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2018年02月15日08:15

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はるのうみ

寝汗で目が覚めた。時間が何時だったかなどわからず、その後、寝汗を拭いてから再び布団に潜り込むまでが、リアルな所作だったのかすら怪しい。起床は7時5分前。普段より遅い。遅い理由は空気が寒かったから。起きてみるとやはり冷たい。なんとか洗面台に行き、顔を洗い、ヒゲを剃り、身支度をする。木曜はゴミの日だったのでまとめ、ちょっとむくんだ両足を革靴に突っ込み、玄関ドアを押し開ける。暗い室内から明るい朝の川っぺりの景色。土手を越える高さアパートは入り口がダイレクトに川面に向かっている。そんな景色よりなにより、まず感じたのはわりと暖かかったこと。

雪が降らない街。覚えている限り10年は降っていない。仕事と私生活の都合上、常にこの街に居る訳でもないが、ググると本当に降らないらしい。そんな街から冬期オリンピック選手ががでたということで商店街にノボリが立っている。そんな港町では、2月の終わり、ハマを震撼させる、というと大げさなのだが、それくらい大切だといわれる祭が執り行われる。会社への忠節が1番のプライオリティーである日本サラリーマンが大手を振って休んでしまうお祭りの日。会社に嫌われても他もあるが家族地域は替えがきかない。まあその通り。ちなみにこの街がふるさとではなく住民票すらない自分はその日、普通に仕事をしている。

街ではその祭が終わると暖かくなるという。2月末といえば寒さたけなわで東京でも3月に雪が降るということもある。が、春なのだそうだ。実際かなり暖かくなる。そして3月。海面に照り返された日差しが春霞に滲み、見るからに暖かそうな景色が広がる。宮城道雄の春の海が聞こえてくるようだ。そんな感じで長い春が新緑まで続く港町。なんとよいところに住んでいるのだろう。が、季節は草木が芽吹き、動物やらは穴蔵から出てきて、ヘンタイさん浮かれ出す春という季節。人が壊れるのは厳しさが頂点である頃ではなくそれが緩んでくる時分、らしく、長い春にゆっくりと精神を蝕まれている気分になることもある。

前提として最重度の花粉症を患うため、よい気分がしない。1月の終わり遅くとも2月中旬からハナ汁が止まらない。GW明けいや5月の終わり、思い返せば毎年梅雨入りくらいまで苦しんでいる気がする。毎年4月にはマラソンコンペ(といっても走る距離は5キロ)にでているのだが、ちょうどピーク時であり、かなり辛く、苦しみながら走っているのは春の明るい海沿いの空の下であり、沿道にさくらなんか裂いている。よい景色というのは罪なものだ、実際そうなのだろうが、美しい世界を示すことで人の苦しみやらを当人に帰結させる。
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