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2018年05月09日14:06

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4月の。

4月に観たのは『コンテイジョン』『私が、生きる肌』『ザ・ウォード 監禁病棟』の3本。

●『コンテイジョン』
急速に死に至る新種の感染症が発生、瞬く間に世界規模での深刻な流行拡大を引き起こす。混乱し麻痺してゆく社会の中で治療法を探る研究者グループを主軸に、市民も交えた群像劇のカタチで流行の収束までをストイックに描く硬派なパンデミックもの。
この病で妻を失い、必死で娘を守ろうとする市民エムホフ。ストイックで使命感あふれる研究者チーヴァー。自己の利益と名声のためデマを拡散するフリー記者アラン。辺りが中心かな。「自分たちの救済順位は下の方」と云い、それを少しでも押し上げるため拉致事件を起こす香港の研究者も印象に残る。
アランに扇動されデモや暴動が広がってゆく構図には薄ら寒さを覚える。作中でも云われて居るようにウィルスよりパニックの方がずっと怖い。結局アランは捕まるがシンパが金を払い保釈される。まぁ裁判で『彼が何をしたか』は白日に晒されるだろうけれどそれでも信じる人は信じ続けるのだろうね。
チーヴァーもやはり身近なヒトは大事なんだよ。パニックを抑える為に情報統制しつつも、身内には情報を漏らして仕舞う。それをアランに突かれて仕舞うのだけれどまぁ、立場を離れた1人の人間としては理解出来るって云うか。そしてラストで作業員ロジャーの小さな息子に自分のワクチンをこっそり回すのだけれど、アレでチーヴァーが発症したらめちゃめちゃ面倒なコトになるよね。てちょと思った。
リアルな描写を積み重ね、徒にドラマティックに走るコトなく冷静にシミュレィトしてゆく姿勢には好感が持てる。『2日目』から時系列に沿って丹念に描写を重ね、最後に1日目に戻る構成も好み。

●『私が、生きる肌』
人工皮膚の研究者である医師。彼の自宅2階に監禁され、皮膚移植を受けて居る肌色ボディスーツの女。彼女は『似ている』と云う使用人。「私はあなたの創造物」と云う女のコトバ。焼死した彼の妻の存在。彼女の正体は。そして医師の目的は。そんなん。
残り15分になってもどうやってこの話を締めるのかって云うか着地点って云うか、『何処に向かってる話なのか?』が判らなかったな。それは映画としては大成功なのだろうね。「面白かった?」て訊かれたら迷いなく肯定しますもの。うん。とても面白かったですよ。それは間違いない。……でもね。
最後まで観てもロベルの動機が今ひとつ、判るようで判らないのです。まぁ妻が浮気相手と事故って全身ケロイドになり自殺、それを見て仕舞った娘は精神を病み、男に強引に迫られたせいで完全に壊れてやぱ自殺じゃあ彼自身も壊れても無理ないのだけれど、それでもね。『復讐』と『妻の復活』のコラボ?
妻を復活させるならさせるで最初から普通に○○を使えばいいじゃん。て思ったけどまぁ何の罪もないヒトを……てのはやぱムリだったのかな。彼の良心?それともあいつを使うコトに意味があったの?
そして。ベラは自分がベラであることを受け入れてたのかな?マリリアはベラを排除したがってたのだし、逃げようと思えば幾らもチャンスはあったよね。新聞を見るまでは受け入れていたのだろうか?
とまぁいろんなコトを考えつつも、あまり観たコトないタイプの映画で、うん、印象に残りましたよ。何か知らんけど大昔に観た『アタメ』を思い起こさせる空気感だな−。て観ながら思ってたのだけれど、調べたら同じ監督さんなのね。道理で。そう云や両方ともアントニオ・バンデラスが監禁する話だ。

●『ザ・ウォード 監禁病棟』
放火で捕まった記憶喪失のクリステン。収容された精神病院の監禁病棟には他に4人の収容者。たびたび目撃される『もう1人の人影』。消えてゆく収容者。彼女たちが隠し、怯える『アリス』の存在。クリステンは病棟からの脱出を試みるが……。的な。
殺された女の亡霊による復讐譚……て思わせといて実は○○○○、てのは好みの展開なのにも関わらず終盤、種明かしの数分前まで読めなかった。少し悔しい。てのは展開のさせ方が巧みだったのだね。てコトにしときます。雰囲気や描写はまるっとストレィトなゴースト系ホラーだったしね。昔の、拷問としか思えない『精神治療』電気ショック療法とかロボトミーとかね、出て来るしね。其処らは上手かった。
まぁ。何か変だとは思ってたのですよ。看護人も医師も何か「あなたたちもおかしくないですか?」的な感じだし、監禁病棟にしては薬の管理とかグダグダだよね?とか、観ながら思ってたのよ。違和感や「アレ何だったん?」みたいなのがね。パラパラとね。で判ってから思い返してみると全て腑に落ちる。
正直とても好きなタイプの映画でした。ただラストのショックは少し余計だったかな。『まだ治ってないよ』て明示したかったのかも、知れないけどそれにしてももう少し、匂わすだけに留めて欲しかった。『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』の残念感を思い出した。それやったら凡百のホラーになっちゃうよって云う。まぁ、コレは映画の出来不出来とは関係ない、個人的な好みの問題なのだけれどもね。

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月間賞は、月間賞は、うーん、迷うけど今の気分なら『ザ・ウォード 監禁病棟』かなぁ。
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