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2018年02月19日17:46

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労働相談でセクハラとかいろんな人が来て面白いけど疲れる

以前から労働組合の関係で労働相談の窓口をやっている。
仕事で困った人たちが電話をかけてくるのを応対するのだ。

不当解雇、サービス残業、昇格差別などいろんな相談がある。
ハラスメントもたくさんある。

受け手がハラスメントだと感じたら、その行為は悪意があるなしにかかわらずハラスメントになる。
職場内での規律やルールとしては、これで絶対に正しい。
そうすることで人権が守られ、集団での利益を最大にすることができるし。

ところがこれを問題として外部へ持ち出すと難しい。

「証拠はあるのか?」
「証拠はわたしが見た記憶だ」

これじゃいけない。
裁判だったら、何月何日何時何分、どこで誰が何をして、そのとき他に誰がいて、自分はどのように考えて対応したか、詳しく書かなければいけない。

当然ながら会社側、被告側にも言い分がある。
裁判はお互いの証拠調べや証人尋問などで進んでいく。
適当なところで裁判官が和解を提案する。

たとえば金額だとわかりやすい。
1000万円の賠償を要求していて、被告は0円を主張しているとする。
こんな場合の和解提案としては、謝罪文ぽいことを付けて400万円でどうだという感じになる。

わたしは悪くない、どっちもどっちってありえない、自分がハラスメントだと受け止めたからハラスメントだ。
というのは裁判では通りにくい。
判決まで持ち込んでも、勝った部分と負けた部分が出てきて、どっちもどっちが決定されるだけだ。
だから相場からしてこのくらいでいいんじゃないか、と妥協するのが普通だ。


しかしまだ裁判がやれるなら良い。
いちおう事実としての証拠が揃っているのだろうから。


ハラスメントの相談で最近増えているのが自意識過剰、被害妄想、統合失調症系の人たちだ。
起こってもいない行為、存在しない事柄を訴えてくる。
それを本気にして企業交渉をすると、とんでもないことになる。

何を言ってるんですか、全くのデタラメです、いくらでも証拠がありますよ。

こちらが恥をかくことになり、まあそれはいいのだけど、訴えた本人が会社の中で立場が悪くなるだけ。

何度もこういう労働相談を受け付けていくうちに、これは虚偽のハラスメントだと、なんとなくわかるようになった。
でも微妙なものもあり、ハラスメントの相談に対しては常に内容を疑ってかかる必要がある。
とはいえ、あんたの言ってること嘘でしょと詰問するわけにもいかない。
できるだけたくさんのお話を聞いて、内容に矛盾がないか、非現実的なことを言っていないか検討する。

それからこういう人たちは、自分が何をしたいのかわからないことが多い。
ハラスメントを受けたのはいいけど、それでどうするの?
裁判や労働審判をしたければ弁護士を紹介するし、企業交渉なら労働組合の書記長に連絡する。
カウンセリングだったら個人的によく知ってる人がいるし、愚痴を言いたいだけなら時間の許す限り聞くけど。
いつまでたっても結論が出ない。

あるとき、そんな感じでハラスメントの訴えを面談で聞いていた。
なんか職場の自分が座っている机の近くにボールペンが転がってきて、それが上司の悪意あるセクハラだとか、周囲の人が皆んな自分のことをいやらしい目つきで見ている、というような。
例の「わたしがセクハラだと思うことはすべてセクハラです」の論理。
そんなことありえんだろという話が、昼過ぎから夕方まで続いた。

お腹も減ってきたし、相談の部屋は温度調節が良くない。

「どうですか、近所のファミレスでご飯食べながらお聞きしますよ」

これがいけなかったらしく「相談の人にセクハラされた!」などということになった。

でもよかった。
訴えを本気にして企業交渉していたら、とんでもないことになっていた。

その後、このセクハラ妄想の人がどうなったか知らない。
他の相談係の人に任せようとしたら「そんなキチガイを押し付けるなよ」と断られてしまった。

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