本日私は映画「暁の出撃」を見る日です。
第二次世界大戦中の1943年の本日、5月17日に実行された、チャスタイズ作戦。
イギリス空軍第617飛行中隊が、ドイツ工業地帯のダムを破壊した作戦です。
「反跳爆弾」や高度なテクニックが必要とされ、作戦後、部隊は「ダムバスターズ」
と呼ばれるようになる位の有名な作戦です。
映画「暁の出撃」はその全容を映画化したものです。
研究当初、10トン爆弾を高度12,000mから投下の予定でしたが
10トンもの爆弾を搭載してドイツまで飛べる爆撃機が当時はありませんでした。
そうなるとダムに爆弾を直撃させなければ破壊は難しく、
水中防御のネットを避けるために爆弾が水面を水切りによって飛び跳ねた後に
ダムに着弾、水中に沈んでから爆発させる事で
強固なダムの至近距離で爆発、破壊すると言う訳です。
作戦はダムの水位が一番高い5月とされ、
標的はルール工業地帯のメーネ・ダム、ゾルペ・ダム、エーデル・ダム。
タイプ464臨時改造アブロ ランカスターMk.IIIで構成された中隊は、3個梯団に再編成。
第1波はメーネ・ダムへの攻撃後、残りの爆弾でエーデル・ダムを攻撃。
第2波はゾルペ・ダムを攻撃。
第3編隊は予備兵力で小型ダムを破壊する事に。
第1目標のメーネ・ダムは1機が損傷を与え、2機が大打撃で決壊させ、
続くエーデル・ダム周辺は深い霧でしたが2機が爆撃成功。
この作戦で、搭乗員133名中53名が死亡し、3名が捕虜に。
第617飛行中隊は爆撃のスペシャリストとして維持され、現在も中隊は活躍中です。
決壊したダムから、3億3千万トンの水が下流のルール峡谷一帯に流れ出し、
ダム下流域80kmに渡り水害を引き起こします。
死者1200名あまり、家畜6000頭が死に、橋は25個流失、
軍需工場は100箇所以上が操業停止、農業にも大打撃を与えます。
華々しい戦果の中、部隊の半数を失う訳ですが、超エリート部隊でもこんな損害です。
通常の爆撃では10%も失うと、
アメリカ軍ですら10回爆撃すれば部隊が編成できなくなるような損害です。
この戦果と53名のスペシャリストとの天秤は難しいですが、
プロパガンダの面、ドイツが防御を内陸部にまで拡げなくてはいけなくなった事を
併せて勘案すると成功だったのでしょう。
行かされた方はたまりませんが。
ログインしてコメントを確認・投稿する