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2018年10月24日23:12

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雲南町を出て隠岐の島へ渡る

10月18日(木)のつづき

雲南市の南東の掛合町へ行く。
「道の駅・掛合の里」で朝食を食べる。
ここは日本で最初にできた道の駅だ。
期待して訪れたけど、普通の道の駅だった。
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裏手に竹下登さんの銅像があった。
地元出身の元総理大臣だ。
よく見ると顔のところにクモが巣を張っていた。
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旧吉田村まで車を走らせる。
古い町並みの細い道の中に「鉄の歴史博物館」がある。

日本での製鉄は「たたら」というやり方だった。
砂鉄を集めて風呂釜のようなところに集め、薪を燃やして鋼の塊を作る。
多くの人手と熟練の技が求められる。

もともと中国地方は老年期の火山で山塊を形成している。
だから風化した変成岩がで形成されており、そこに多く含まれる鉄分が流れ落ちてくる。
とくに斐伊川の源流である船通山からは良質の砂鉄が流れ出す。
水量の多い斐伊川が自然に砂鉄をより分ける。
これを比重選鉱という。

じっさいに斐伊川の八岐大蛇伝承地あたりは砂鉄で川床が黒かった。
それで良質の砂鉄を採取することができた。

さらに出雲地方は降水量が多いので、樹木を伐採してもすぐに次の木が生えてくる。
たたら製鉄には最適の場所だったのだ。

博物館では、たたらの歴史が展示してあった。
この地方では大正時代まで古来の方法で鉄を作っていた。
たたら師の最後の生き残りたちが鉄を作ったビデオを観た。
昭和44年のことだ。
これ以来、本格的なたたらは一度も行われていない。
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菅谷という集落に日本でただ一箇所だけ、たたらが残されている。
これも見に行った。
大きな製鉄のための木造の建物だった。
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この地区の代表のような人が丁寧に説明してくれた。
それに付属する建物に続いて、たたら師の子孫が住んでいる一画がある。
いまはサラリーマンかなにかになって町へ通勤しているようだけど。
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ついでに「鉄の未来科学館」にも行った。
村起こしのために建てたハコモノだった。
さらに知識は深まったけど、ここはどうも今ひとつ面白くなかった。
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雲南市をあとにする。
斐伊川沿いに出雲へ向かう。
「平田本陣記念館」へ行く。
平田一式飾りが目的だったけど、展示の入れ替えで見られなかった。

宍道湖の北を走り、松江の中心街を通り七類港へ来た。
明日フェリーに乗る港だ。
下見の目的もあったけど「メテオプラザ」が見たかったのだ。

ここのメテオミュージアムには「美保関隕石」が展示してある。
1992年12月、美保関町の民家に隕石が落下した。
最大長25センチ、重量が6.38キログラムの大型のものだ。
広い空間にレーザー光線を当てて隕石は展示されてあった。
「これかー!」と最初は感動したけど、よくよく眺めると漬物石と変わりがなかった。
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ちょうど日暮れ前だ。
米子の方へ行き、皆生温泉にある日帰り入浴施設でお風呂に入る。
また七類港へ戻ってきてフェリー乗り場の駐車場で車中泊する。


10月19日(金)

9時、隠岐の島の西郷港へ行くためフェリーに乗る。
雨が降り出しそうな天気だ。
それはいいのだけど波が高い。
船が大きく揺れた。
立って歩くと転びそうになる。
本を読んでいると気分が悪くなってくる。
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11時25分、寝転んで我慢しているうちに西郷港に到着した。

離島といっても隠岐の島は大きなところだ。
ちょっと歩いてみるけど本土と変わらない。
ドラッグストアも銀行の支店もある。
さすがにコンビニはないけど。
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観光案内所で地図をもらい、半日おすすめお散歩コースを教えてもらう。
街の中心街をうろうろしてから、そのコースを行ってみることにした。
雨が降ってきたので傘をさして歩く。

さっそく良い感じの食堂があったのでランチを食べる。
山盛りの海鮮丼で満足した。
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海岸沿いに坂道を登っていく。
1キロちょっとで玉若酢命神社に着いた。
雨のなかを参拝する。
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隠岐の島は神社がたくさんある。
神社の島といってもいいくらい。
そのなかでもわりと大きなのがここだ。

もうちょっと歩くと池田という地区に来た。
田んぼが広がり、エディオンやヤマダ電機もある。
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国道から奥まったところに平神社がある。
本殿の裏手に前方後円墳があった。
横穴式石室がむき出しになっている。
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隠岐の島は歴史の古いところだ。
古事記の国生み神話でも大八島の一つに数えられている。
島には古墳もたくさんあるようだ。

池田地区を過ぎて坂道を登る。
隠岐国分寺に着いた。

国分寺の跡だ。
奥の方には後醍醐天皇の行所跡がある。
天皇が1年ほど島流しにあって生活していた建物の敷石だけが残されている。
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その奥には欠けた石仏が並んでいる。
廃仏毀釈のときに破壊されたものだ。
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国分寺の裏には小さなドームの建物がある。
「モーモードーム」といって、島の伝統的な闘牛である牛突きを見学できる施設だ。
もちろん毎日やっているわけじゃないので、この日は閑散としていた。
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もう4キロ以上歩いている。
そろそろ港に戻っていこう。
帰る途中にもいろんな施設があった。
そのたびに感動していた。

「へえ〜、高校があるんだ!回転寿司もあるんだ!」といったふうに。
考えてみれば人口が15000人もいるのだから、それくらいあたりまえだけど。

丘の上に見晴らしの良い共同墓地があった。
海の景色を眺めてから下りていき港に戻る。
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フェリーターミナルの近くのホテルにチェックイン。
ホテルで出てきた夕食は地元の食材をふんだんに使った海鮮会食だった。

カメノテのお吸い物が珍しく、思わずツイートしてしまった。
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つづく
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