だって同じようなものだ。
じゃあもう西暦に……と言いたいところだが、
これにも難点がある。
西暦はイエス・キリストの誕生の年を起点に数えた紀年法と
称されている。
この年を算出して
西暦=キリスト紀元を提唱したのは
今のブルガリア出身の
6世紀の神学者、
ディオニシウス・エクシグウスである。
それからも
この紀元が受容されるまでには時間がかかり、
西洋で一般化したのは
ようやく15世紀になってからだという。
ところが歴史学の発達した
後の時代に考証し直してみると、
イエスの誕生は概ね紀元前7〜4年頃のいつか
と推定される。
というのも、
嬰児虐殺を命じたとされるヘロデ大王が
紀元前4年に亡くなっているので、
イエスの誕生はこの前でなければならない。
このように紀元の起点そのものが
かなり怪しげである以外にも、
・ 特定の宗教(キリスト教)と
あまりに強く結びついている点
・ 西洋帝国主義の覇権とともに普及・定着した点
から見ても、
西暦には不都合な点が少なくない。
キリスト教に基づく表現であるAnno Domini(AD)、Before Christ(BC)を、より中立的に、たとえば英語ではCommon Era(共通紀元)、 Before Common Era(共通紀元前)とする動きが起きている。
もともと18世紀ごろからユダヤ教徒の間で、Common EraやVE (Vulgar Era) を使う動きがあった。背景には、19世紀から20世紀初期にかけて、西洋のシステムがグローバルスタンダードになって行く中で、非キリスト教圏にも西暦が浸透して行き、特に欧米の非キリスト教徒には強い抵抗感があったことがある。
2002年に、イングランドとウェールズの公立学校が、CE、BCE を導入した[6]。2007年度版 World Almanac(世界年鑑)なども追随し、出版業界でも切り替えの動きが広がっている。また、アメリカの大学入試テスト等を運営する非営利団体のカレッジボードなども導入している。
たとえば、Unicode Standard ではceとbceを使っている。
参照: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E6%9A%A6 西暦#中立的な表現
しかし、
現実的に世界中に広く普及している
便利な紀年法であることは否定できない。
西洋中心主義的な西暦を嫌って、
日本の皇紀や韓国の檀君紀元、
中国の黄帝紀元、孔子紀元、
北朝鮮の主体紀元、
はたまた仏教紀元というのも
考えだされたけれども、
こちらはこちらで
地域や宗教が限定される難点がある。
そこで考えた。
西暦1年の出来事を起点として
実質的に西暦と同じ年数の紀元を
こしらえたらいいのではないかと。
だが調べてみたら、
この年には紀元の起点にふさわしい出来事が
これといって見つからない。
しいて言えば
エチオピア・エリトリアとアラビア半島の一部を支配した
アクスム王国がこの年あたりに建国されたという
あやふやな史実ぐらいである。
ところが、
ちょうど漢(前漢)の元号「元始(げんし)」が
西暦1年から始まっていることが分かった。
元始 (漢)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%83%E5%A7%8B_(%E6%BC%A2)
じゃあもう元始でいいや。
中国語だと Yuan shi なので
略号Yなら Year のYとも通じる。
というわけで
今年(西暦2019年・平成31年/令和元年)は
元始2019年。
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