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2018年05月08日21:10

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カナザワ映画祭UMA怪談大会3日目(平成30年5月5日)

古代ものと怪人ものは既に二日目で終了していて三日目は「触手」と「野人」。。
最初は触手もの三篇。
先ず「海魔陸を行く」。
製作はラジオ映画、配給は東映、1950年の当然、白黒映画。
蛸壺で捕まった蛸が脱走して海を目指す話で、徳川夢声が弁士として声を入れている。蛸の一人称は「吾が輩」で「吾が輩は猫である」を意識しているらしい。蝶が可憐なヒロイン。人間は登場せず登場人物(?)は全て本人(?)達が演じ(?)ている。墨吐きで蜘蛛から蝶を救ったり、蛇を追い払ったり。亀に乗せて貰って海を目指したりし、最後は故郷の海へ帰って行くお話。又、蛸の夢の中で海底の様子や奥さんや攻撃して来るウツボの話も登場。音がひずんでおり、又、フィルムも場面と音が時々飛んでいるので、再生出来無い部分をカットしているのかも知れない。しかし、この映画、時間も1時間弱で何かの併映だったのだろうが、客の反応はどうだったのだろう?
次は「触手の蠢く島(Island of Terror)」
テレンス・フィッシャー監督、ピーター・カッシング主演、パリー・グレイ音楽と云うイギリスのSFホラー。このモンスターの姿は写真で見た憶えが有るし、原題も何かで見た憶えが有る。駐在している只一人の巡査が暇を持て余している様な平和な島が舞台。島には高名な医学博士の研究所も在ったが博士と助手達は島の人々と交流を持とうとはしなかった。或る日、夜に成っても夫が帰宅しないとの訴えに探しに出た巡査は、件の夫のぐにゃぐにゃに成った死体を発見し、島で只一人の医者に相談する。死体の中で骨が溶けてしまっている事に気付いた医者は本土へ行きピーター・カッシング演じる病理学者に相談、病理学者は骨の専門家の青年とその婚約者と共に島へ渡り、高名な博士の研究所が全滅しており、そこが原因らしいと知る。博士はローマと東京に居る仲間の博士達と共同でがん治療の為の新たな生命体を創ろうとしていた。(いや、それはムチャ過ぎる)ところが炭素生命体を創る積りが失敗し珪素生命体を作ってしまった。珪素生命体は生物の骨に含まれるリン酸カルシウムを糧としていて・・・何処から突っ込めば良いのだ!で、最初の方で巡査と医者も死亡、カッシング達は村長と協力して珪素生命体を退治しようとするが、火にも銃弾にもダイナマイトの爆発にも平気で六時間毎に分裂増殖する珪素生命体の唯一の弱点はストロンチウムを吸収してしまう事だった。研究所から実兼用ストロンチウムを持ち出し、牧畜業を営む島中の牛に注入し喰わせて漸く退治する・・・いや、だから、何処から突っ込めば良いのだ。ラストは東京の研究所で所長室に入った人の悲鳴が・・・でも「研」と云う字が日本語の「研」じゃなかった。
次は「Passionless」。
イザベラ・アジャーニ主演の・・・何だろう?オカルトノワール?
仕事に打ち込み家に戻って来ない事に不満を抱いた妻との仲がこじれ、妻と幼い息子の為に仕事を辞めても家に居ようと夫が決心した時、既に手遅れだった。妻の愛人を突き止めた夫は彼と接触するが、妻はその男をも捨てていた。夫は探偵を雇うが探偵は妻がこっそり借りていたアパートで行方不明に成る。探偵がそこで見たものは浴室に蠢く不定形生物で、その触手で殺されたのだ。何かに憑依されたと思しき妻は自らも殺人を犯していく。妻の愛人(だった)を殺した夫が眼にしたのは、人の様な形状に変化しつつある不定形生物に身を任せる妻の姿だった。妻の為に死体を始末する夫はやがて警察に追われるが、追い詰められた彼の前に妻が再び出現する。妻の不定形生物は人の形に「完成」していた。その姿は夫と瓜二つだった。妻はずっとそばに居てくれる夫を望んでいたのだ。二人は警察の銃撃で共に死亡し、人型に成った不定形生物は人として逃亡する。嘗ては直輸入版しかなくて、それを見て訳が判らなかった憶えが有るが、字幕版を見ても訳が判らない。そもそも夫が何者かも明確にはされていないのだが、どうやら何かの機関、又は組織の一員だったらしく、警察の中でその組織だか機関だかに通じていた男(ピンクの靴下を履く刑事)とも顔見知りで、人殺しに躊躇いが無いばかりか慣れている感じすらある。主演のイザベラ・アジャーニはこの作品で精神的に不安定に成ったとも云われているが、やっぱり綺麗だ。
次はトークショー「人・獣・神」。
作家で映画評論家の稲生平太郎さん、映画監督の高橋洋さん、「ムー」の編集長だったオカルトライターの武田崇元さんの三氏に依る鼎談。稲生さんは下ネタ話があまりお好きで無い様子なのに武田さんがどんどん下ネタを振り高橋さんもそれに乗っかって・・・。稲生さんは映画「シェイプ・オブ・ウォーター」に於ける人獣婚交譚に人ならざる存在に対する畏敬の念が無いのが良くない・・・と主に民俗学的見地から意見されていたが、同時に若い人達は畏敬の念が感じられない事を気にしていない・・・と云う主旨の事を云われていた。まあ、それはそうだろう。「うる星やつら」以後、異形の存在(「うる星やつら」では鬼や雪女など妖怪タイプの種族は、ほぼ異星人)はラヴコメの対象に成ってしまった。成年漫画やアダルトゲームでも異形の美少女達は普通に主人公とセックスしている。ついでに云うと「シェイプ・オブ・ウォーター」は元ネタがクトゥルー神話ではないかと云われているが、オーガスト・ダーレス「ルルイエの印」などでも異形の存在に対する畏敬の念は無いな。尚、ヒロインが異形の存在と寝た事を知った女性が、異形の存在と人間との交わりに恐れを抱かず、性器について質問する辺りが稲生さんは許せないらしいが、今は時代が違う。高橋さんは逆に性器についての質問が出た辺りで納得したと云うし、その質問はSF的でもある。稲生の様な感じ方をする人は、これから先も減って行くだろう。又、この鼎談の中で前日の「猟奇!ワニ人間」や「野人イーガー」に関する話も出た。
続いて野人もの二篇。
先ずは「サスクワッチ獣人伝説(SASQUATCH The Legend of Bigfoot)」
真面目にやっている川口浩探検隊。
サスクワッチの実在を信じる学者の調査隊一行がコンピューターの弾き出した地域へ向かうドキュメンタリー風の話。コンピューターが弾き出したと云うが、どの様なデータの入れ方をしたのかが気に成る。入れるデータの取捨選択、統計を出す時の条件の設定でまるで違う結果が出るのがコンビューターなのだから。見ていて、幾つかの特徴から、ふとサスクワッチは実在するのなら日本の天狗と同じ存在なのかも知れないと想った。
「エイプマンの復讐(Return of the Apeman)」
ベラ・ルゴシがマッドサイエンティストを演じる白黒怪奇映画。或る日、浮浪者が行方不明に成るが、それはベラ・ルゴシ扮するデクスター教授とギルモア教授が浮浪者を四ヶ月冷凍した上で組成復活させる人体実験に使ったものだった。実験が成功した二人は今度は氷漬けの原始人で実験しようと北極へ掘りに行き、苦労の末に原始人を発掘する・・・これ、何処に突っ込めば良い?北極には地面は無いし、そこに原始人が埋まっている保証はまるで無いし・・・で、原始人を生き返らせたものの凶暴なので火で怖がらせ檻に閉じ込めるが、誰か知能の高い人物の脳の一部を移植させ知性を与えれば良いだろうと云う話に成るが、デクスターがギルモアの姪の婚約者を強制的に使おうとした事から袂を分かつ。一方、原始人は脱走して暴れデクスターに連れ戻されるが、事件として報道された事でデクスターと警察に行こうと考え、逆にデクスターに囚われ脳を摘出されてしまう。しかしギルモアの知性と知識を得た原始人はギルモアの家に行くとギルモアの妻を殺してしまう。原始人は今度はギルモアの姪をさらうが姪の婚約者はデクスターに疑いを抱き、警察を連れて急行、デクスターは制御不能な原始人に殺されるが火災が発生し、火に怯えて立ち竦んだ原始人は煙に巻かれて息絶える・・・デクスター、何で生き返らせる相手として原始人にこだわった?何でギルモアの知識を得ると彼の妻を殺す事に成った?ツッコミまくりの訳の判らない作品。

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