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2018年01月10日18:36

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12月の。そして昨年の。

12月に観たのは『ダーク・シャドウ』『ロスト・メモリー』『ザ・ウォーカー』『インフィニ』の4本。

●『ダーク・シャドウ』
バーナバスは魔女の呪いで全てを失い、永遠に苦しむようにと不死の吸血鬼にされ棺桶に封印される。200年の時を経て現代に甦った彼が見たのは没落した一族。家族を救おうと立ち上がった彼の前に、同じく不死となり一族に仇なし続けて来た魔女が立ち塞がる。そんなん。
面白かったケドちょとだけ未整理な部分が残る。僕の読解力だろうけど。ええとね、家庭教師として一家を訪れたヒロインのヴィクトリア。本名マギー。偽名を名乗った理由はまぁボンヤリと想像しとくけど問題は彼女に憑き屋敷へと導いた幽霊ね。てっきりジョゼットだと思ってたのだけど、ラストでヴィクトリア=ジョゼットとなるのですよ。コレはヴィクトリアがジョゼットの生まれ変わりで、憑いてた幽霊はデヴィッドの母親だったん?それともヴィクトリアに憑いてたジョゼットがラストでヴィクトリアを乗っ取ったの?それがどっちだかよく判らなかった。重要だと思うのだけど。ま好きな方で解釈しとく。
幽霊が見える息子デヴィッドのセラピーである博士ヘレナ・ボナム・カーターが面白い。人間に戻りたいバーナバスから抜いた血を、永遠の若さを求めて自分に輸血すんのね。その流れの果てでトリを取ったのもまぁ予想の範囲内ではあったけど、いい。バーナバスの代わりに封印されたコトになんのかな。ちょとメタなアレになるけど、付録のインタビュウでジョニー・デップが「ティムは何故か自分の奥さんを僕に殺させるんだ……何でかな」て心底不思議そうに云ってたのもちょとツボに入ったのですよ。
不思議だったのがお婆さんのジョンソンさん。このヒト居る意味あった?何か、居るだけだったよね。イヤ別にそれでもいいんだけど。元のドラマの登場人物だから出てただけなのかな?判らないけど。

●『ロスト・メモリー』
幼い頃の親友ハンナとクラリッサ。長いコト会わずに居た2人は大人になってから再会し、クラリッサの提案で想い出の島へ旅行に行くコトになる。ハンナの娘レアも連れて、3人で。実は大人になったハンナの記憶からは『消えて居る』モノがあり……的な。
うん。コレは復讐されてもしゃあないね。小さい頃のハンナひどすぎる。マリアのコトを『覚えて』居たら物語も少しは違ったのかもね。判らないけど。変わらないかもだけど。でもあんなひどいコトしといて勝手に全部忘れて『居なかった』コトにされて居るのが決定打になったのだよね。多分だけど。
幼いハンナにしてみれば罪の意識から逃れたいあまりだったのだろうけど、コレはマリアにしてみればホントにショックだったろうし怒りに囚われもするよね。親友だったのに。親友だと思ってたのに。でもこう云うコトて実際ありそうだもんね。やった側は忘れて仕舞っても、やられた側は忘れないコト。
イロイロ起きるホラーな出来事、しばしば現れ消えるちいさな子とか、それは幽霊じゃなくて全部演出なのだけどでもキッチリ嵌まったので異存はないですよ。クラリッサが『子供の幽霊』を目撃して、その手を自然に掴み捕まえるシィンは「うお!」て思ったし。其処までホント騙されてましたのでね。
それにそっから明かされる真相たるやシンプルな幽霊よかずっと『怖い』し、好み。種明かしの流れも自然で、大きな飛躍もなく急ぎもせず停滞もせずちょうどいい速度で、しかも緊張感を維持したままスンナリ情報が開示されて行くのでシームレスに真相の怖さに浸れるって云うか、心地よいのです。
ハンナがクラリッサとマリアを誤認したのは名前を騙ったからだろうけど、でもハンナの心の奥底に消したハズのマリアの記憶が残ってて、クラリッサの記憶と混じったのかも、ね。せめてそう思いたい。

●『ザ・ウォーカー』
最終戦争で文明が崩壊し荒廃した地球を舞台に、世界にただ1冊しか残って居ない聖書を守り『声』の導きに従ってひたすら西へと運ぶ男イーライと、人心を掌握し支配地域を広げるためにその本を欲する男カーネギーとの争い。シンプルに云えばそう云う物語かな。
セピアのモノクロぽい画面。荒廃した大地。バイクや車で襲い来る略奪者たち。て云う、まぁヒトコトで云えばインテリ版北斗の拳だぁね。そこそこ面白かったよ。正直、聖書にカーネギーの云う其処までの力があるとは思えないのだけれどクリスチャンの多い欧米の感覚だとまた違ったりするのかしらね。
基本孤高で拒絶的なイーライが旅路の中でソラーラに徐々に心を開いてく過程がひとつの肝かな。あー冗談云ったりするんだこいつ。みたいなね、変化が面白い。その冗談がイマイチなトコも含めてね。
『鳥の群れを見て下に何かあるのを見つける』とか漁師さんみたいだなぁと。あと『相手に両手を差し出させて危険人物かどうか判断する』て描写が何度もあり、何をもって判断してるのかなと思ったら『震えてたらマンイーター』でなるほどと思ったのです。クールー病?だっけ?ありましたよね?実際それで見分けられるかどうかは知りませんけれど。そう云う細かい描写も個人的には結構ツボでしたよ。
原題『THE BOOK of ELI』もちろん主人公イーライの本て意味なのだけれど神の本でもあるのだよね多分。エリ、エリ、レマ、サバクタニ。持ち歩いてるブツではなくイーライ自身が本、て云うオチは月並みかもだけどキレイ。ちゃんと伏線はあるのだよね。聖書をそらんじてるシィンとか。
イーライの旅路の果て、約束の場所も個人的にはほっとする着地点で。文明の保存と復興の場所。
その人自身ではなく大事な人を痛めつけることで服従させて来たカーネギー。だからラストでは従わせるコトが出来なかった。彼が平和的な男だったら、いずれ彼にも読める『本』を手に出来たかも知れないのにね。念願の『本』をやっと手にしたのに読めないのが彼に与えられた罰、て流れはとても美しい。
そのカーネギーはゲイリー・オールドマン。こう云う脱力系のどっかしら病んだ、一見穏やかだけど実は精神のタガが決定的に外れてる系の悪役やらせると抜群に上手いなぁこのヒト。テッパンだよね。

●『インフィニ』
宇宙史上最悪の事故で閉鎖された銀河系最遠の基地インフィニ。調査官がシステムを再起動し、地球に何かを伝送しようと企む。事態の把握と阻止に向かった師団は1名を残し汚染事故で全滅。生存者の救出及び伝送阻止のため新たなチームが送り込まれるが……的な話。
燃料として採掘しようとしてたオーパスは有機体で『生命体の元』のような存在。惑星全土でひとつの生き物みたいなモノでまぁ云うなればソラリスの海みたいなモンか、解凍されると活動を開始し、汚染されると宿主は乗っ取られる。時間が充分にあれば人間の複製だって作れる。遊星からの物体Xみたいな雰囲気だなーと思ったら遊星からの物体Xでした。最終的に和解したけども。話が通じるだけマシかな。
さくさくと展開してゆくストレスフリーの映画。内容の方もフツウに面白くはあるのだけどプラスアルファがないかなぁ。て感じ。人間を分析し『命とは何か』を理解しようとして居た『彼ら』が主人公の呼びかけで和解へ、て云う流れは論理的で判りやすいけど倫理的でもあり面白みには欠ける、のかもね。
『複製が作れる』て云う設定も面白く使えそうだったのにあまり生きてなかったなー残念。同じ人間がゾロゾロ出て来るとかしたらよかったのに。事件の発端を作り行方不明になった調査官とかのさ。そう云えばどうなったのさその調査官?システムを起動したアト彼らに吸収されちゃったのかな。ゾロゾロはおろか1人も出て来なかったよ。大量に出て来て自在に溶けて『彼ら』に戻るとかしてもよかったのに。
どうなったの?て云えば冒頭の会話。ログの空白。デイブが話したくなかったコト。アレ何だったの?転送に伴うデータ汚染の危険性とやらと関係あったの?それも何か、有耶無耶になってたし。
て云う、ま面白いか否かでスッパリ二等分するならば確実に面白かったのだけどでもゼータク云えばもうちょと何か盛り込めたんじゃないかなぁアト一歩、イヤ半歩でいいからこう、何かさ。ね?て云うもどかしい、惜しいなぁ、て気持ちにさせられる映画でした。イヤ面白かったのだけどね。ホントに。細かいガジェットや設定も魅力的だったしね。それだけに何かこう『生かし切れてない』感がね。ちょとね。

●●●
月間賞は『ロスト・メモリー』に。次点で『ザ・ウォーカー』 。

●●●
てワケで昨年観た映画はトータル45本。まそんなモンでしょうかね。
そん中でええと、まぁもう一回観る?て云われたらこの辺?て基準でセレクトしたのが
『バードマン』
『ファイト・クラブ』
『オン・ザ・ハイウェイ』
『11:14』
『チャイルド44』
『オン・ザ・ロード』
『ザ・デイ』
『DIG!』
『ジンジャーの朝』
『ロスト・メモリー』
『ザ・ウォーカー』

年間ベストは文句なしに『オン・ザ・ロード』。この映画に出会えたのは幸せでした。

ワーストは(飛ばし飛ばし観た挙げ句に記憶から抹消した実写版デビルマンを除けばですが)まぁ『アナザーワールド』『SPACE BATTLESHIP ヤマト』辺りかなぁ。
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