ただ生を死との近似値に接近させるために
枯れた小細工を身体に巻き付けて連れ添う
分裂して乖離されて昇天することは適わず
ごみ屑と果てても収集車に鼓動を分別される
輪廻の刑が確実に臆病な暗鬼を胎動させる
鬱とたたかう闘魂は注入されても漏れ逃げる
邦の有事の為にでも超越しないとならないの
流されて漂うこわさから内部を傷付けては
それでもなお破壊されない確認はごく浅くて
深い深い夜の闇の奥の海の中で瞳は鈍く光る
美しい音声と稜線と間隔と情緒に彩られた世界
願いは祈りを呼び苦痛は悲鳴を生贄に捧げる
狂騒が静寂に切り替わる時に萎む心臓の
針金で渋滞を起こしそうな複雑な腺と管
運命の突起の解剖を執行する人格の蔵は
肉体の乗り物を乗り換え損ねて船酔いばかり
澄んだ海の晴れ渡る虹を散歩する夢を塗れば
七色に輝く黒と茶と土と紺と銀と灰と白の虹が
色盲まがいに曇り湧き立ちはじめるけれど
先の見えない煙に手を伸ばしてひたすら縋った
廃墟と同じ骨組みの骨格に絶望を抽入すれば
何もない何もできない何も触れられない何も
何も宿せない何もかも此処にないのになんで
いつか見たきれいな夜空の星々を瞳にかすかに
宿しながら生と死を仲直りさせようとしてるの
ねえ喧嘩はお願いだからやめてほしいよって
怯えるわたしにやさしく語りかける声は誰なの
姿が見えない存在でもいいから早く此処に来て
場所がわからない場所で羅針盤の針を突き刺し
ぎゅうってもういちどつよくつよく抱いていて
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