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2017年05月13日14:08

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台湾・中央尖渓を沢下りする

今回の沢登りメンバーは、日本人が7人、台湾人が3人だった。
日本人の方は面倒なので、紹介は省略する。
台湾人の方だけ書いておく。
みんな男性だ。

まず台湾側のリーダー、50代の郭さん。
学校の先生をしていたけど、仕事が嫌でやめた。
今は山登り中心の生活をしている。
なんだか、どこかの誰かと似ているので気が合った。

40代の黄さん。
長身で力持ち。
どんな危険な斜面でも率先して進んでいく、まことに頼もしい人だ。
職業はダムの建設現場だそうだけど、一ヶ月のうち半分は山登りをしているそうだ。

20代の周さん。
若くてイケメンな人。
イケメンと言ってもいろいろだけど、ジャニーズやエグザイル系よりも韓国俳優的イケメン。
医学部を出て研修医をしている。
来年は総合病院に就職が決まっているので、時間がある今年中にたくさんの山に登りたいから参加した。


3人とも頼りになる人たちばかりだった。
とくに沢登りのときには。
わたしは何度も助けてもらった。


5月3日(水)

今日から沢を歩く。
まあ昨日まで水の中を歩いているので、あまりやることに変化はない。
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まずは中央尖渓小屋から一昨日登ってきた沢を下る。
いちおう一般登山道なので気楽に降りていく。

8時30分、登山道の終わりに着く。
ここからさらに中央尖渓を降り、南湖渓の出合いまで行く。
そのあと南湖渓を遡行して、最初の日に泊まった南湖小屋にたどり着き沢登りを終了する予定。

ウェットスーツを持っている人たちは、ここで着替えた。
わたしは軽量化のため持ってこなかった。
水温は低いけど、根性で頑張るのだ。

歩きだすとさっそく小さな滝と釜が連続する。
ウェットスーツたちは楽しそうに滝から飛び降りて泳いでいる。
わたしは濡れると低体温症になりそうなので、ヤブの中を高巻いて降りていた。
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10時前に今回の核心部に到着した。
50メートルほどの滝が落ちている。
両岸は切り立った岩の壁だ。
さらにその下にも大きな滝がある。
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右岸から巻くことにした。
状態の悪い草付きの急斜面を登っていく。
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少し傾斜が緩やかになったころ、黄さんが後ろから声をかけてきた。

「ちょっと降りて様子を見てきていいか?」

90度の崖をロープを使って降りていった。
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下るのはいいけど、その先どうなっているのだ。
もっと安全なところまで進んでからのほうが良くないか?

ジリジリして待っていると、この先大丈夫という合図が聞こえた。
順番にロープにつかまり懸垂下降する。
ほとんど身体が宙に浮く空中懸垂だ。

たどり着いたところから、今度はバンドに沿ってトラバースだ。
高度感で足がすくむ。
黄さんの張ってくれたロープを頼りに、少しずつ進んでいく。
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最後にまたラペリングして滝の下に降りることができた。
地に足が付いているというのはじつに幸せな気持ちになる。
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沢を見上げると大きな釜の上に多段の滝が落ちてきていた。
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全員が降りてきた。
時間はすでに12時を過ぎている。
滝の下降だけで半日かかった。

そこからしばらくはゴーロ帯だった。
歩きにくいが危険は少ない。
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一つロープを使った高巻きがあった。
10メートルぐらいの懸垂だから、たいしたことはない。

でもそのすぐ先、どうしても泳がなければ降れないところがあった。
滝の左岸を降りて、へつることができない釜を5メートルほど泳ぐ。
わたしは落ち口からザックを抱えて飛び込んだ。
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釜の縁に飛び込んだからだろう。
水が渦を巻いていて、取り込まれてしまった。
足が立たない深さだ。
思わずザックから手を離したら、水の中に引き込まれてしまった。

すぐに黄さんが飛び込んで、身体を支え助けてくれた。
よかった。
黄さんがいなければ死ぬところだった。

ずぶ濡れになった身体が冷える。
ガタガタと震えながら歩いて行く。
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次に現れたのが巨大なゴルジュだ。
両岸に岩が迫って流れが細くなっているところのこと。
流れが急で水の中も歩けない。
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黄さんと郭さんが先に行ってルート工作をしていた。
なんとか行けそうだけど、時間はもう15時30分。
今夜はこのゴルジュの手前で泊まる。

毎度のことで焚き火を起こす。
濡れた服を火で乾かした。
体が温まり、ホッとした。
やっぱりウェットスーツを持ってくればよかった。
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(沢登り冒険編その2へ続く)
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