7月17日(火)
今日は休養日だ。
熟女たちは朝からサファリへ行ってしまった。
10時、ホテルのロビーに残った人が集合した。
わたし、ガイドさん、サファリに行かなかった熟女がひとり。
三人でアルーシャの市内観光をする。
ホテルを出てお散歩だ。
大通りに出ると交通量が多い。
トゥクトゥクやバイタク、それにハイエースを改造したミニバスが騒音を立てて行き交っている。
これらがタンザニアの人たちの主な交通手段だ。
露天市場の中に入ってみた。
食料品やありとあらゆる生活用品が売っている。
ほうれん草やキュウリなどをひとつかみだけ小脇に抱えて声をかけてくる人もいた。
こんなのを売っていて生計が成り立つのだろうか。
道を隔てたところに大きなスーパーマーケットがあった。
入店するときはバッグなど荷物をカウンターに預ける。
売り場は整然としていて、日本でいうとSEIYUのような雰囲気だ。
お客さんもこざっぱりした格好の人ばかり。
どこの世界も格差が激しいのだ。
ミニバスに乗って少し郊外にあるショッピングセンターへ行く。
どこの国でもそうだけどミニバスというのは路線が決まっていて、乗客がいっぱいに集まらないと発車しない。
しばらく待つうちに10人乗りのワゴンに20人ほどのお客さんを乗せて走り出した。
ショッパーズプラザアリューシャというきれいな建物でお買い物をする。
外国人向けのお店が集まっているので、お土産を買う。
となりが美術館になっていた。
タンザニアの現代アートや民族芸術を鑑賞する。
お昼ご飯の時間になった。
もうミニバスは面倒なのでタクシーで移動する。
高級住宅街にあるエチオピア料理のお店に行った。
アフリカでは料理は手掴みで食べる。
だからレストランでは食事前にお湯の入ったヤカンを持ってきてくれる。
そのお湯で手を洗う。
食事が終わってからも、またお湯を持ってきてくれる。
それで汚れた手を洗う。
エチオピアではインジェラというものが主食として食べられているそうだ。
テフというイネ科の穀物を粉にして、水で溶いて発酵させ、鉄板に引いて焼いたものだ。
外見と色はクレープに似ている。
味は発酵食品だけあって酸っぱい。
噛むほどに酸っぱみが増してくる。
普通に食べることはできるけど、毎日これをお米の代わりに主食として食べる気にはならない。
わたしが注文した定食はキャベツの煮物と牛肉の煮込みがおかずについてきた。
こちらは香辛料がきいて美味しかった。
インジェラじゃなくてご飯といっしょだったら、どんなに美味しかっただろう。
次にタクシーに乗って向かったのはメセラニ・スネイクパークだ。
アリューシャ市外の国道沿いにある。
ヘビを集めた小さな動物園だった。
ようするに群馬にあるジャパンスネイクセンターのようなところだ。
タンザニアのヘビがたくさん展示してあった。
係の人が付ききりで解説してくれた。
ヘビの他にも猛禽類やワニもいて楽しいところだった。
スネイクパークのとなりにはマサイミュージアムがある。
マサイ族の民俗風習をジオラマで再現してある。
しかしまあ、きのう本物のマサイ族の村へ行ってきたばかりだ。
あまりインパクトがない。
ミュージアムの建物を出ると、マサイの家がずらりと並んでいる。
ぜんぶお土産屋さんだった。
ふと見ると金持ちそうなタンザニア人の女子が、マサイの民族服を着せてもらって喜んでいる。
地元の人でもこういう服を着るのは珍しい体験なのだろうか。
たしかにマサイ族というのは戸籍もなければ学校にも行けない。
タンザニア人にとっては、同じ国民じゃないのだ。
わたしが見るとどちらもまったく同じ黒人種なのに、なにが違うのだろう。
ホテルに帰る。
サファリに行っていた熟女さんたちが戻ってきた。
「ライオンがいた!キリンがかわいかった!」とはしゃいでいた。
夜になり、全員揃って中国料理の店に行った。
世界中どこへ行っても、それなりに大きな街なら中国料理の店がある。
日本人にとって食べ慣れたものがたくさんあるから便利だ。
最近は日本料理の店もあちこちにある。
アルーシャにもできたそうだ。
でも海外の日本料理店はダメだ。
値段が高い、だけど美味しくない、それに刺し身など生物が心配だ。
ということで、この日の夜はアルーシャの繁華街にある「上海飯店」というお店で飲んで食べた。
明日から三日間はメルー山に登る。
今度こそ登頂しようと決意を新たにしつつ、またビールをしこたま飲む。
(つづく)
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