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2018年06月12日16:09

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5月の。

5月に観たのは『トライアングル』『ザ・メッセージ 地球侵略』『パッセンジャー』の3本。

●『トライアングル』
グレッグの招きで、彼の友人4人と共にヨット『トライアングル号』のクルーズに参加したジェス。沖に出たヨットは突然の嵐に遭遇し転覆、漂う彼らは大きな客船に出会う。その船には乗員も乗客も誰1人乗って居なかったが、誰かが居る気配はあり……的な話。
その客船『アイオロス号』にただ1人居た『謎の敵』に次々と殺されてく彼ら。ジェイソン的な凡百のパニックホラーになりがちなのだけれどコレはもう一捻りしてあって、この一捻りが個人的に割かし好み、ツボなのでした。まぁネタバレを恐れずヒトコトで云うならば『ループ系』なのだけれどもね。
舞台である無人客船の名前『アイオロス』はオデュッセイアに出て来る風の神、そしてシーシュポスの父親。ジェスには発達障害の息子が居て、家を一緒に出たがクルーズには連れて来て居ず、その理由も何処か曖昧で不安げで。そしてジェスはこの船に来たコトがあるような気がして居て、無人の廊下にはジェスの家の鍵が落ちて居る。そして1人生き残ったジェスが『敵』と対峙し……はいはい。みたいなね。
正直云うと途中で何となく予想は立つのだけれど描写の不気味さと細かさ、そして緊迫感が持続するおかげでダレるコトなく突っ走って観て仕舞えるし、真相が突きつけられたトキにはカタルシスだってちゃんとある。まぁ、この辺は好みの問題もあるのだろうけれど、うん、僕には充分面白かったですよ。
嵐で流されて早々に退場して仕舞うヘザーが何のために居るキャラクタなのかがよく判らなかったな。廊下に落ちてたジェスの鍵や何かに対するミスリーディングの道具ではあるのだけれど、それだけ?息子のトミーは同様に殆ど出て来ない存在でありながら、ジェスの行動原理になってるのだけれどもね。
サリーが死んで居た場所の描写が、好き。無数のサリーと、そしてカモメ。排水口の中に無数に溜まっているジェスのロケットもドキリとする。アト音飛びしてるレコードとか、やたら鏡に映るジェスの姿とか、そう云う象徴的な『イメェジ』がケッコウ印象に残る。うん。ケッコウ好きな部類の映画でした。

●『ザ・メッセージ 地球侵略』
不仲だった母の死によって久々に妹レベッカと再会したアビーは、婚約者カルヴィンを伴って3人で別荘を訪れる。ココは昔レベッカの誘拐事件が起きた場所であり、彼らは森の中で何かが墜落したようなアトと、黒い球体を発見する。そんな感じ。
まぁ。こんなタイトルの映画選んどいて文句云うなって感じですがそんでも何かしら有ると思ったんですよ光るモノがヒトッカケラくらいはね。鑑賞後、あまりの志の低さに感動すら覚えましたよ。これ以上犠牲者が出ないように店頭のディスク全部叩き割ろうかと思いましたよ。思っただけですけれど。
独自に捻った部分が全くない。コレは映画じゃない。UFOフォークロアの紹介番組だね。かてて加えて会話や話運びのテンポも最悪。主人公も基本イライラしてるかメソメソしてるかのどちらかで鬱陶しいし。トドメに宇宙人ね。見たヒトが『おぞましい』て震える彼らの造形たるやチープな食玩の方がマシなレベルで、緊迫感も何もなく「やあ」て感じにひょこひょこ顔を出すし。実家の父親かお前は。以上。
こう云うさー、『エリア52』とかさー、タイトルからしてC級以下確実な映画をトキドキ観たくなる病は何なのでしょう。いっかな治癒せず思い出したように再発してはガックリしてるのですけれど。
あぁ。まぁ。母親の遺骨を抱いたアビーが「はっ。コレが12年ぶりの抱擁なんて」て吐き捨てる、そのセリフだけはちょとだけよかったかな。云い方もあったのだろうけど少しだけ、印象に残った。

●『パッセンジャー』
恒星間移民船を襲った小惑星との衝突事故で管理システムがバグり、ジム1人だけ人工冬眠から起こされて仕舞う。冬眠には戻れない。皆が目覚めるのは90年後。孤独と絶望に耐えかねたジムはライブラリ映像で惹かれた女性オーロラを起こして仕舞う。的な。
船内AIは想定された杓子定規な会話しか出来ない。乗員冬眠エリアへの立ち入りは制限されて居る。船の持ち主のホームステッド社へのSOSメールは往復70年以上掛かる。この状況で彼女を起こしたジムを、僕は責めるコトは出来ないな。むしろ1年よく我慢したよ。そのオーロラ。名前から明白なように『眠れる森の美女』なのだよね。まぁ、起こされてからがメインだったのだけれど。「理想に囚われてしまうとすべきコトを見失う」て云うバーテンAIのコトバ。人生て結構こんなモンなのかもね。
で。で。ええとね。この映画の最大のダメダメポイントなのですが、話がかなりシンプルで判りやすいので先の展開が早々に読めて仕舞ったコト。減退した観る気を奮い起こすのに結構体力を使ったな。
映像が綺麗で描写がSF的にリアルで細かいので見てて楽しかったのだけど、それだけに設定のガバガバさが目立ったな。トラブルに備えて船員を起こし、また冬眠に入れるシステムくらい積んでないのかとか。5000人乗ってる船に医療ポッドひとつだけってあり得ないだろう壊れたらどうすんだよとか。
ジムの贖罪を形成する『オーロラに対しての自己犠牲』と、そもそもの罪を正当化する『オーロラの協力があってカタストロフを止められた』て云う2点を成立させるために歪みが出てる感じは受けたな。
えーと少し誉めとこう。ヒトの顔を覚えるのが苦手な僕にはストレスフリーな映画ではありました。何せメイン登場人物2人だからね。幾ら僕がポンコツでも男女の見分けくらい付きますよ。はは。
あとバーテンのアーサー。彼もAIであり、基本的に想定された会話のレールから逸脱はしないのだけど職業柄、多少は洒脱で融通が利く。『ジムの罪をオーロラにバラす』て云うやらかしはしたけれど、て一応弁護しとくとジムのコトバを受けてのコトなのよ?愛すべきキャラで何となく好きでした。以上。

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月間賞は『トライアングル』に。
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