体が重い。
思えば、目覚めも悪かった。
そして仕事で体を動かして鉛のように重くなった。
今も重い。
理由と原因の思い当る節はある。
それでも動かねばならないと思う頭。
拒絶する体。
楽観的な妄想と、ままならない現状。
思考はまどろんで逃避しようとする。
こうして過ごしてきた。
今まで。
苦悩より、怒りより、どこか冷めて客観視している自分が恐ろしい。
その先は、終りでしかないというのに。
ただ、終る訳ではない。
だから性質が悪い。
これこそ、楽園の蛇がもたらす禁断の果実なのだ。
もう口元にある。
いや、口にした。
もう腹の中。
だから逃れられないのだ。
そうして、普通という事に溶け込むのだ。
満足だろう。
妄想するだけで、何もなさない普通の人。
そうよくある普通の人の話。
重かったのは体だけだったのだろうか?
そうだとしたらそれはそれで悲しいことだ。
全ては遠い過去でしかない。
忘れれば楽になる。
重さに捕らわれて。
そのままずっと。
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