mixiユーザー(id:14248179)

2018年09月13日00:56

177 view

日々是好日 あなたは最近、書店で本を買いましたか?

これは、ある有名な小説の出だし。

山道を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。
情に竿を刺せば流される。
意地を通せば窮屈だ。
兎角、人の世は住みにくい。

ここまでならネットで検索すれば、すぐに作品のタイトルが出てきます。

ここだけを知っていて、作品そのものを知っている気になってませんか?

主人公は何故に山道を登っていたのか?

なぜ、そんな事を考えていたのか?

そもそも、主人公の名前は?

ネットで検索して調べたら正解が出てくるでしょうが、本を手にとって読んでみるのが一番手っ取り早い。

小説「草枕」の最初の2ページには、冒頭の「山道を…」に続いて、作者の夏目漱石の「人間には、なぜ芸術が必要なのか?」という疑問と、彼自身の見解が書かれています。漱石が当時、人間関係に悩まされていたことを伺い知れます。

文章は難しくはないので、書店で見かけたら読んでみてください。所要時間は5分程度。

そして、漱石が考える「芸術に不可欠なもの」がラストの1ページで明かされます。

厚さにして1センチ足らずの薄っぺらな本ですが、何度も読み返しています。


「本」を手軽に買えるという意味では、悲しいかな…、時代の要望に応えた結果でしょうね。

仕方ない…。

その反面

ネットのレビューは、ごくたまに読みますが、小説を「本当に読んでいるの?」と眉に唾をつけたくなる。

最近の小説のレビューは、どこかの有名人が書いた批評の「お決まりの賛辞」を縮小再生産しているようで、本っ当に腹が立つ。

世渡り上手なら「長い物には巻かれろ」と忖度するのでしょうが、狸は不愉快極まりない。

「スタージョンの法則」をご存知か?

「SF小説の99%は、クズである」。

「SF小説」、「小説」全般を「文学」に置き換えても、違和感は無いでしょうね。

一部のファンに賞賛される作品は、芸術に興味のない人には「クズ」同然。

そんな「クズ」を集めたところに、なんの価値があるの?

極論すれば、「書店」や「図書館」の存在意義を問われているんですよ。



狸が以前、書店で見た光景。

今は無い書店で、年上と思われる女性が購入したのは、ジュール・ベルヌの「地底旅行」。

レジにいた店員が「良い本を読んでいますね!」と笑っていました。


おすすめのポップはなくとも、書店員の好みはなんとなくわかります。

レジで本を何気なく差し出した時、「私の好きな作品を選んでくれて、ありがとう!」という表情がとても楽しい



■数字に見る「リアル書店」のいま 都会の有名店舗が閉店、続く苦境
(弁護士ドットコム - 09月12日 10:03)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=149&from=diary&id=5285075
2 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2018年09月>
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30