怖い家

子供達のあいだではいつの時代も恐ろしい話しが言い交わされている。あそこの角を曲がって黒猫を見たらやがて死ぬ、とか姿を消されるとか．私の町にも画家の家があり大きなガラス窓が２面に向かって張り出しており窓際に由緒ありそうな彫刻を置いたり色のついたものをぶら下げたりしている。そのすぐ近くの小学校の生徒のあいだでは３０年も前から「通学路があのそばの道を通らないのは、あの下を通ると指がなくなったり、時間によっては鬼が出て来てさらって行くから」と言い伝えられていたらしい。子供達のあいだでの噂は芸術家の耳には届いてないようでおもしろい。