でも、マユリはいないし、ダルもいない。
私は一人だ。
ぽつんと買ったケーキと私。
いい年こいて一人だ。
それでもいい。
私は今日という日に、完全に勝利を手にしたのだから。
できなかった、どうしようもなかった。
それどころか終わりすら見えていた。
でも、逆転した。
逆転させた。
いや、違うな、所詮、何とかだ。
ギリギリだ。
青色吐息だ。
結果だけ見れば。
何が完全だ?
勝利だ?
酔えやしない。
必然でも、努力の賜物でもない。
偶然、運よく、うまいぐあいに。
所詮そんなものだ。
結局、路傍の石ころなのだ。
世界にとって、世の中にとって。
だから、転がってやる。
勢いはついた。
後は転がるだけだ!見てろよクソッタレ!!
石にだって魂はある。
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