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2018年07月01日01:54

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高度専門職を労働時間規制の対象から外すのは当たり前

ホワイトカラーの報酬は時間給ではなく成果で測るものなので、残業代はない。

1千万の売上の成果を出すために、どれだけの時間と人手(自分自身以外の指揮下のブルーカラーの分も含み)を遣ったのかまで勘案して、ホワイトカラーの報酬は決まる。

だから顧客から1千万取れるだけのコンテンツを作成するにあたり、それを自分が指揮するチームで作成したなら、部下に余分な残業はさせずに計画(予算)通りに無駄なくブレなくやれば、売上に占める利益が増えるので、利益が出ていればその案件を仕切ったホワイトカラーの報酬に反映される。

1千万のコンテンツを自分一人だけで作るならば、並みの技術の人が一か月の工期で200時間労働で作ろうと、腕の良い技術者が100時間で作ろうと、売上は顧客と約束した1千万のままだが、当然ながら腕が良い人が短時間で作成した方が利幅は大きい。

高度専門職(ホワイトカラー)の報酬とはそういう理屈で決まるので、勤務時間が長かったから残業代たくさん払ってくれという話にはならないし、その案件をこなすのにどれだけの工期と人数がいるのかを見積もるところからホワイトカラーの仕事は始まっているので、見積もり失敗して炎上したなら、ホワイトカラー自身が手を動かしてリカバリーするしかない。



しかしながら問題になるのは、日本のオフィスにいるのはYシャツを着たブルーカラーが大半であり、実際にはホワイトカラーはほとんどいないということ。

日本の人事システムは新卒一括採用年功序列のところが多いので、ホワイトカラーとしての適性と実力があるからプロジェクトマネージャーや現場主任になっているというわけではなく、誰かしら正社員が名目上の管理職にならないといけないから順送りのポストで役がついていますというだけの人の方が多数派なのが現状。

そういう名ばかりホワイトカラーであった場合は、高度専門職を労働時間規制の対象から外すとされたら残業代の踏み倒しのような結果にはなるだろう。まぁ野党や労組が言うところの定額働かせ放題というヤツだ。

性質の悪い会社だと、残業代踏み倒しのために入社2年目の若造にもどんどん役をつける。課長代理次席とか副主任補佐とかの、何のポジションか意味不明の肩書が名刺に入っている。



高プロ制問題の根底には、そもそも日本企業は実績の評価をまともにやっておらず、月々の勤務時間と勤続年数で機械的に算出しているだけの年功序列をやっているのが大きな問題。

この方式のメリットは、いったん新卒で就職したら原則的に定年まで辞めない前提だと雇用側の労務管理コストが低く抑えられ、熟練者の同業他社への移籍を抑止出来る点。

逆にデメリットとしては、要領よくサボる高年次社員が多いと生産性が下がり、現場のモチベーションも大きく下がること。
そして会社がブラックだと分かっていても、労働者はなかなか転職に踏み切れないこと。

この移り変わりの激しい時代、新卒一括採用年功序列体系は既に破綻している。大卒時の景気の善し悪しに、雇用側も労働者側もやたらと左右される新卒一括採用は、受給ミスマッチが酷くて大変非効率になるし、いったん不景気時に新卒採用を絞ると、その世代はその先ずっと手薄なままで人員を補充できない。



日本企業の大半が新卒一括採用年功序列体系を維持するならば、高プロ制を悪用して名ばかりホワイトカラーをやるブラック企業があっても、労働者は転職出来ない。新卒以外にはほとんどチャンスがなく、基本給≒勤続年数だと転職したら損だから。

働き方改革を進めるなら、新卒一括採用年功序列を廃止するにはどうするかまで踏み込んで行かないといけないのだが、この部分は近隣国まで含めた東アジア圏の伝統文化なので、政府も官僚も企業も労働者自身も変えられないと思う。
野党や労組も枠組みそのものは現状維持で、ベースアップだけ要求してくる。ぶっちゃけ言って最も働き方を改革されたくないのは、労組と労組票を票田とする野党ではないかと思う。

高プロに該当する会社員はごく少数しかいないから、本当に法令通りにやるなら問題にはならないのだが、危険なのは名ばかりホワイトカラーを悪用する企業が増えないかという点。

やっている仕事内容も権限もブルーカラーそのものなのに、着ているのがYシャツというだけで「キミはホワイトカラーだから残業代はないよ♪」と言ってくる企業が増えないかということ。日本のオフィスにホワイトカラーはほとんど居ない。


■働き方改革法「過労死防止と矛盾」=遺族ら、成立に憤り
(時事通信社 - 06月29日 19:30)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=5178495
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