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2018年10月13日09:29

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声劇台本を作成しました!「恋花(こいばな。)。」

「恋花(こいばな。)。」







※ 金銭が絡まなければ使用自由。
大幅な改変等はツイッター @annawtbpollylaまで要許可申請。

自作発言は厳禁です。 ※





※ 今作は「二方美人(にほうびじん)。」のシリーズ作ではありますが、そちらを知らなくとも、話が分からなくなる事はなく単独でもお楽しみいただけると思われます。

とは言え、同シリーズ作や派生作品も読んでいただければとても幸いです。

(以下リンク)

「二方美人。」(1:4)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1958862956&owner_id=24167653

「二方美人。」シリーズ及び関連作品のみのまとめ
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1964303733&owner_id=24167653

「なんかうれしくって。」 (1人朗読)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1962054166&owner_id=24167653



時系列は、「天下唯双(てんかゆいそう。)。」の直後となっています。
ゆえに、彼女らの社会人一年目の年を越した元日のお昼からこの物語は始まります。







【想定時間】

20分前後



【想定人数】
男女2:2 計4人



【登場キャラクター】

生徒世 燦花(いくとせ さんか):女性。社会人一年目。とても優しい女性。大学卒業後は司書さんとして地元の大きな公立図書館で働いている。

光画 月夜(こうが つくよ):女性。社会人一年目。十年かかった恋が実ったばかりですさまじく気持ちが昂っている。男性口調で喋るが、それは今回付き合う事となった男性の口調が妙な形で染った結果である。

花守 水限(はなもり みぎり):男性。社会人一年目。特に図書館が好きな訳でも本に興味があるわけでもないが、燦花(さんか)さんと同じ公立図書館で働いている。

羽黒 火継(はぐろ ひつぎ):男性。社会人一年目。女性口調で喋るが、そこには「そういう風に喋りたいから」以外の理由や事情は特にない。






【本編】

燦花「んぅ…眠い……。アラーム…?違った、着信…。…んっ、う……。はい、生徒世(いくとせ)です。」

月夜(電話)「燦花(さんか)、燦花!新年おめでとう!それでだな、聞いてくれ頼む!」

燦花(電話)「あ、月夜(つくよ)さん。…ええ、あけましておめでとう。どうしたの?何かあったの?」

月夜(電話)「あのだな!えっと、そうだ。昨日、私は浦風(うらかぜ)の部屋に泊まって、まだそこに居るのだがな!」

燦花(電話)「うん。言ってたね。浦風(うらかぜ)君の新しい家で年越し会するって。」

月夜(電話)「…あの、その、えっとだな。奴と付き合える事になったんだ。」

燦花(電話)「えっ!良かったじゃない。おめでとう、月夜さん!」

月夜(電話)「今、奴はお昼のお弁当を買いに出かけて居ないのだがな。くくく。ああ、気持ちが昂って仕方ない…。誰かに伝えないとやっていられない!!」

燦花(電話)「ふふ、良かったね。これから初詣行ったりするの?」

月夜(電話)「そうだな…それは特に考えていなかったので、これから考えるとする!奴が帰ってくるまで、恐らくあまり時間もないので長く話してはいられないが…色々と助言とかしてくれてありがとうな、燦花。無事付き合える事になったのもきっと燦花のお陰だ。」

燦花(電話)「そんなことないよ。お二人それぞれのお陰だよ。」

月夜(電話)「燦花ももし何かそういうのあったら、力になるからな。ぜひとも頼ってくれ。」

燦花(電話)「うーん…そうね……。もし、今お付き合いしてる方との事で何かあったら、その時は色々アドバイスしてもらおうかな。」

月夜(電話)「…んん?」

燦花(電話)「どうしたの?」

月夜(電話)「…えと、お前、今、誰かと付き合っているのか…?」

燦花(電話)「?…そうだけど。」

月夜(電話)「い、いつからだ!?なぜ今まで話している中で教えてくれなかったんだ!?」

燦花(電話)「べつに言うことでもないのかなって…。多分、月夜さんと面識のある方でもないし。」

月夜(電話)「い、いや、だからと言って…そんな話、聞きたいに決まっているであろう!私の話は後でするから色々聞かせてくれ!相手はどんな人間で、いつからだ!?」

燦花(電話)「う、うん…えっとね。花守 水限(はなもり みぎり)君って言うんだけど、私と一緒に図書館で働いてる同期の方なんだ。お付き合いを正式に始めたのは今年…じゃなくて去年の10月。」

月夜(電話)「そうなのか…その花守(はなもり)さんという方はどんな性格をしているんだ?」

燦花(電話)「性格…うーん。周りをよく見てて、色んな事をすぐ決めつけたりしない人、かな。あと頭が良くてね。高校生の頃、学校は違ったけど同じ塾に通ってて、その時からとっても成績が良かったんだ。たしか氾愁(はんしゅう)大学に行ってたはずで、その大学での勉強とかとは全く別に司書さんになるための講座を外部で受講して、ちゃんとそれを両立させて」

月夜(電話)「…くくく。」

燦花(電話)「うん?」

月夜(電話)「…いや、楽しそうだな。」

燦花(電話)「…だって。」

月夜(電話)「燦花の方は、このお正月に彼と会う予定とかないのか?」

燦花(電話)「水限(みぎり)君とは明日初詣に行くんだぁ。」

月夜(電話)「そうかそうか…またその時の話も後で聞かせてくれ。」







水限(電話)「なあ、火継(ひつぎ)。」

火継(電話)「どうしたの?」

水限(電話)「昨日も言ったとおり、俺は明日、生徒世(いくとせ)さんと初詣に行く事になってるんだが…。」

火継(電話)「そうね。」

水限(電話)「落ち着かねぇ!!不安だ…不安で不安でどうにもならない。」

火継(電話)「デート前に必ずそうやって電話してくるの、私はあなた達のお話聞くの楽しいから良いけど…水限(みぎり)君の方はそろそろ平常心で居られた方が良いかも知れないわよ?」

水限(電話)「毎度すまねぇな…。生徒世(いくとせ)さんの事知ってて、まともに相談できるのお前しか居ないんだよ…昔同じ塾行ってたし、大学も…。…仮にそうでなくても相談するならお前が良い。」

火継(電話)「ふふ。あらお上手。でもそういう事ならもっと感謝してほしいものね。」

水限(電話)「分かってる分かってる。お前に恋人ができたらその時は俺がいくらでも力になってやんよ。」

火継(電話)「いつになるか分からないけど、頼りにしてるわね。…好みの女性はみんな恋人が居て困ったものよ。」

水限(電話)「おう、困った時はお互い様って事で。どうしてもってなったら誰か近くの女性を紹介しよう。…あ、デートプラン見直したいから、今ちょっと画面共有して良いか?」

火継(電話)「ふふ。どうぞ?」











燦花(電話)「こんばんは。初詣、すごく混んでて疲れたよ。」

月夜(電話)「おう、お疲れ様。もう家か?それでどうだったんだ!?」

燦花(電話)「…家には着いてるけど、そんなに聞きたいものなの?」

月夜(電話)「聞きたいに決まっているであろう。ほら早く早く。」

燦花(電話)「後で月夜さんの方のお話も沢山聞かせてね?」

月夜(電話)「…仕方あるまい。」

燦花(電話)「えっと、今日は午後の2時に集まって、神社の近くで軽食を取りながらしばらくお話して時間を過ごして…4時半くらいに神社に行ってお参りして、おみくじ引いて、ちょっとゆっくりして…それで帰って来たかな。」

月夜(電話)「着物とか着て行ったのか?」

燦花(電話)「普通に洋服で行ったよ。」

月夜(電話)「そうか…まあ、私も昨日あの後、洋服で初詣に行ったのだが…付き合っている中で行くのなら、日を改めてでも着物で行った方が良かったのかとも思ってな…。」

燦花(電話)「着たいのならそれも良いけど、別に無理して着るのはしないで良いんじゃない?」

月夜(電話)「うむ…そうか。なら良かったのか…たしかにあいつもそう言ってくれていたからな…。」

燦花(電話)「気合い入れて頑張るのも楽しいと思うけど…気合い入れすぎて、疲れて色々ままならなくならないようにね…?」

月夜(電話)「そうだな…なるべく頑張る。…あ、疲れないようにする事を、頑張る。」







水限(電話)「火継(ひつぎ)ぃぃ!!!聞いてくれ!」

火継(電話)「わっ…音量上げ過ぎた…。」

水限(電話)「あ、すまん。」

火継(電話)「ふふ。大丈夫よ。それよりデートうまく行った?」

水限(電話)「いやな、生徒世さんな、駅前で待ち合わせしてたら、いきなり後ろから右肩が何かに乗られている感覚があって、振り返ると生徒世さんが俺の右肩に両手を乗せて、いかにも『えへへ』なんて擬声語が見えてきそうな笑顔で佇んでてな、もうその時点で頭がクラクラするってのに、見るとこの前一緒に買ったコートを早速着てきてくれてて」

火継(電話)「ふふ、飲み物用意してる?ちゃんと聴いてるから落ち着きなさいな。」

水限(電話)「あ、ああ…すまない。…………そのな……だから…かわいいんだよ…。」

火継(電話)「ええ、知ってる。そうなのね。」

水限(電話)「しかも『まだ待ち合わせ時間まで少しあったから一回席を外しただけで、本当は私の方が先についてたんだからね。』って。『だからね。』って…。」

火継(電話)「そこもつぼだったのね。」






月夜(電話)「…そうか、聞いている限り上手く行っていそうで良かった。」

燦花(電話)「一応ね…。ただ私が気づけてないうちに、何か我慢させちゃったりしないように気を付けないと。」

月夜(電話)「燦花、これまで誰と付き合っても、友達として居る間どんなに仲が良くても付き合いだした途端に全然上手く行かなくなってたって言ってたからな。」

燦花(電話)「ええ…だからこそ、本当は水限(みぎり)君と付き合うのも一回断ってたんだ。」

月夜(電話)「そうなのか。」

燦花(電話)「でも同じ職場だからね、断った翌日にも一緒にお仕事しないといけなかったんだけど、水限君、全く何事も無かったかのようにそれまでと同じように接してくれたんだ。その後もずっとずっと。ともすると当事者の私まで、本当に何も無かったんじゃないかって思えるくらい。……それが、『俺を振った事を気に病まないで』って言われてるみたいで………。」

月夜(電話)「…。」

燦花(電話)「……愛らしい…?愛おしいなぁって。」

月夜(電話)「そうかそうか。」

燦花(電話)「元々尊敬してたし…。この前、何度目かの、情報化が進む中での図書館の在り方についての勉強会をした時にも、提示したデータは豊富で精緻な物でありながら、展開する自説はとっても簡潔で分かり易くて…」

月夜(電話)「そうかそうか。くくく、幸せそうで何よりだ。」







水限(電話)「あぁ…でもなぁ、俺、生徒世さんに嘘吐いてんだよなぁ。」

火継(電話)「図書館に就職した理由のお話?」

水限(電話)「そう。それがあるから、本当に俺はあの笑顔を向けて貰って良いのかとか…ああ、だめだこういうのが重い。ただでさえ俺は重いのに…。」

火継(電話)「そんなに押さえつけなくても大丈夫じゃないかしら…。我慢ばかり続けてると、いつか取り返しがつかなくなるわよ…。」

水限(電話)「ああ、そうだな…。我慢も、し過ぎるのは良くない…。」

火継(電話)「全部出しちゃったら、本当に重くて苦しめちゃうでしょうけど…でも、自分だけじゃ耐えられないところを相手に少しでも負担を手伝って貰うのって、きっととっても大事よ。」

水限(電話)「すまねぇ…。」

火継(電話)「それで…図書館に就職した理由って、どんなのだったかしら。」

水限(電話)「……えっと、本当は本に興味があったとかじゃねえんだ。俺は大学入っても自分のしたい事が結局何も見つからなくて…親が公務員になれってうるさくて、別にそれも悪くないだろうが、何か自分の意思で決めたいって考えてたら…生徒世さんが昔塾で、地元の大きな図書館に就職して働くのが夢だって言ってたの思い出したんだ。」

火継(電話)「ええ。」

水限(電話)「生徒世さんを『かわいい』って思ったのは、あの時が初めてだった。自分の図書館での思い出とか、自分はどんな司書さんになりたいとか、そういうのを語ってる生徒世さんは…純粋にかわいかったし、羨ましかった。……あの人をそうまでさせる、あの図書館には何があるんだろうって…それに公立の図書館なら公務員だから、親も文句もないだろうって…。」

火継(電話)「前にも聞いたけど、やっぱり罪悪感覚えるような志望動機じゃないと思うわよ。」

水限(電話)「でもよ、再会した時に、なんでって聞かれて気恥ずかしくて、図書館が好きになったからなんて嘘吐いちまったんだよぉ……。そしたら生徒世さん、めっちゃくちゃ喜んでて…胸に千本が刺された気分だ……。その後、本当に図書館を好きになれば良いとも思ったが今でもぜんっぜん図書館の事は好きでも嫌いでもなくて、本に特に興味も持てないんだ畜生…。」

火継(電話)「きっと大丈夫よ。いつか話せる時が来るわ。…生徒世さんも、その時はきっと笑ってくれる。」

水限(電話)「そうかなぁ。」

火継(電話)「ええ。私が知ってる生徒世さんは塾時代までだけど、あなたのお話を聞いている限り、きっと大丈夫よ。好きな本について語り合えなくても、あの人が大好きな図書館の良さをあなたが理解はできても共感はできなくても。一番大事な事は別にあるって思ってくれてるわよ。」





燦花(電話)「ただ…一つ、ちょっと気になる事もあって。」

月夜(電話)「どうしたんだ?」

燦花(電話)「もうちょっと肩の力抜いて欲しい。」

月夜(電話)「その彼にか?」

燦花(電話)「とっても大事にしてくれてるのは分かるけど、私が良ければそれで良いみたいな感じで………今のままだと、まるで私が付き合ってあげてるみたいな…水限(みぎり)君が私の下に居るみたいな…。」

月夜(電話)「…自分の事を言われているようだ。」

燦花(電話)「…そうなの?」

月夜(電話)「いや、私はなるべくそうならないようにしているつもりだが、やっぱり失いたくないと思うと……機嫌を損ねないようにって…昨日付き合い始めてからは特に、そう思ってしまっているんだ。相手からしたらそれはそれで居心地が悪いとか、そんな率先して自分が目下(めした)で居るのではなくて対等で居た方が良いとかは分かっているんだが…。」

燦花(電話)「浦風(うらかぜ)君はそんな月夜(つくよ)さんにどうしてるの?」

月夜(電話)「私を安心させようと、色々言ってくれている。…それこそ付き合う前から、ずっと。さっき言ったような思いは、表に出さないようにとしていて、ほとんど表に出さないで済んでいるつもりなのだが…。」

燦花(電話)「…そっか……。私の方も、お互いの課題として、ちゃんと真剣に向き合わないとなぁ…。」

月夜(電話)「燦花(さんか)はどうなんだ?嫌われるのが恐いとか思ったりはしないのか?」

燦花(電話)「……思う事はあるけど…それは、悲しいけど仕方ないのかなって。」

月夜(電話)「仕方ない、か…。」







水限(電話)「恩に着る…。なあ。ついでにもうちょっと色々言って良いか?」

火継(電話)「良いわよ。言ってるでしょ?私、そんなに人の恋愛に興味があるわけじゃないものの、あなたと生徒世さんのお話聞くのはとっても好きなのよ。」

水限(電話)「……生徒世さんの事もっと知りてえよおぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

火継(電話)「はいはい、やっぱりそれはまだあるのね。」

水限(電話)「気になんだよ…最初は『こんな優しい人初めて見た』とか、『見てると自分が恥ずかしくなる』とかって思いが大きかったけどよ…。5年前、あの夢を語ってるの見て、ああ、俺と同い年の普通の女の子なんだなって思ったら…そんな普通の女の子があんなに優しくなるのに、一体何があったのかって……あんなに人の苦しみに気づけるのは、ひょっとしたらなにか自分が苦しいからなのかもって……。」

火継(電話)「あるのかも知れないし、ないのかも知れないわね。」

水限(電話)「付き合ってるとは言えそんな事軽々しく聞いて良い訳がねえけど…もし何もなかったとしたら勿論だし、もし何かがあったとして、それを胸に秘めたままでいる生徒世さんだろうと、それを打ち明けてくれる生徒世さんだろうと、俺はずっと愛していたい…。どの可能性の先の生徒世さんも愛したい…。」

火継(電話)「うんうん。立派だと思うわ。でも苦しいものは苦しいのよね。」

水限(電話)「うげぇぇぁ…。」

火継(電話)「水限(みぎり)君のそういうところ、ほんと立派よ。」







月夜(電話)「…仕方ないとはどういう意味なんだ?」

燦花(電話)「もちろんずっと愛し合えたらそれが一番だけど…人の心って、どうにもならないところがたくさんあると思うの。もし嫌いってなっちゃったとしたら、その時はその嫌いっていうのを、二人でどうにか……例えば『生徒世(いくとせ)の喋り方が嫌いだけど、そこは嫌いと認めた上で、生徒世自体の事はやっぱり好き』って思って貰えるように、お互い譲り合えるところは譲り合って、折り合えるところは折り合えるように頑張れたら良いなって。でも、やっぱりどうしても無理だったら……それは…本当に悲しいけど、仕方ないのかなって思うんだ。」

月夜(電話)「そうか…確かに、そうなのかも知れないな…。」

燦花(電話)「でもね。」

月夜(電話)「ああ。」

燦花(電話)「やっぱりその考えは間違ってて欲しいとも思うんだ。普通は仕方ないとしても、せめて真剣にお付き合いしてる二人くらいは…浦風(うらかぜ)君と月夜(つくよ)さんが本気で嫌い合う事になったら嫌だし、それを仕方ないって思って欲しくない。私も思いたくない。」

月夜(電話)「…ああ、当たり前だ。」

燦花(電話)「ままならないものね…。」

月夜(電話)「難しいものだ…。大体、私は…何年だ?10年か。好きになって10年だぞ!出逢って10年半、好きになってから10年!!それでやっと実ったものを失って仕方ないわけあるか!嫌われてたまるか!!嫌いになってたまるか!!」

燦花(電話)「でも、やっぱり失いたくないからと言って目下についてご機嫌伺いするようになっちゃうのはまた違うものね…。ほんと、油断ならない。ああでもないし、こうでもない。」

月夜(電話)「それなのだよな…。他にも、燦花には言えているのに浦風にどうしても言えない事があったり、それを言わないのはダメなのかとか…でも浦風にだから言えないのは、奴を失いたくないんだから仕方ないじゃないかとか…」

燦花(電話)「……ぁ…。」

月夜(電話)「あ、いや違うのだぞ。燦花を失っても良いとかそんな事は思っていなくてだな。とにかく…簡単じゃないんだ!」

燦花(電話)「ふふ。そんな変な勘違いしてないよ。…ただね、私も、水限(みぎり)君を失いたくないんだなーって思っただけ。」

月夜(電話)「…そうか。くくく。だがそんな事なら、私は最初から分かっていたぞ?」

燦花(電話)「ね、今お時間まだある?良かったらもっと色々とお互いそのお話しよ?なんなら中学時代の思い出話も聞くから、私の塾に居た頃のお話もさせて?」

月夜(電話)「くくく、良いだろう。望むところだ!」







完。
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