さむい日々

冬が寒いのは致し方ないが部屋が寒いのは個人のせい。思うとおりにならない世の中というが、そんなの嘘でお金があれば多少はなんとかなる。寒ければセントラルヒーティングでも床暖房でも入れればいいのだ。ということで寒さというのは、気温の低さ以上に個々人のこころもちを寒々しくする。冷気の鋭さが己の生き様を責めているかのごとく。

とはいえ金のあるないは相対的であり、ステイぶるではない。浮かれる平らさんも久しくないらしく、どこかの寺の鐘はいつか没落してしまうかも知れないさもしさを空気の振動にのせて響かせる、らしい。せめて会社にいるときよりも快適なコンディションでいたいのだが、比較的暖かい地方に住んでいること、原発事故以来電気代も高くなった、ということで今のアパートに入居して以来、一度も暖房をつかったことがない。

結局のところどれくらい寒いのだろう。自宅にどこかしら宅からカッパらってきた電波時計があるのだが、附帯機能の温度計によると１０℃前後くらいなのだが、そもそもこの温度計機能は怪しい。住所付近の気温をググるとそれよりも俄然低い。まあ気温というのはタダの数字。機器が示す数字がいくらだろうが、結局はその時々どう感じているか、なのだろう、死なない程度の寒さなら。

心頭滅却すれば暑さが凌げるのなら寒さもまたしかり。ちなみにその故事の暑さの対象というのは放火されて火に捲かれるという状況なのでまあ、温帯湿潤気候のしかも暖かい地方で部屋の中にいる寒さというのは、まあたしたことないのだろう。とはいえ、風邪をひいいてもマズい季節。それなりに自愛せねば。