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2018年07月18日19:11

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鈴木晴信@福岡博物館

浮世絵の鈴木晴信を観に行く。
浮世絵もいろんな作家がいるが、
晴信、好きなんだよなあ。

北斎や広重も良いんだけど、
大家の複雑さと無縁な、軽やかさが好きなのだ。

色は黄色。
色彩感覚の素朴さが良い。
などと思ってたら、
(作品の保存状態がいいんだな)白が美しい。
しかも凹凸だけで表現とか、なかなか。

多色刷りの創始者なんだけど、
まだ大量販売の時代の前で、
使っている紙が贅沢。
紙が厚く、デコボコだけで、表現ができる。
いやあ、きれいです。

ボストン美術館の館長さんが語っていたが、
「晴信は幸福な作家だった」
いろいろ、紙や絵の具で実験しながら、
楽しく錦絵の世界を作り出していった。

「見立絵」というのがあって(けっこうたくさん)
館長さんはパロディと言ってたが、
例えば平家物語。
壇ノ浦の海戦で、平家の女官が扇子を船にかざし、
「当ててみろ」と挑発したのを、
源氏の那須与一が矢で打ち抜く、というシーンがある。

見立絵。
船の上で江戸のお姉さんが扇子を広げて立っている。
岸辺には、扇子に貼る紙の行商の箱を後ろに置いた、江戸のお兄さん。
矢を打つ準備をしている、
が、矢の先には恋文がくくりつけられている。
お兄さんの後ろにはナス畑。
(ナスノヨイチ・クイズのヒント)

今回は来てないけれど、
江戸のお姉さんたちが洗濯物を干す風景。
画面の上に和歌、
「はるすぎてなつきにけらし、しろたえのころもほすてうあめのかぐやま」

絵に書き込まれた和歌が、きちんと解説版に載ってたのが良かったな。
かなり読めるようになったとはいえ、まだまだ未熟。
後半はしっかり疲れてしまった。
字を読み解くのと、
歌の意味を読み解くのと、
そこから「ずらし技」をかけてくる絵の意味を読み解くのと・・・

しかし、ここは幸福な世界だ。
楽しげな謎かけと、
それを無視しても楽しめる美しい色と、
美しい江戸のお姉さんと、
(お兄さんもお姉さんも見分けがつかんので、
 下手をすると衆道に走るかもだな)

ーーーーーーー

おまけで開催されてた、妖怪画幽霊画。
妖怪画はまあまあ楽しめる。
「百鬼夜行図」は力量が無いが、
ヘボイ音で懐メロな感じ。
若冲もあるけど、う〜ん、
まあ、一見の価値はあり。
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