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2018年10月08日15:35

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ふたりの若手監督

「寝ても覚めても」
監督:濱口竜介
脚本:田中幸子、濱口竜介
原作:柴崎友香『寝ても覚めても』(河出書房新社)
主題歌:tofubeats“RIVER”
音楽:tofubeats
出演:東出昌大、唐田えりか、瀬戸康史、山下リオ、伊藤沙莉、渡辺大知(黒猫チェルシー)、仲本工事、田中美佐子

濱口竜介は、78年生まれの39歳だから若くはないか。
でも「寝ても覚めても」のみずみずしさは、衝撃的なくらいだ。

「ハッピーアワー」は評価はするけど、好きではなかったが、今度の映画は全面的にいい。
映画の面白さがどういうところにあるか、感情表現はどういうふうに撮影して画をつないだらいいか、物語の展開も予想を超えていたけれども、撮り方も練ってあった。
考えこまれているのか、それが感性としてできているのか、これまでの映画体験から教育されているのか(東京芸術大学で黒沢清の講義を受けている)わからないけれども、
とにかくいい。

路上のキスシーンは、自分が大好きなガス・ヴァン・サントの「永遠の僕たち」(11)のようにロマンティックだし。
恋愛映画として惚れているという状況がよくわかる。

何よりもアクションがいい。
クライマックスの川の場面で、あのスケールで走る人物を捉えた画がとれるのは、大作家しかいない。今の時代だと米国のジェームズ・グレイぐらいだろう。

東出は相変わらずよい。
唐田えりかは反射的にアクションが出てきているようで、こういうのが要するに「惚れる」ってことなんだなぁと思う。

そういうのを的確にとらえて繋いでいるから、みずみずしいのだ。


「きみの鳥はうたえる」
出演|柄本佑 石橋静河 染谷将太 足立智充 山本亜依 渡辺真起子 萩原聖人
脚本・監督|三宅唱
原作|佐藤泰志(『きみの鳥はうたえる』河出書房新社 / クレイン刊)
音楽|Hi’Spec

三宅唱は84年生まれで、映画美学校出身。
この人も商業映画ではないところでは評判を聞いていたので、期待していたのだが、
うーん、ヒロインの石橋静河の最初の画から「あれっ」という感じで、
ちょっと違っていた。

石橋の魅力はとらえられているのだけどなぁ、あそこはあんなアップじゃないだろ、あそこは膝から上の絵じゃなくて、フルスケールだろっと。
カサベテスを目指すべきなのに、なりきれいない感じがありあり。
なんだかそういう違和感を抱えたまま、最後まで来ていた感じがする。
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