アメリカの法律には結構人の名前が付いたものが多く見られますが、
リンドバーグ法と言うのもあるのだな、と結構大人になってから知った訳ですが、
飛行機に関する法律なのかな?などとのんきに考えていたのですが、
有名なリンドバーグ愛児誘拐事件と絡んでいるのを知るのは更に最近になってからなのです。
1932年の本日3月1日、初の大西洋単独無着陸飛行に成功した飛行士
チャールズ・リンドバーグの長男チャールズ・オーガスタス・リンドバーグ・ジュニアが
ニュージャージー州の自宅から誘拐されます。
現場には身代金5万ドルを要求する手紙が残され、
10週間に及ぶ捜査と誘拐犯人との身代金交渉の末、
5月12日に邸宅付近でトラック運転手が、長男が死亡しているのを発見します。
2年後、身代金の紙幣の一部がガソリンスタンドで使用され、
リチャード・ハウプトマンと言う人物が浮かび上がる事になります。
彼の家には1万2千ドル以上の紙幣と拳銃が隠されていましたが、
仕事仲間のイシドア・フィッシュから預かったものと証言。
リンドバーグが身代金を支払った後に、ハウプトマンは大工の仕事を辞めていたり、
ハウプトマンが犯人として注目されると、目撃証言などが発生します。
しかも2人は詐欺の前科があったそうです。
殺人で告訴されたハウプトマンの裁判は、ハウプトマンは裁判の終了まで無罪を主張しましたが、
判決は死刑、1936年4月3日に執行。と言う事件なのですが、
ハウプトマンは事件当日に仕事をしているというアリバイがあった上、
夜の9時に妻を迎えに行っていたそうですが、なぜか出勤簿などは裁判までに消失。
あまりにも歪んだ捜査に、複数州にまたがる誘拐犯行は連邦犯罪であり、
自治体警察ではなく連邦捜査局管轄と定める「リンドバーグ法」が成立します。
普通、この場合ハウプトマン法になるのですが、
被害者があまりにも有名人だった為こうなってしまうのですね。
あんまり結びつかないですよね、リンドバーグ法が連邦警察官の職権範囲を示すものなんて。
この事件を描いた映画を見ましたが、
死刑執行直前まで民衆が刑務所を取り囲んで死刑を叫び、
執行されたとたんに横断幕やプラカードを捨ててとっとと帰り、
無罪を信じ悲嘆にくれるハウプトマン夫人だけが取り残されると言う
すごく後味のわるいものでした。
被害者ですが、リンドバーグも良い方で名前が残って欲しかったでしょうね。
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