海の臭いをかいだ。
浜辺で清楚な女性が可愛い水着を着て走っていた。
私はそれを眺めて満足そうだった。
現実は誇りと汗にまみれ、自分の肩以上に荷物を持ち上げる事すらできないほど疲労していたのだが。
そう、妄想はいつだって見る事ができる。
もっとも、そこに浸ってしまう事は恐ろしい。
だから、現実を捕える。
それが顔を歪める程、目を背けたくなる程、受け入れ難い物であっても。
そこから目をそらしてはならない。
例え血を流そうとも、嫌悪感で狂ってしまいそうになっても。
世界から逃げても、反逆だけは捨てない。
それしかないから、最後に残ったこの欠片をもって残されたときを過ごそう。
きれいな夢は入らない。
誇りと汗にまみれ、血反吐と苦痛に晒され生きろ。
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