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2018年01月28日22:22

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肉体が際立つか 「ノクターナル・アニマルズ」「ロダン カミーユと永遠のアトリエ」

「ノクターナル・アニマルズ」(16)は、トム・フォードの監督・脚本の映画。

冒頭に写し出される女性の肉体に、あっけにとられる。
後にそれが、エイミー・アダムズのプロデュース?か、関係したアートだとわかるのだが、その後、強烈な肉体性が顕示されることが、映画の中で彼女が読む物語の中に喚起されてこない。
サントラのジャケットがどういうものか、映画の中でも明確なイメージとして描写されないところが、まだまだ及び腰なのである。
トム・フォードはデザイナー。ヘンタイ性ではデイヴィッド・リンチの域にはほど遠い。

エイミー・アダムズのスチルを見ると結構、体の線を出している服を着ているのだけれども、映画の中では彼女の肉体性はあまり感じられない。シャワーや風呂の場面もあるというのに。
そもそも不眠症の肉体性がブラッド・アンダースン監督の「マシニスト」(05)のクリスチャン・ベールやクリストファー・ノーラン監督の「インソムニア」(02)のアル・パチーノほど、重要視されていない。

高速道路を走っていた家族の車が止めさせられる辺りは、「悪魔のいけにえ」のように、最悪の出来事が起こりそうな不穏な感覚があったのだけど、緊迫感は。。。

アベル・コジェオニスキの音楽は、甘美な旋律がドラマ性を帯びてきて映画を盛り上げている。こういう美しい旋律が流れる映画が最近少なくて。
2016 IFMCA AwardsのBEST ORIGINAL SCORE FOR A DRAMA FILMを受賞。
オケのクレジットはないが、英国のチェリストやヴァイオリニストが参加しており、弦楽器とピアノ主体の音楽。英国録音である。ロンドン交響楽団やロイヤル・フィルの関係者らしい。


「ロダン カミーユと永遠のアトリエ」(17)は、ロダン没後100年を記念してつくられた、ジャック・ドワイヨン監督の映画。
彫刻家の映画。ここに肉体が描かれていないと困るわけで、期待どおり。
女性の肉体、男性の肉体。
モデルとなる人の頭部を形作る時も、裸になっている。
弟子のカミーユとの関係が有名であるが、カミーユの肉体もしっかり際立っているし、奥さんも肉体に惚れているのではないか、と思われるくらい際立っている。
アトリエに日本人女性を招き入れる場面の、筋肉の付き方が違うというようなセリフが
多くの肉体を見てきた男らしくてよい。

それ以上に、音が生々しくて、すごかった。アトリエの画面の外の音までもしっかり聞こえてくる。木々の下を歩く時の落ち葉を踏む音や石膏で造形をする時の息づかい。
臨場感が感じられる映画だった。

<ジャック・ドワイヨン監督インタビュー anan Web>
http://ananweb.jp/anew/140852/?utm_source=dlvr.it&utm

ここに書かれているとおり、ロダンは女性にもてもてなのだった。
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