二大怪獣東京を襲撃

今年も夏の繁忙期。働き方とか色々変えたおかげで、なんとか毎日21：00程度までの残業で済んでる。それでもひどく疲れるのは歳をとって体力が衰えたということかな。


・レディ・プレーヤー・ワン




世界一の映画監督、スティーブン・スピルバーグの最新作。
ネタバレ厳禁案件なので多くは語らない。上の予告を見て少しでも興味を持ったら是非見て欲しい。もうほとんど上映終了してる？　すぐにレンタル始まるから！
映像の奔流、止まらないエンターテイメント、膨大な「有名キャラクター」たちの夢の共演、過去作品への多大なリスペクト、でありながら中核はそれらに頼らず、作品に詳しくない者でも十分に楽しめる懐の深さと裾野の広さ。作品内に込められた尊いテーマ。
決して完璧な映画ではないし粗もある(第一の試練とか、何年もやってあれに気付いた奴いないとかないだろ)けど映画館の大画面で観られて本当に幸せだった。注目のガンダムもデロリアンもガッツリ活躍するよ！　余談だけど、あのガンダムのシーンは、原作ではガンダムじゃなく自分が大好きなあのキャラクターだったらしいので、ホントそっちのバージョンも見たかった…
前述のとおり、映画やキャラクターに詳しくない人でも安心の面白さだけど、「シャイニング」だけは観ておくともっと楽しめるよ！


・パシフィック・リム　アップライジング



まず大好きだった前作「パシフィック・リム」のほとんど唯一といってい不満点「戦闘が夜間や暗闇が多くて見づらい」が解消されていたことに感謝。明るくなったことでCGの粗が目立つようなこともなく、より洗練された真昼間からイェーガーたちとKAIJUあるいはイェーガー同士のガチバトルを思う存分堪能できます。前作に比べアクションの重量感が無くなり軽くなってしまったという意見が多いけど、個人的にはそこまで軽くは感じませんでした。批判の多いイェーガー起動、戦闘開始までのシークエンスの細かさの欠如も、前作で存分に見せたものを再現するよりテンポの良さを取ったのかなという印象。特にロボットもの初心者にとっては前作よりとっつきやすくなってると思います。前作を見ていること前提のストーリーやキャラたちなので矛盾してますが。

前作から大幅かつ正統派なパワーアップを遂げたジプシー・アベンジャーをはじめイェーガーたちは明るい画面に合わせたのか皆スタイリッシュ化しており、前作のチェルノ・アルファのような無骨不器用なタイプがいなかったのは少し寂しいけど、それぞれ個性的な武装でそこそこ活躍してくれるのも嬉しい。小型イェーガー、スクラッパーの可愛さと機動性もいいけど、ブレーサー・フェニックスの「前後をカバーできる腹部機関砲」が特にお気に入り。予告で観て不安になっていた「イェーガー同士のバトル」も楽しく、対KAIJU戦とは違う趣でバトルのワンパターン化を防いでいた印象。

ストーリーはこの手の映画らしくそんなに複雑ではないけどもまあまあ捻られており、ミスリード効いていた。といっても後から思い出すと「いやいや、ないないそれはない」と思わせるような無理のある展開も多い。観ているうちは気にならないのでいいけど。
逆に登場人物たちはジェイクとアマーラ(この2人のバックボーンも前作とほとんど変わらないのであまり目新しさは感じられないんですけどね)以外のパイロットたちに魅力が乏しく、重要人物と思っていたマックス・チャンは壮絶に消費され、相棒になると予想されたスコット・イーストウッドは脇役の域を出ず、日本人注目の新田真剣祐も大して目立たず(バイオのローラに比べれば破格の扱いではある)雑に処理されたマコさんも含め全体的にややおざなりな印象。前作続投組ではおいしすぎる役割を担ったニュート、今作キャラでは主演2人を除けばジン・ティエン演じる(この人怪獣と闘ってばっかりだな)女社長が存在感を示していました。
自分は前作と同じくらい好きなんだけど、コアなロボットファンにはディテールが物足りず、興味のない人はそもそも観に行かないという、結局自分のような「そんなに詳しくもこだわりも無いそこそこのアクション・怪獣映画好き」というひどく狭いターゲットにのみ受ける作品になってしまったのかな。
前作に比べて外連味やマニア向けの癖がなくなり、巨大ロボットと大怪獣が青空の下でガンガン殴り合うのはそれだけで眼福なので、派手な映画好きな人は是非見て欲しいです。最終決戦の地が富士山だったり、東京での総力戦など製作陣の日本への愛情もハンパなく(前作同様に描写がおかしいのはわざとだと信じる)世界のどこの国の人たちより日本人が一番観るべきだと思うので。
そうそう、Wikipediaにはストーリーのラストまでがっつり記載されてるので気を付けて！