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2018年05月09日08:01

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日本海のブリ 太平洋のカンパチ

ブリは日本海で捕れるが美味しく、カンパチはやはり太平洋、らしい。漁港近くの定食屋でとあるフォトグラファーが語っていた。両方とも同じ魚をさすのだがいわゆる出世魚。カンパチが大きくなるとブリになる。昼間っから舟盛り定食を喰らっているその恰幅のよいお兄さん他、その会食を共にした人々と理由を討議した結果、「エサがいいからだろう」ということになった。つまり日本海は女体でいう熟女が育つエサが豊富で、カンパチは早熟する環境が整っている。ちなみに自分は生しらす生桜海老丼を喰らっていた。

一ヶ月の大部分を漁港近くで生活している。以前はとある共同生活施設で生活していたのだが、そんなロケーションもあり、施設メイトは漁業関係者が多かった。船長さんやら、水揚げをアテンドする会社員やら。その手の水回りのひとびと、共同作業を営みながら鉄板一枚で荒波に命をさらしているだけあり、人間関係を大事にし、普段から「これ一杯捕れたので」「これもらっちゃって喰らいきれないので」と物のお裾分け、やりとりをする。件の施設で生活している時は、そのおこぼれにあずかることが多かった。

生しらす。といえば本当に生しらすで(一度凍結したものを解かして生ですという類いではない)、しかもちょっとした今夜の惣菜を購入した場合に渡されるスーパーのレジ袋くらいにパンパンにいただける。まずは大変有り難い話。とはいえ、それを施設の食堂で分けて食べるのだが、その場所に常時顔を出すのは自分を含め3名くらい。かなり無理をして喰らうのだが、そんなに喰えるものでもない。そのうえ、もらってくる漁業関連の連中というのは、しょっちゅう食べているので、必然的に自分の割当が多くなる。喰い切れず、漁業関係者がもらってきて、食堂に鎮座している業務用冷凍庫にぶち込むことになるのだが、あまりに溜まりすぎて、残念ながら捨てることも多かった。

捨てる、といっても、カチカチに凍っているので、いちいち解凍せねばならないのだが、なにぶん量も多いためめんどくさい。結局、庫内から引っぱがし、庭に穴を掘ってそこに埋めていった。かなりもったいない話。だがどうせ食べないそれらを凍らせておくため石油を燃やして作った電気をダラダラ使うというのも如何なものか。ということで何しろ捨てた。しばらくそんなことを続けていくウチ、その捨てた場所から植物が生えてくることがあった。まあ昔は乾燥させた鰯なんかを農業用の肥料につかっていたのだから、栄養はあるのだろう。ちなみにその生えてくる植物というのが、よくわからない、まわりに生えているものとは明らかに違うナゾの植物だった。草というよりちゃんと幹のある樹木。木をまじまじと見たりしたことがないのだが、その成長スピードは速かっった。そのうち実をつけるんじゃないか?どんな実だろう?それは喰えるのか?などと楽しみにしていた矢先、その施設の解体が決定。結局、建物ととともに、その木は引っこ抜かれてしまった。その実がどんなだったか?ということだけでなく、しらすを食べるたび、あの頃を懐かしく思ったりする。
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