mixiユーザー(id:16007959)

2017年05月21日19:39

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『横浜駅SF』柞刈湯葉

かつて存在した、日本の鉄道ネットワークをベースにした巨大人工知能であるJR統合知性体。
それによって横浜駅が増殖し、本州の99%を覆いつくした。
それは、かつて存在した日本政府さえ消滅させ、エキナカに住み脳にSuicaを埋め込まれて生活する人々と、構内に入れず外でしか暮らせず交通を分断された人々とに分けることになってしまった。

また、それにかろうじて呑み込まれずに済んだJR北日本に統治された北海道と、JR福岡に統治された九州が、それぞれ異なる方法で横浜駅からの浸食を食い止めようとしていた。
そこに二人の主人公、富士山が見える横浜駅1415番出口の近くの岬に住むヒロトと、JR福岡の社員・久保トシルが登場。
果たして人間は、横浜駅による支配から脱することができるのか?

駅が自己増殖なんぞするものだから、数百年も経てば、過去の人々が巨大建造物を建てていたことを信じられなくなっても無理ありません。
そして、結末を読んでいると、この先の日本国民の未来がそんなには明るく思えないんですよねえ。
続編もあるようですので、それを見届けたいです。
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