そんなに言うなら「おもしろい話」したろやないか。

昔々、中国のある時代のこと。

中国の東の端の遼東地方に、
豚を飼っている男がいました。

ある時、自分が買っている豚が仔を産んだ中に
頭の白い子豚が混じっていました。

この地方では豚といえば黒いものだったので
男はたいそう喜んで、

「これは珍しい！　さっそく天子さまに献上して
ご褒美にあずかろう」

と思って、子豚を連れて都を目指しました。

そうして河東というところまで来た時に、
ふと周りを見渡すと、

なんと白い豚ばかりではありませんか。

男はそれを見て、
自分がいかに狭い世界で生きていたか、
なんと自分が物知らずであったかを悟って、
がっかりして故郷に帰っていきましたとさ。

…………

　「ねぇねぇ、それのどこがおもしろいの？」

　「分からんか？
男はそれまで自分が見た事のなかった
頭の白い豚が生まれたってんで、珍しいと思って
天子さま、つまり皇帝にさしあげようとしたんだ。

　「それで？」

　「ところが河東ってところまで来たら、
どこも白い豚ばっかりだった。
ここまでは分かるな？」

　「うん」

　「白い豚ってことは、つまり
頭も白い。
胴も白い。
前脚も白い。
後脚も白い。
尻尾も白い……つまり尾も白い、おもしろいってこった。

　「しょうもなー……」

　「しょうもないフリにしょうもない話でこたえてやったまでだよ」


■「面白い話をしてよ」というフリはなぜダメ？
発言小町の相談に非難殺到「あなたの話がつまらないと言っているようなもの」
(キャリコネ - 05月06日 15:12)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=210&from=diary&id=4559826