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2019年01月07日01:04

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「来る」「ヘレディタリー/継承」「クワイエット・プレイス」「ゴースト・ストーリーズ 〜英国幽霊奇談〜」

今年は、昨年観たホラー映画のことから。
「来る」が、何とも、ホラーのようでホラーではなかったため。
ああいう「何かが、来る」系のホラーをずらして、えらい大がかりな仕掛けの映画にしているのたけど、怖い映画にはなっていない。
「来る」系は、「来る」までの人間のおびえ、おそれが恐怖の対象なのではなかろうか。

ちょうど正月に、「マスターズ・オブ・ホラー」の中のトビー・フーバーが監督した「災厄の街」"The Damned Thing"を観たのだが、これが来る系の話だった。
目に見えない何かが、来るということに対して、主人公の男は家のまわりに何台ものビデオカメラを設置し、家族とも別居している。
彼の父親は何かが来たことで、突然家族を襲い、母親は殺され、自分も殺されかけた。
で、やってきた何かは、タイトルどおり、街の住人すべてに異変をもたらし、人が人を襲いまくる。最後の最後に何かの正体も明らかにされる。
原作アンブローズ・ピアス(「悪魔の辞典」)、脚本リチャード・クリスチャン・マシスン(あのリチャード・マシスンの息子)という。
原作は「妖物ーダムドシング」という題名で、岡本綺堂が翻訳している。
トビー・フーバー、街ごとのパニックを一軒家に限定して見せて納得させる力技を発揮して、カオス状態をうまく見せている。

「来る」で描きたかったのは、怪異というよりも、人の心の中の闇の部分なのだろう。
でも、前半の結婚式の場面とか長いなぁ。
ベッドで寝ている老人の家の玄関の戸を叩く何か、ってぽぎわんなの?
違うと思うけど。

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「ヘレディタリー/継承」
何だか、ものすごく世間では評判がいいのだけど、そこまでのものか。
怖いというよりも、後味の悪い映画。

カルトの印は、すでに最初の場面でトニ・コレットが着けていたじゃない。
旦那のガブリエル・バーンがあれでは、宝の持ち腐れ。
(実はこの二人が、製作にも名前を連ねている。)
息子は夜の車でああなった後で、何でああいう対応しかしていないの。

最後の方で流れるワーグナー風の音楽は、安っぽくならなくてよかったと思う。コリン・ステットソンという人が担当。IMDBによると、サックス奏者として「メッセージ」の音楽に参加しているそう。テレビで結構活躍しているようだ。

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「クワイエット・プレイス」
音を立てると奴らが来る。奴らとは、どこから来たのかよくわからないが、奴らによって都市は壊滅状態になっており、エミリー・ブラントとジョン・クラシンスキーの一家は歩いて田舎へ移動する。その生活が「大草原の小さな家」のような、原初的な米国生活であり、娘役が「ワンダーストラック」でグリフィスの映画に憧れて都会に出たミリセント・シモンズということもあり、何かグリフィス的な映画になっている。

エミリー・ブラントが妊娠して出産するという時、声を出さないことができるのか、という命題を提示してうまく見せている。
階段の使い方とか、脚本がよくできていると思い、調べるとブライアン・ウッズとスコット・ベックとクラシンスキーとなっていた。ウッズとベックという二人はホラー系の映画の脚本・監督を何本かしているようで、しっかりとしたホラーになっている。

エミリー・ブラントは、「メリーポピンズ」も演じるそうだが、別人のように見える。
クラシンスキーは、エミリー・ブラントの旦那で、ガス・ヴァン・サントの「プロミスト・ランド」の製作・脚本もしていた。結構いいぞ。

マルミ・ベルトラミの音楽は、定石を踏んでいるが、ちがう雰囲気の方がいいと思うところもあった。
IMDBを観たら、続編ができるらしい。

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「ゴースト・ストーリーズ 〜英国幽霊奇談〜」
ジェレミー・ダイソンとアンディ・ナイマンの二人が監督。もとは彼らのつくった舞台劇。アンディ・ナイマンは幽霊や霊的現象を否定してテレビに出演する教授役でもある。
彼がどうしても否定できない霊的現象にいくつも出会うという形をとり、オムニバス的に3つのエピソードで描く。
特に最初の深夜の警備員の体験談はこわい。でも、なんであんなところ(昔の精神病院)に警備員がいる必要があるのか、がよくわからない。

この映画でも、2話目で深夜の車の運転で事故る少年が描かれる。
落ちのところがいいと思うかどうかで評価が分かれるところだが、自分はありだと思う。
3話目の荒れ野の描写は、すごく寒そうでそれが最後のエピソードにもつながって、寒さを感じさせる。「ハリー・ポッター」ではこんな寒さは感じなかった。

ちなみに、米国のデヴィッド・ロウリー監督の「A GHOST STORY/ゴースト・ストーリー」は、いつの間にか上映が終わっていて、見逃した。ルーニー・マーラは好きなんだけど。
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