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2018年03月04日01:26

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2017年映画ベストテン 

2017年の映画ベストテンを書いていませんでした。

〇散歩する侵略者(黒沢清)
〇エル ELLE(ポール・ヴァーホーヴェン)
〇パーソナル・ショッパー(オリヴィェ・アサイヤス)
〇風に濡れた女(塩田明彦)
〇ダゲレオタイプの女(黒沢清)
〇マンチェスター・バイ・ザ・シー(ケネス・ロネーガン)
〇哭声/コクソン(ナ・ホンジン)
〇ブレードランナー2049(ドゥニ・ヴィルヌーブ)
〇ネオン・デーモン(ニコラス・ウィンディング・レフン)
〇20センチュリー・ウーマン(マイク・ミルズ)

2017年は日本映画のベストが「散歩する侵略者」で、外国映画のベストが「ダゲレオタイプの女」で、テレビドラマのベストが「予兆」という、黒沢清づくしにすることもできるくらい、黒沢清の作品が見られてよかった。
その中でも「散歩する侵略者」は、斬新かつ大胆だった。
「ダゲレオタイプの女」車の場面でああなるのは、エドガー・G・ウルマーの「恐怖のまわり道」だったのか。フランスに行っても、階段はデンと出てくる。

「エル ELLE」ヴァーホーヴェンの若々しさは、退潮が著しいリドリー・スコットと比して際立つ。ひどい目にあってもへとも思わず立ち向かうユペールにはすこぶる元気が出る。

「パーソナル・ショッパー」最近の映画では、幽霊が出てくることはあたり前になりつつあるようだが、出てきてほしいと願うものとは別の見えない怖さが現代的である。見えるか見えないかを突き詰めた映画であり、硬質な感性が胸を打つ。

「風に濡れた女」ロマンポルノ・リブート。セックスはアクションだ。

「マンチェスター・バイ・ザ・シー」フラッシュバックの使い方が巧みなのと、俳優との距離感が絶妙。

「哭声/コクソン」韓国発のホラーは「新感染」もよかったのだけど、こちらは最初コメディタッチでありながら深刻なオカルトになっていく構成がよく、廃人になった人の姿がゾンビ以上にすごくて新鮮。國村隼の重さ。

「ブレードランナー2049」2017年は間違いなくドゥニ・ヴィルヌーブの年だった。「メッセージ」も大好きだ。こちらを選んだのは、ロジャー・ディーキンズの撮影がタルコフスキーを彷彿とさせる廃墟と火と雨と横移動で、すばらしかったから。リドリー・スコットは圧倒的に人工的な物質に埋め尽くされ、猥雑な音にまみれた未来世界を見せたが、こちらは土や水や緑ですっきりした世界。警察の室内の場面を窓の外からとらえたショットは静謐でもある。ライアン・ゴスリングが警察に戻った時の検査のセリフはナボコフだという。キュートなアナ・デ・アルマスはキューバ出身。恐ろしい大女シルヴィア・フークスは、オランダ出身。スピードスケート選手のように鍛えられていた。

「ネオン・デーモン」レフンはエル・ファニングをふんだんに料理する。

「20センチュリー・ウーマン」でもエル・ファニングが添い寝してくれる。
自伝的なエッセイ風な語りの中、アネット・ベニングやグレタ・カーヴィクなど、女性像が鮮烈。ニュース映像のコラボも面白い。トーキング・ヘッズがホモの音楽だと揶揄されるが、「シング・ストリート」ではフィル・コリンズが揶揄されていたなあ。

他に「ローガン」や「愚行録」などもよかったが、「バンコク・ナイツ」にはときめかなかった。秋ごろからシネモンドで公開された日本映画がほとんど見れなかったことは残念だった。
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