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2018年09月14日18:22

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8月の。

8月に観たのは『エヴォリューション』『トライアングル』『海底47m』の3本。

●『エヴォリューション』
荒涼とした浜辺。ギリシャぽい白く四角い家々。少年たちとその母親たちだけが住む海辺の村。泳ぎ、母の作る料理を食べ、薬を飲んで昼から眠り、トキドキ病院に入院する日々を送るニコラはある日、海の中で死体を見る。母はそれを否定するが……的な。
食事、薬、眠り、目覚め、入院、注射、開腹して何かを取り出されると云う、繰り返される少年たちの日常。海中の映像。揺れる海藻と海洋生物。ヒトデの一生のサイクルの話。ニコラの描く観覧車の絵。それらは皆、永遠に回転する糸車の如きエンドレスのサイクルを暗示して。グルグル廻る粘液状の悪夢。
母の背中にあるタコの吸盤のような『何か』。夜中浜辺に集まり、泥だらけでのたうち回り、ウニを貪り喰らう母親たち。少年たちの腹から取り出される赤子のような『何か』。それらは真相に結実しそうで、結実しない。タイトルから判断するに、人間のような何かがサイクルを繰り返すコトで進化を体現しようとしてたのか。母親と共に船で村を抜け出し、母親は海に飛び込んで姿を消し、ニコラは独り文明社会に流れ着く。て云うラストも何かを暗示して居そうで、判らないが『出産』てコトバが脳裏をよぎる。
手術室のライトとかにヒトデの、て云うか棘皮動物のか、体構造の五角形モチーフ。脊椎動物と違うその『異形』が海洋生物の象徴として扱われて居たのかも知れない。サイクルの象徴でもあるのかも。
母の作る料理がまた、むちゃくちゃ不味そうなのだよね。べちゃっとした灰色っぽい、伸びきったパスタみたいな、何か。アレにも何か意味があったのかなぁ。海っぽい感じではあったなぁ。海藻っぽい。
セリフも少なく音楽も殆どない、淡々と静かに進行する観念的で不思議な映画。好みではあるかな。かなり。総体的に云えばワケ判らなくはあるのだけれど、そのワケ判らなさと幻想的なフワフワ感が逆に混濁した心地よさをもたらして。薄暗い理科準備室の棚に並ぶホルマリン漬けの標本のような、印象。

●『トライアングル』
荒野に集うカルト的コミュニティで自然主義的生活を送る音信不通だった友人から「奇妙な現象が起きて居る。記録して欲しい」と連絡を受けて現地へ向かう映画制作者3人+音響担当者。彼らが記録した映像……て云うテイで進行するブレアウィッチ的映画。
えー。トライアングルね。少し前に観た海洋遭難モノと同じ題名ですが偶然です関係ありません。ええと、多分。前のは船の名前、今回は集落のカタチから来た呼称ですし。ま『三角形』てだけだしね。
住民へのインタビューからコミュニティの生活を浮き彫りにしてゆく前半。トキドキ具合の悪いヒトが出るくらいで異変と云う異変は見当たらず、排他と友好の狭間でオオムネ穏やかな日々が描写されて。
それが、撮影クルーをコミュニティの仲間として受け入れるイニシエィションの夜から一変するのだけど映画開始からココまで1時間。この映画で本当に撮りたかったのはこの架空のコミュニティの日常なのかもね。イヤ別に不満はないですよそれはそれで面白かったし。僕は多分彼処では暮らせないけれど。
で後半。洞窟から掘り出された恐竜の頭蓋骨。其処に響くキイイイイインて云う異音。頭痛と鼻血でバタバタ倒れる住人たち。そもそもこの地には『夢で呼ばれた』と語る一部のメンバーたち。その夢に出て来た宇宙人だかネイティブアメリカンの精霊だか、どっちとも取れそうなヒトガタの存在。などなど。
そして迎えるハメルンの笛吹きのようなラスト。何だろうなぁ。謎は結局全く解かれるコトなく投げっぱなしジャーマンで映画は終わるのだけどでも悪くないですよ。こう云う感じはなかなか好みです。
アトちっちゃなコトだけどオープニングのタイトルバック。コミュニティへと向かう道中を『連中が記録してる映像』ぽい感じでちゃかちゃかロードムービーぽく流すのだけどアレも好きだった。ですよ。

●『海底47m』
活動的な妹ケイトと地味な姉のリサは仲良く姉妹メキシコ旅行。「退屈な女」と振られたばかりで落ち込むリサをケイトは「はじけよう」てって街へと連れ出し、其処で出会った男たちの誘う非公式のサメウォッチングに参加するコトになるのだが……的な話。
老朽化したケーブルがぶっつり切れて2人を乗せたケージは一気に海底に。船は逃げたのか無線には何の応答もなし。周囲には巨大ザメ。酸素残量もそんなにない。浮上するには5分かけないと潜水病でお陀仏。もちろんサメと戦いつつ。武器なしで。て、この時点で……あれ?コレ無理ゲーじゃね?てなるけどサスガに船は逃げてなかったよ。よかったよ。上からの助けがなければ一休さんでも無理だよねコレ。
リサ。元々の性格プラス船や器具の古さから「やっぱり無理。やめる」て宣言するもケイトに引きずり込まれたこの状況で「わたしはやりたくなかったのに!」とか「ケイトのせいだ!」とか泣きわめくかと思ったらさにあらず、基本的にとてもシッカリしてたので見くびってホントに申し訳なかった。陳謝。
船からの助けは予想通りにサメの餌食になるも引き上げケーブルと水中銃と発煙筒を入手。引き上げ開始するも映画は残り30分。まだ何かあるよね。はい。つってまたもやケーブルが切れて落下して。
……『ケージからの脱出に5分。水中銃でサメを追い払いつつ何とか減圧の5分間を稼いで帰還』かなぁ?水上に出てやった!戻れた!て瞬間にサメアタックで両方若しくはどっちかが喰われるって云う悪夢展開もあり得るなぁ。とか考えてましたけどこう云う展開予想て僕さんあまり当たらないのだよね。
まぁ今回はオオカタ当たってましたけれどラストにもう一段階有ったよ。残酷なオチではあったけど好みの感じではありましたよ。ヒトコトで云えば『酸欠から来る幻覚でした』なのだけれど。2人揃って救出されて船上で安堵して、手から流れる血がモヤァーて空中に広がる辺りで「嗚呼……」て思ったよ。
観終わってみれば存外に好みなタイプの映画。『フローズン』に似てたけど、アレよりも、ずっと。

●●●
月間賞は、うーん、うーん、カナリ迷いつつも今日の気分で『エヴォリューション』。
満足度は3本ほぼ横並び。でもまぁ、映画全体の雰囲気、空気感が一番好きだったのが『エヴォリューション』だった、かなぁ?て感じで。はい。
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