稔の屋敷/居間/夜/星空
稔「……おや、赤い月も顔を引っ込めたようだね。」
ツ「…うぅ……どうにも苦手です。」
ス「何か嫌な事でもあったのかしら?」
ツ「……特に記憶にはないのですが……。」
ち「……ふん。」
稔「…心当たりでも?」
ち「いんや? 誰でも気持ち悪ィだろ? 好きだって言う偏屈も居るだろうけどよ。」
ス「確かに、そうかも知れませんね。」
稔「まぁ、引っ込んだのだから良いだろう。スケア、皆の酒を用意して呉れ給えよ。」
ス「ええ。了解致しました。夕飯も済みましたし、明日はお二人ともお休みでしたね。ごゆっくりなさって下さい。」
稔「ああ、有難う。ツバキ、スケアを手伝ってやって呉れ。」
ツ「はいなー。さぁさ、母様母様、今夜は何に致しましょう?」
ス「…ツバキは呑み過ぎないように、ね? この前の事を忘れたの?」
ツ「……はーぃ。」
ち「ふん。良いだろ、少しなら。」
稔「……君でも気を使うのだねぇ?」
ち「……言っとくがてめェのその台詞は何百回も聞いたからな?」
ス「ふふっ、ちび虎が気を使うと面白いわね。今夜は? ウィスキーにする?」
ツ「兄様の気分はきっと……あえての焼酎だとツバキは愚考致します!」
ち「ん。正解。水割り……ぁ、おい、レモンと炭酸水があっただろ、持って来て呉れ。」
ツ「はいなー!」
稔「成程、僕もそれで良いな。」
ツ「じゃあ皆お揃いですねー♪ 直ぐにご用意いたします! 母様も座ってて下さいな!」
ス「くすっ、ええ、そうするわ。お願いするわね。」
ち「……。」
稔「…まぁ、ツバキが居れば此処は幸せだろうね?」
ち「…うっせぇ。」
そんな。多分誰にでも勝つちび虎君はツバキにだけ勝てません。
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