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2018年08月10日16:39

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7月の。

7月に観たのは『壊れた心』『イングロリアス・バスターズ』『トランスフォーマー/リベンジ』『ネスト』の4本。

●『壊れた心』
フィリピンの裏町でギャングに雇われる殺し屋はゴッドファーザーの愛人を預けられる。共に暮らす中で引かれ合い心を通わせる殺し屋と愛人。それがバレたトキ、2人にはアテも希望もない逃避行しか残って居なかった。……的な感じだと思うんだ。多分。きっと。
生活感にあふれたアジアの裏町で享楽的に過ごす若者たち。そして彼らが存在しないかのように日常を送る普通の人々。セリフの殆どない観念的な映像。登場人物の喋るコトバは鳥のさえずりのように甲高く何処か儚げに響き拡散し。全体的に夢の中のような世界の中、歌の翻訳だけシッカリと字幕が入る。
コレ多分だけどストーリィを期待してみる映画じゃないな。まぁ最低限の流れは充分掴めるからそれで一向に構わないのだけど。殺し屋と愛人を逃がしゴッドファーザーに殺される娼婦、その亡骸を抱き締める殺し屋の友人、この辺りで『もう誰1人救われない破滅しか待ってない』てのは誰でも判るしね。
上下反転した街の夜景とか、馬のマスクの男と悪魔の羽の女とか、好み。まぁ、雰囲気映画かも知れないけれど、でも割かし好きなタイプでしたよ。ちょとヴィム・ヴェンダースぽいかな。ちょとだけ。
蝶の模様の硝子だかレースだかの向こうで1人づつ歩み出て来て『愛人』とか『殺し屋』とかキャプションが入るオープニング、面白いし判りやすいな。ラストも好み。ギター構え裏町を歩く馬の面を被った半裸の男、モノクロ映像、「全部壊れてる」みたいな歌、それは死んで街を彷徨う姿のようで。

●『イングロリアス・バスターズ』
ユダヤ人狩りで家族を虐殺され、ただ1人生き残った娘はナチへの復讐を誓う。アパッチ率いる米軍特殊部隊は『ナチどもをブチ殺し頭の皮を剥ぐ』ために占領下のフランスに潜入する。ナチは国威発揚のプレミアム上映会を企画する。そんなん。
ええと。特殊部隊所属の『ユダヤの熊』ことドニーがですね、バットで壁を叩きながらトンネルの闇を裂いてタンクトップ姿で登場した時点でもうマトモな映画じゃないのはハッキリ判るので大丈夫です。
『ワルキューレ』『白バラの祈り』を観たアトに残った虚しさとやるせなさを思い起こす。そして軽々と史実を無視し、やりたいように突っ走る本作を思う。両方とも映画。両方とも正解。だけどこの荒唐無稽さと痛快さは、無軌道なイキオイ任せのやりたい放題なようで居て、骨太な信念を感じるのです。「だってこうじゃないとスッキリしないでしょ?」て云うタランティーノの声が聞こえて来るようだ。
バスターズの野卑さとイカレ具合に比してナチ高官たちの、まぁこう云っていいかは判らないのだけれど、エレガントさが印象に残る。ナチ側の主役ランダ大佐、そして途中の飲み屋で出て来た少佐。単純に冷酷無比な悪役ではなく、理知的で物腰柔らかく、ジョークを解し風雅を好む紳士的な蛇のような男たち。冒頭、泣きながら逃げるショシャナに一度銃を向けながら「いいか」と見逃すランダ大佐。情からではないであろうその行動原理は彼のキャラに深みを与え。下っ端もそれぞれ人間的なのですよ。上官が情報提供を拒み殴り殺されたアト、ためらうコトなく地図を差しぺらぺら情報を吐く兵士とか笑ったな。
アト、相変わらずパルプマガジンぽい演出が光る。『ゲッベルス・第三帝国ナンバー2』とか、登場と同時にバーンとテロップが出るからね。判りやすいコト夥しいですよ?こう云うチープさ、好き。

●『トランスフォーマー/リベンジ』
ロボットがいろんな機械に擬態して居る世界。悪いロボット陣営は太陽を破壊してエネルギィにする機械の鍵を探して居る。でいいロボット陣営+人間はその鍵を使えば前作で死んだリーダーを甦らせられるのでやぱ鍵を探してる。畢竟、争奪戦勃発。みたいな。
TVでやってたから見たけど全編ドカーンバカーン、あとカシャカシャキュインばっかであんま特筆するモノはないっすね。まぁそう云う映画だからそれでいいのだろうね。それが観たいヒトが観るのだろうし。僕さん前作までの流れを観てないのだけれど多分、多分だけどそれで何の支障もないのだと思う。
時代に合わせて『化ける対象』も例えばフォードT型からスポーツカーへ、みたくモードチェンジつか革新してってるのはちょと面白かったかな。まぁ云われてみればそうしないとダメなのだよね。擬態者としては。それと、ええと何だっけ?博物館に展示されてたステルス機?だっけ?に擬態してた頑固おじいちゃんぽいロボットが面白かったな。粗野だけどまぁ味方。アイツちょと好きだったな。以上。

●『ネスト』
妻と離婚して姉と弟、2人の子供を連れて田舎に越して来た父親。母親を失い不安定な姉は敷地の外れにある大きな塚に入り浸るようになる。泥だらけの足跡、惨殺され喰われた飼い猫、姉の変貌、彼女が持ち込んだ不気味な藁人形。此所には何かが居る……そんなん。
まぁ面白かったかな。離婚、不安定な思春期の娘、怯える幼子、混乱しつつも家族を守ろうとする主人公、家に巣喰う謎の存在……て云うホラー定番のファクタをそつなく、割かし丁寧に料理してる感じで好感は持てる。生還か全滅かどっちなん?て云う、どっちとも取れる宙ぶらりんなオチも好み。このテのアレにしては少し斬新かもだけど。『遊星からの物体X』ぽいかな。オチの空気がね。少しだけね。
のだけど『ケビン・コスナー30周年記念作品』がコレで良かったの?て云う思いは拭えないな。まぁ繰り返すけれど映画としちゃ悪くはないのよ。そしてホラーが記念作品でもいいんだけど。モチロン。
教授がもう少し役に立つかと思ったら、少なくともプラマイ関係なくもう少しストーリィに絡むかと思ったら、塚の説明しただけで殆ど空気だったな。単に主人公の行動を中途半端に阻害する道具だったね。彼と助手がもっとガッツリ噛んで来ればまた流れは少し変わったのかも。コメディ化するかもだけど。
コメディて云えば。映画開始してホントすぐ、姉の部屋の窓の外の屋根にイキナリ『彼ら』が現れて、姉に気付かれないように四つん這いでゴキブリみたくカサカサと這い去ってったのは何か笑って仕舞ったな。アレもう少し何とかなったんじゃ……。彼らをイマイチ怖く思えなかったのは多分アレが原因。其処まで狙ってのあの描写でしたらもう恐れ入るしかないのだけれど。哀れな存在でもあったのでね。
「家を出ても無駄。父親なら自分の手で娘を始末しろ」と迫る、家の売り主が印象に残る。精神のバランスを崩してるように見えるのだけど、そして実際その通りなのかも知れないけどでも……的な凄み。
姉。『パンズ・ラビリンス』のヒトでしたのね。どっかで見たコトある顔だとは。そんなんばっか。

●●●
月間賞は少し迷いつつも『壊れた心』に。
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